平成28年6月

新商品が続々、発売されました。 と言っても当社としては、ということですが。 何といってもメインは満点スリップの改良バージョン、エクストラです。 これは何年も私の頭から離れなかった案件で、ようやく思い描いていた素材と、独自性を持ったパターンを作り出し形にしたというものです。 それと、チョー軽くてコンパクトになるはっ水性のあるモンペと、V字衿でえもんのところに紐がない形の割烹着もずっと思い描いていたのですが、なんとそれが一気に出来上がったのです! こんなことはそうそうあるものではありません。 ずっと新商品は出し続けてはいるものの、一度に思い描いていたものが仕上がるなんてことは『たかはしきもの工房』始まって以来の快挙なのです。 しかも、それがすべて人気雑誌の七緒に取り上げていただけたのですから、私は今、とっても幸せです。笑 それもこれも突破口はすべて『生地』との出会いでした。 思うような生地に出会える確率は本当に少なくて、これは足を棒にして探すわけですが、日常の仕事を抱えた中、それらの仕事は後回しになりがちで、結局そこそこで妥協したくなるものです。 ある程度会社が大きくなれば、新商品の企画立案はそういう担当者がいて、思っていることを言いさえすれば、その担当者が足を棒にし、のたうちまわり捻り出す、ということに専念できるのでしょうけど、うちはまだまだ弱小企業、全ての発露は私にかかっているのです、頑張らねばなりません! いつも思うのです。 これは誰のためのものなのか、誰がどう喜んでくれるのか、ちゃんと会社に貢献してくれるか… どうしても思い描いたものに少しくらいとどかずとも、「ま、これでいいか~」と思いたくなる気持ちをぐっと抑え、本当に求めているものに出会えるまで『何のために、誰のために…』を念仏のように唱えています。 また、既製品の壁というものがあって、どうしてもある程度のサイズに作り込まなくてはいけませんが、素材のことだけでなく、なるべく多くの方に「私の体にぴったり!」と思ってくださるように、というのも、念仏のように唱えていることの一つです。笑 それがすっと出会える時と何年もさまよう時があるのです。 今回はそれが一気に来たということなので神様に感謝です。   このエネルギーがきれぎれになったり弱くなったりしたら、その時が引退の時なのだろうな…、と時々思います。思い描いて叶うためには絶対に『想いの深さ』が肝心なのですから。 これは、ものづくりを通して私が学んだ、人生の極意かもしれません。 紹介した商品 満点スリップ…