自慢の職人
2009年4月10日
彼が当店の無地染めをして下さっている職人さん。
いつもはお客様を同行しての京都だから、ゆっくりお仕事を見せて頂くことがなかったけど、今回はじっくり見せて頂きました!
一言で言って……
超~感動!!! でした。
本物の『職人の仕事』というのはどんなものでもそこに『祈り』と『愛』が感じられるものですがまさしくそれ、でした。
彼の染める色が放つ『深み』はその行程を一巡り見せて頂くことで、芯から納得のもの。でした。
彼はどんな色も一度に染料を作らないのです。それは少し控えた色から始め、2度3度と茶さじ半分や1杯の染料を足してゆくというものでした。
一度で決められるのに、です。
『一度で決めてしまうとどうも浅いんだよね、色が……』
それを1時間以上かけてゆっくりゆっくり生地を染料に通しながら、じっと子供を育てるかのように見つめつつ『何色をどれくらい足すか』に頭を巡らす……。
実はそれが彼の『至福の時』なんだと私はすぐにわかりました。
思った通りの色を染め上げる……。
そんな静かな時間の中で色は深みを増してゆくのです。
職人としてのこだわり、平たく言ってしまえばそういうことでしょうがその想いの丈に涙が出そうでした。
こういう方たちの想いをお客様に届ける、ということが私の使命なのだとガラにもなく、顔にも似合わず、胸に刻んだ瞬間でした。
……って、まずは私自身が深くならなくっちゃ(><)