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令和4年9月

九月と言えば二年前、本格的にユーチューブ動画を始めました。

コロナ禍で出張や催事は全滅、ネットショップも売上ダダ下がりの日々、暇でなにかやろう!という中に動画がありました。
初めはインスタライブなるものを初夏のころにやってみたのですが、私としてはせっかく労力をかけて撮った動画が、その時だけで終わるのは効率が悪いのでは、と言い張り、ユーチューブへと切り替えたのが九月でした。暇、と言っても、新商品開発や業務改善に勤しんだりと他にもやっていたので、結局まぁまぁ忙しくなっていて配信ペースは週に一度と決めてスタートしました。

結果としては、本当にやってよかったと思っています。週に一度なんて緩すぎなのですが、おかげで今でも続けられていますし、エンドユーザーからは、「ユーチューブ、観ています!」とキラッキラのまなざしで声を掛けられることもしばしば。気仙沼のお店まで訪ねてくれる方もちらほら増えてきて、皆さん口を揃えて観ていますと言ってくださいます。こんな嬉しいことはありません。

ところで、配信するについて心がけていることがいくつかあります。一つ目は「きものに対するハードルを下げること」です。私の今のテーマのひとつなのですが、きものが高みに上げられてしまっている、しきたりがらみのイメージを払しょくしたいからです。日常の中では自由に遊んでいいんだよと言いたいのです。いい加減な私でも、毎日きものを着ていられるくらいだから、あなたも全く大丈夫!笑われても平気だよ~、きもの警察も平気だよ~、と言いたいのです。だから、間違っても、変なところがあっても撮りっぱなしです。←いい加減で面倒ってことでもありますが(笑)。間違っているところは突っ込みを入れてもらうという独自のスタイルも確立しました。(これが意外にウケています)

二つ目は「たかはしきもの工房的思考をお伝えすること」です。どういうことかと言うと、どんなものでも絶対はない、ジャッジはしない、視点を変えれば面白い、自主性を大切に、などなどです。私が本気で肌着を作ろうと考え動き出してから二十年以上経ちました。その頃はまさに「きものは特別のもの」でした。どんどん日常から切り離され、きものを楽しみたくても、そんなことは許されず(つまりきもの警察だらけ)、楽しむにもまことしやかに決められた決まりごとの中だけでした。確かにその特別感も魅力のひとつではありますが、単なる着るものでもあるということを取り戻したかった、強く取り戻したかったのです。

有難いことにゆるゆるではありますが、登録者数1万人を超えました。人数ではないと思っていますが素直に嬉しいです。