楽ちんできちんと感あり!ちょい広幅バチ衿のススメ
きものの衿は3種類
着物の襟の種類には主に3種類があります。
着物はほどんど広衿で作られています。自分の好きな幅で衿を折ることができるので、胸元が収まりやすいのが特徴です。
ボリュームがあってフォーマル感も出るので、
絹の着物は今はほとんど広衿ではないでしょうか。
棒衿は全て同じ幅の襟のこと。カジュアル感が強いものです。
そしてバチ衿は、三味線のバチが持ち手から先に向かって広がっているように、衿先に向かって広くなっているものです。浴衣もバチ衿です。棒衿ほどではありませんが、カジュアル感が強くなります。
昔着物が日常着出会った頃は、絹でも夏物でもバチ衿になっているものもありました。
ただやはり、バチ衿もカジュアル感が強い。
広衿は襟先に向けて広げて折るので、首元で5.5センチのものが剣先では7.5〜8センチくらいになっています。
一方バチ衿も先に向かって広がっているとはいえ、剣先で6.5センチくらいが普通です。この衿の狭さがカジュアル感につながっているのではないでしょうか。
そこで、たかはしでは「ちょい広幅バチ衿」を推奨しています。
剣先で7.5センチくらいになるように、広幅にすることでカジュアル感が薄れるのです。
おすすめの素材は、紬や木綿、ウール、綿麻などの普段着のもの。でも、ちょっとオシャレ着にというときにピッタリです。
なぜそこまでしてバチ衿にするの? 広衿のままでいいじゃないと言われそうですが、実はバチ衿、普段着に多いだけあって、着るのがとても楽ちんなんです。
広衿を折って整えるのも一手間ですし、ふわふわして開いてしまったりうまくいかない場合もあります。
その点、バチ衿はその手間がないので、簡単に衿合わせができます。
広めのバチ衿にすることで、バチ衿の手軽さと広衿の品の良さ、きちんと感を同時に楽しめるというわけです。
夏物の浴衣や綿麻は、広めのバチ衿にすることで浴衣的にも、きもの的にも着られて便利です。
仕立てのポイントは、首元から均等に襟先に向かって広げるのではなく、耳のあたり(衿肩あきのあたり)から広げるようにすること。こうすると着やすいです。
麻着物などもバチ衿にしておくと、浴衣風にも着られて涼しくてとてもいいですよ。
もちろん、広くする場合も身長や肩幅、肉付きや体の厚みなどによって一律ではありませんが、ちょい広にすることで、ぐっとおしゃれ着感が出るのでおすすめです。
きものとゆかたの違いって?
こうするとだんだん、浴衣ときものの違いって境界がわからなくなってきますよね。
昔は浴衣は完全に普段着、家着でしたけれど、今ではだんだんグレードアップし素材も進化したりして、浴衣もきもの風に着ることが増えています。
昔の浴衣は目の粗い綿で、汗もよく吸ってくれるし涼しいけれど糊がないとくたくたで、本当に湯上がりに着るようなものでした。日中に着たり街着がわりにするような存在ではなかったのです。
でも、今は柄や雰囲気でしか区別やつかないのではないかなと思うくらいです。本当は仕立ても違っているものなのですが、今、たかはしきもの工房で浴衣を仕立てるときは、ほぼ単衣と変わらないやり方です。
反物の素材もよくなっているし、わざわざ仕立てるのであれば着るシーンもたくさんあったほうがいいですよね。
というわけで、楽ちんときちんと感のハイブリッド衿「ちょい広バチ衿」を、機会がありましたら試してみてください!
この辺りのお話をじっくりと女将が説明している動画もぜひご覧ください!
【楽チンなのに、ちょっとしっかり感も!ちょい広幅バチ衿のススメ】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
【きものとゆかたの違いって?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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