平成26年8月
着物業界として、総売り上げ金額はここ二十年下がり続けてきています。
でも、それに反比例するように着物を着る人口は確実に増えてきています。
つまり着物を買う方は減ったけど、着る方は増えているという面白い現象が起きているのです。
そういう実感、みなさんもありませんか?
着る方が増えてきたおかげで、ずっと下がり続けてきた業界の総売り上げ金額がやっと下げ止まったそうです。何と嬉しや~
でもこれが本来の姿なのだと思うのです。
着たいと思う方が買って着用する、楽しむという本当のニーズに、売り手市場で来たこの業界がどう応えるかに、これからの着物の将来にかかっていると思うのです。
当社は問屋卸をせず、全て直接販売か直接卸の販売方法をとってきました。
それはなぜなら、
顔の見える販売がしたいから
に他なりません。
とにかく顧客ニーズに敏感でありたかったからです。
小さいメーカーだからこそ出来ることなのかもしれません。
そしてメーカーとなってものすごく感じていることがもう一つあります。
ものづくりだらけのこの業界において、一番末端である職人や工場にきちんとした対価が支払われるようでなくてはならないということです。
技術とものづくりの現場がどんどん海外に流れるようになって以来、日本のモノづくりの現場は疲弊し手は荒れる一方です。
価格は海外と比較し圧されるばかりでどんどん潰れていき、素晴らしい仕事人がその技術を発揮する場が無くなっているのが現状です。
几帳面な日本の良さである「丁寧で綺麗」な仕事を無くさないためにも国内でのものづくりを極力守りたいと思っています。
もちろん、海外製が悪いと言っているわけではありません。
選択肢としてリーズナブルな商品があることは本当にうれしいです。
ただ、国内のものか海外のものかをあいまいにし、利ザヤを得る、みたいな商売にはピリオドを打つべきだと思っています。
選択の自由があるべきだと感じています。