平成27年12月

きものよきもの

商品を売り出すとき、価格でかなり悩みます。
コスパというやつですが、つまりはこの商品を買おうと思ってもらえるかどうか、ですから売り上げに直結する大事な胆なのです。

当店の商品はよく高めだといわれています。
確かに他社さんの商品に比べると高い、それはしっかり自覚しています。
満点スリップだって和装肌着の中で上位五本の指に入ると思いますし、帯枕の空芯才だってそれまでの帯枕の常識である千円台を大きく超え、全てが二千円台です。

そして帯板においてはびっくりの四千七百円と言う価格でこの夏に発売したのです。
我ながらびっくりぽんや~笑
 
でも価格が高くなるにはそれ相応の理由があります。
まずは国産であるということですが、今回の帯板は

一、機能性に優れたものにするため新たな形にした

→つまり、新たな金型をおこすという投資が必要であり研究開発にも時間と手間がかかった。

二、素材もすべて見直し、オシャレ心にも満足いくように五色の展開

→機能性を素材でも大きくアップさせるための努力を重ね、より喜んで使用してもらえることを促進した。

結果、ネットショップはもちろんのこと、お取り扱い頂いているお店でもとても評判がよく順調に売れているのです。
私自身もイベントや販売応援の中で何度も販売していますが、実は一度も高いから買うのをやめると言われたことは無いのです。
これには発売した私自身もびっくりしています。

なぜなのか…
これは明らかに価値観の変化にほかなりません。
断捨離という言葉、あっという間に定着してしまいましたが物溢れの時代に入り、どなたも無駄な買い物はしたくないという境地に至っているのだと思うのです。
断捨離とは単にモノを減らすということを語っているのではなく、それぞれの物が本当に必要か否かを精査することで自分の人生を見つめることにもなるのでしょうね。
断捨離は奥深く、その辺のことまでを考えるきっかけをくれたんだと思うのです。

モノづくりを始めるとき、お客様を「安物買いの銭失い」には絶対にしたくない、本当に必要とされるものを生み出すんだ!と決意して始めました。
本当に必要なものは多くはいらないのです。
自分の生活の範囲で見合った分あればいいのです。
良いものを見つけたら人は迷うことなく購入する時代になったのですね。
だから、これからも高いものをどんどん作り出します、どうぞ覚悟してこれからもよろしくお願いいたします。笑