夏におすすめ!3つのお役立ちアイデア&アイテム
夏は暑い、と覚悟を決めるのも大事
蒸し暑い日が増えてきましたね。これから夏に向かってどんどん暑くなっていきますが、夏着物を着こなすために有効な小技をご紹介いたします。
夏着物は、暑いし汗もかくし、透けるし、着るのには結構ハードルが高いと思いませんか? 10年ほど前までは「着物=正絹」という感じでしたから、汗をつけたくないとかいろいろ思うと着るのがおっくうでした。最近は、綿麻や新素材など洗えるものも増えていますので、気軽にトライできるようにはなっていると思いますが、やはり少しでも涼しく楽に夏を乗り切りたいと誰もが思っていると思います。
でもまずですね、暑いし汗をかくからイヤだとか思っている時点で夏着物がイヤになってしませんか?
実はこの思考パターンを変えるだけで、汗が相当減るような気がします。
「夏は暑いんだ」と覚悟を決める。汗をかいてもいいように、準備をして着る。それで随分と変わります。夏はもう、何を着ていても暑いわけですから「これを着れば涼しい」なんていうものはほぼ存在しないわけです。気の持ちようでコントロールするのも、実はひとつの夏を乗り切るアイデアと言えるのではないでしょうか?
凹凸のある素材は涼しい
平織りの素材は、汗をかくと肌に張り付くこともあり、暑いと感じる方も多いのではないでしょうか。実は、満点スリップの上半身の素材が速乾性のあるポリエステルなのも、女将が木綿の平織り素材を暑いと感じたから。体感の差はあるとは思いますが、しじら織やワッフルなどぽこぽこした素材で肌に触れる面積が狭いため、涼しく感じます。
そこで、単衣や夏着物につける居敷当ての素材もダイレクトワッフルにしてみたところ、さわやかでいいかんじになりました。
そこで「薄地で涼やか、汗による張り付きも軽減。綿ワッフル織りの居敷当て(いしきあて)」として販売を始めたところ、少しずつ売れ始めています。この居敷当ては、収縮率が縦横1%未満でほぼ変化がないところも特徴です。毛羽立ちにくい構造で、二次収縮も起こしにくいです。天然繊維はどうしても伸縮が大きいものが多いので、単衣や浴衣なども自分で洗おうと思っても、居敷当てとの伸縮率の差でつれてしまったり、難しいケースもあります。その点とても安心して使っていただけますし、絹に比べて安価なのも嬉しいところです。お着物好きな方には一度お試しいただきたいアイテムです。
夏におすすめ!技ありえもん抜き
夏は、ちょっとえもんが首につかず、ゆったりと抜けることで涼しさが感じられます。これもお好みですが、冬よりも気持ちえもんを抜くことで快適になります。
でも、うまくえもんが抜けないのよね。えもん抜きをつけると、背中で透けて見えてしまうし‥‥という方のために、新商品の「技ありえもん抜き」をご紹介します。
たかはし式えもん抜きとは違い、襦袢の背中に直接縫いつけるタイプになります。
縫いつける場所は、えもんを抜いた状態で、ウエストの一番細いところから3〜4センチ上になります。まず仮止めして、自分にちょうどいい場所を探してください。
そして、使い方は襦袢を羽織ったらひもを身八つ口から通して、下に引き下げます。えもんが程よく抜けたら、衣紋抜きを下に引き下げながら前で結びます。このとき「下にさがるんだよ〜」と心の底から呪文をかけるとよいそうです!
紐を結んでしまえば、えもんは固定されますので、前で襦袢の衿を胸を包むように会わせればオッケーです。
この詳しいやり方は商品ページもしくは動画でもチェックしてくださいね。
【夏きものでも透けないえもん抜き!たかはし新商品「技ありえもん抜き」紹介&縫い付け方&使い方!】
以上夏を少しでも涼しく過ごすための心構えとアイテムのご紹介でした。
女将による3つの小技のご説明はこちらです!
たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
【夏におすすめ!3つの小ワザ紹介】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
いかがでしたでしょうか?
知恵と工夫で、蒸し暑い梅雨も、夏本番も、着物を楽しみましょう。
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
紹介した商品
綿ワッフルの…
短い袋帯を、切らない縫わない「半つくり帯」で簡単に結ぶ方法
クリップとふっくんを使ってお太鼓をつくる
二重太鼓にしたいけど、ちょっと短いなという帯をお持ちではありませんか?
新しいものは長尺のものが多い袋帯ですが、古いものや譲られたものなどはちょっと短いなという場合もあります。
そんなときは作り帯にしてしまうという解決方法もありますが、帯を切りたくないな、とか、切らなくても作り帯の形にしてしまうことで収納が場所をとるな、とか思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回は、女将とっておきの技、短い帯でもちゃんと結べるクリップで毎回形を作って使う、切らない縫わない「半つくり帯」のご紹介です。
用意するものは袋帯、帯枕、帯揚げ、帯締め、クリップなど通常帯結びに使うものの他に
クリップ(中2個、小2個)
ふっくん(仮紐でも可)
30センチくらい測れる定規
以上です。
これで、あらかじめお太鼓部分を作ってしまおうというものです。
では早速やってみましょう!
1)お太鼓の大きさを決めて帯枕を置く
手のほうは胴にまく部分まであらかじめ二つ折りにしておきます。たれ先から、たれの分(8センチくらい)とお太鼓の大きさ(だいたい30センチ)を測り、たれ先から約38センチのところに帯枕を置きます。
2)折り返して、二重太鼓の部分を作る
帯枕の上に、たれ先くらいまで帯を折り返して二重太鼓の部分を作る。このとき、短い帯の場合は、お太鼓の大きさ+3センチくらいで折り返す。
3)帯枕の下をクリップで止める
帯枕の下の部分を、折り返した帯が4枚重なるように揃えて2カ所クリップで止める。歪まないよう布目を整えるのがポイント。
4)お太鼓部分にふっくんを通して折り返してクリップでとめる
お太鼓を作った二重部分の下の輪にふっくんを通し、お太鼓の大きさに折り返す。余裕があれば手先で抑えられるが、折り返しが短いと手先でとまらないので、折り返し部分を左右2カ所クリップで止めてしまう。
5)帯を結び、お太鼓を背負う
通常通りに帯を胴に巻いていき(自分のやり方でOK)、最後に形作ってあるお太鼓を背負う。
6)帯枕の紐を結び、上のクリップをとる
帯枕の紐を結び、上のクリップをとる。帯揚げはあらかじめ帯枕にかけておいてもいいし、ここで通してもOK。帯揚げを結ぶ(仮結びにしてあとでキレイに仕上げてもOK)。
7)ふっくんを前にまわして止めて、帯の中に隠す
お太鼓の下に通したふっくん(仮紐)を前に回して止めて、帯の中に押し込んで隠してしまう。ふっくんが止まっていることで、お太鼓の形がキープできる。
8)手先をお太鼓の中に通し、帯締めを結んで仕上げる。
手先をお太鼓の中に通して、帯締めをその上に通して結ぶ。下の小さいクリップをとって、完成です!!
普通に結んだのと仕上がりは変わりませんし、脱いだら元通りになりますので収納も従来通りにできます。
毎回クリップで止めるのがちょっと手間かもしれませんが、慣れると早いものです。
柄出しもラクラク。二重太鼓が苦手な場合も使える技です
今回は短い帯が結べるということでご紹介しましたが、例えば柄出しをこだわってしたい、などのときにも使える技ですのでぜひご活用ください。その場合帯の長さが十分にあり、お太鼓の折り返し部分が十分な長さがあれば、ふっくんを使わなくてもよいので、臨機応変にどうぞ。
二重太鼓がずれちゃってうまくいかない、なんて方も最初にお太鼓を作ってしまって背負うだけなので、試してみるとキレイに結べちゃいますよ!
写真と説明だけではいまいちわからないかも‥‥というあなたはぜひ、女将の実演動画をご覧ください。高速帯結びも見られます。
【帯が短い方必見!】二重太鼓を半つくり帯で簡単に結ぶ!たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
いかがでしたでしょうか?
ふっくんがない、という方は短くて細い仮紐でも代用できますが、ふっくんのよいところはゴムでできているというところ。キレイに帯の中に隠れてくれるんですよ。通常は前結び用帯板「とるる」とセットで使う仮紐なんですが、こんな使い方もできるのです。アイデア次第でいろいろ使える縁の下の力持ちです。
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
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結ばない仮ひも…
ベストセラー帯枕「空芯才」のマル秘テクニック2選
帯枕「空芯才」が使いやすいヒミツ
たかはしきもの工房オリジナル帯枕「空芯才」
一度使ったらやめられない使い心地とご好評をいただいて、口コミでひろがったベストセラー商品です。
なにが普通の帯枕と違うのか?
まず、帯枕本体が立体メッシュを成形して作ってあること。
通気性がよくて、ムレなくて、ほどよい固さとクッション性があります。
カチカチのボール紙の芯が背中にあたって痛い‥‥なんてこともなく、椅子や車のシートにもたれても快適です。
そして、帯枕の長さが25センチあること。
そのため、お太鼓の山がほどよくまっすぐ美しく決まりますし、持ち上げやすい。
あとは、枕ひもが東レのエアレットという吸汗速乾性と伸縮性があり、摩擦力の大きい素材であること。
結んだところでゴロゴロしないように先細りの形状であること。
このことによって、枕ひもをぐっと脇から帯の中に押し込んでおけば、しっかり帯のなかに収まって、上に持ち上がってくることもありません。
枕ひもの付け根も幅広で、脇腹が痛くなることもなく、結び目を帯の中に入れこめばみぞおちを圧迫しないので本当に体も楽なのです。
また、帯揚げも押し上げられないので帯周りがすっきりとなります。
これらの特徴が、空芯才が使い心地が楽で、お太鼓がきれいに作れるヒミツなのです。
「空芯才」のサイズの使い分けは?
空芯才には、サイズが3種類あります。N(ノーマル)、DX(デラックス)、Big(ビッグ)です。
それぞれの特徴と、どんなときに使いやすいかご紹介いたします。
長さが25センチなのは共通で、違いは帯枕の「高さ」になります。
N(ノーマル) 高さ3.5cm
帯山がかなりフラットになります。小さなお太鼓は日常使いにはらくちんで、観劇等長時間もたれていても疲れません。
張りのある帯におすすめ。柔らかい帯だとくたっとなりすぎるかも。
小柄な方、年配の方に
DX(デラックス)高さ4.5cm
ほどよい高さで日常からおしゃれな装いまで使えます。
どんな帯にも使いやすく、体型、年齢を選ばない万能サイズ。
枕ひもが黒い「クロウ」もこの大きさです。
Big(ビッグ)高さ6.5cm
華やかな装いにぴったりの高さ。
また、柔らかくて形が決まりにくい帯におすすめです。
大柄な方、若い方に
空芯才は、やわらかく体にフィットする素材ですので、見た目が大きくても体にフィットして添いますので、実際に使うと丸みのある自然なラインに仕上がります。強く引けば高さも控えめになります。お好みの付け心地と高さを見つけてくださいね。
「空芯才」のマニアックな使い方2選
さて、空芯才の基本をマスターしたところで、いよいよ空芯才のマニアックな使い方を2つご紹介したいと思います。
逆さ使いで羽織のシルエットをなだらかに
羽織を羽織ったとき、帯枕のシルエットが高くカクッと出るのが気になるときありませんか?
若い方はそれが素敵なのですが、年齢を重ねてくると控えめでまるみのある落ち着いたラインにしたい時も。
これもお好みなのですが、空芯才DXの山を逆さにするとこの控えめラインを出すことができるのです。
帯枕を逆さ? と思われた方はぜひ動画をご覧ください!
動画はこちら
着姿のこだわりはひとそれぞれ。
ちょっとしたことですが、お試しになってください。
目からウロコ!枕ひもを帯の下に引き出す!?
え? なんのこと?と思われた方も多いのでは。帯枕のひもを、帯の中に深くしまうようにはよく言われることかもしれません。
その時のコツは、真ん中の結び目だけでなく、脇からしっかりと紐を押し込むこと。こうすると、紐は上に上がってきません。
そして、さらに! ひもに伸縮性がある空芯才だからできる裏ワザが。それは、帯の下から手を入れて、上から押し込んだひもをつかんで下に引き出して結び直すというもの。
ひもを帯の下に引き出して、左右にわけて体の脇で真下に引き下げると、帯枕がピタっと背中につきます。
そうしたら前でもう一度軽く結んで帯の中に納める。それだけです。
こうするともう、絶対にひもは上に上がってきませんし、ひもが当たっている位置が低いので、体がめちゃくちゃ楽です。
これはたかはしきもの工房アドバイザーの辻が考案したものなのです。
え〜?と思っている方、ぜひ一度空芯才でこの裏ワザをお試しください。止められなくなります!
百聞は一見に如かず。こちらも動画をご覧ください。
動画はこちら
【ちょっとマニアック!帯枕ビックリ活用術】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
空芯才を開発した女将が、熱く空芯才の魅力について語っております!
こちらの動画もぜひフルでご覧ください。
これであなたも空芯才マニアになれます!?
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
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空芯才一覧はこちら
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Instagramをご登録されている方は、ぜひ「たかはしきもの工房…
嫌な静電気を防ぐには?強い味方3つ【女将ブログ】
嫌な"静電気"防ぐことはできないのでしょうか?
乾燥する冬から春にかけての静電気に悩まされる方は少なくありません。
人間は常に電気を帯びていて、普段は湿気を通して上手に放電しているのだそうですが、特に乾燥肌や更年期に差し掛かり、体のバランスが乱れがちな年齢の方は体質的に静電気を引き寄せてしまいがちです。
心当たりのある方はお肌の保湿はもちろんですが、お部屋の湿度調整や熱いお風呂に入らないことや洗いすぎないことなど、日常生活の中で気を付けられることは気を付けたほうがいいのでしょう。
かくいう私も、以前はあまり気にならなかった静電気、年齢とともにあれっ?ということが多くなってきました。
ドアノブはもちろんですが着物の裾のまとわりつきはとても顕著です。
これは余談ですが、実は私、大股なんです。笑
スタッフは私と歩くのを嫌がります。
プライベートであれば、私も歩調を合わせますが、仕事となると先を急ぐので、裾のひる返りなんて気にせず、がつがつ歩きます。
付いてくる方は大変らしく、走ってついてきますから、疲れると言って嫌がられます。
その上、すぐに裾が切れるという難点もあり、さらには静電気のまとわりつきもひどくなるのですから、やめたらいいのに早歩き、やめられません。
でも、私には強い見方が二つあります!
強い味方①パチシャット
これは静電気を除電する機能を持った導電性繊維を使用しているため、除電性能は抜群です。
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ただ、帯電防止ではありません。
あくまで、起きてしまった静電気にだけ効果がありますから、その点は誤解の無いようよろしくお願いいたします。
強い味方②つばき油
それと実は、さらに頼もしい相棒がいるのです。
それはつばき油なんです。
もちろん私は気仙沼産のつばき油を使っていますが、オレイン酸の働きはすごいですよ~
大股で裾まで切れるほどに歩く私の足は乾燥にさらされ続け、冬にはお肌が白く粉を吹いたように乾燥しているのですが、どんなクリームよりつばき油がそのような乾燥に効果があるのです!
嘘だと思った方は是非お試しあれ~
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もう一つの強い味方
実は、もう一つあるのです。
きっと意外に思われるかもしれませんが、それは「守さん」です。
草履の底に貼る、あの守さんです。
なぜかと言えば、守さんのおかげで雨の日でも雪の日でも、革草履が履けるようになったからです。
守さんはこちら
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守さんは本革草履をもっと使用してほしくて、10年来思案し続け、やっと作ったゴム製の滑り止め&鼻緒の水じみ防止シールです。
それがなぜ、静電気に効果があるのかといえば、それ自体に効果があるのではなく、革草履に効果があるのです!
どういうことかと言いますと、皮は体の電気を放電してくれるからなのです。
昨今、ゴム底草履が主流になっています。
滑らず、濡れずで本当に便利ですが、静電気体質の方、もしくは静電気の季節には、ゴムが体の電気を通さないため放電できず、より静電気を招いてしまうことに。
それでも今までは滑ることと濡れることが嫌で、私も革草履が履けませんでしたが、守さんの登場で今のところ静電気知らずです。
もちろん、守さん自体はゴムですが、程よく滑ってほどよく止めることを狙って作った大きさですから、放電を妨げるほどの大きさではありませんから、ご安心を。
そんなことで?と思われた皆さん、フフフフ…
試してみたくはないですか~?
試したら、是非結果を教えてくださいね。
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パチシャット
¥715(税込)
純つばき油【70ml】
¥1,760(税込)
守さん【つま先用…
おうち着物に。クリップ使いで一日中崩れない半幅帯結び
緊急事態宣言が再び出ている地域に住んでいらっしゃる方も多いと思います。
着物を着て外出する機会が減ってしまっていますが、こんなときこそ大好きな着物に袖を通してみませんか。
ステイホームをおうちで普段着物を楽しむチャンスと捉えて、気軽に着物を着てみましょう。
帯揚げ帯締めいらず。緩まない半幅帯結び
家でリラックスするには半幅帯がおすすめです。
普段お太鼓を結ばれる方が半幅帯を結ぶと、まずその着心地の楽さに驚かれるはず。
帯枕も、帯揚げも帯締めもいらないわけですから。
でも、実は半幅帯ちょっと苦手なの、という方も多いのではないでしょうか。
女将も半幅帯だけでは心もとなかったり、なんだか緩んでくる気がしたりして苦手意識が強かったそう。
そんな方に、女将がこれなら大丈夫!と太鼓判を押した、ゆるまず安定して体型カバーもしてくれる「大人のための半幅帯結び」を紹介したいと思います。
半幅帯は3メートル60センチから4メートル50センチくらいまで長さもいろいろあります。
今回は長くても、短めでも羽の部分を調整することで結べる結び方です。
あとは、小さい着付けピンチを二つ用意してください。
これが結ぶ時に緩まないように手助けしてくれます。
帯板は好みでOK。
たかはしきもの工房の「とるる」を使うと回しやすいですが、なくても大丈夫です。
うまくぐっと締まらない、なんだか緩んできてしまうようで心もとない、そんなお悩みを解決してくれるポイントが2つあります。
早速ご説明していきますね。
変わり侍結びの結び方
1)手先を床にたらすくらいの長さをとります。背中に帯をあてます。このとき、たれのほう(右脇)をピンチでとめると落ちてきません。
2)手を折りあげて、肩にかけます。どんな風でも構いませんが、昔人の女将は二つに折った手先の輪が下に来るようにします。このとき、折り上げた手の根元にピンチを止めます。たれ側のピンチは外します。
3)帯を一巻きします。背中に回して右側で帯の上側を持ち、ぐっと締めます。この時脇のほうでしっかり引いて、ちょっと屈伸をするとよく締まります。これがポイント1です。
4)手をおろして、たれとクロスさせてたれを下から上に引き上げます。このとき、引き抜いてしまわないで、輪にておきます。
5)残ったたれ先と輪が同じ長さになるようにします。それを逆V字に整えます。
6)このとき、上の輪を持ち上げて、手とたれがクロスしている結び目の上を再度引き締めて、そこに小さいピンチを止めます。これで絶対に緩んできません。これがポイント2です。このピンチは隠れてしまうので大丈夫です。
7)結び目の左側の上側を少し中に折り込んで袋のようにして、そこにたれの輪をつっこみます。下にひいて、たれ先の長さとあわせます。
8)袋の根元を少し浮かせて、その中に手先を折りたたんで下から上に差し込みます。帯の長さによって、この手先をじゃばらにしたり折りたたんだりして長さを調整します。
9)最後に浮かせていたたれの輪を下に引き下げて引き締めます。たれも手も、長さの調整はできますのでお好みの形に仕上げてください。手がずれるのが気になる人は、輪に隠れる部分でピンチで抑えてもよいです。
10)最後に後ろにまわして完成です!
こう締めることで、半幅帯が上線が閉まって下に向かって広がる形になります。帯は下線を締めろといいますが、上を締めることで半幅の場合は低い位置で収まりよく結べるのです。
骨盤に下線をひっかけるような形になります。
帯を回す時も回しやすく、1日過ごしても、帯位置が安定してずれなくてらくちんです。
この結び方だととにかく手数が少なくてらくちん。
ぺったんこなので、電車や車に乗っても、椅子に座っても平気。
普段着物に超おすすめの結び方です。
大人に嬉しい!お尻が目立たない変わり侍結び
今日は家でもちょっと着物で過ごしてみようかな、と思われたらぜひお試しください。おうち着物もいいものですよ。
半幅帯でも、おでかけに素敵な華やかな結び方もできます!
おうち着物におすすめの半幅帯ですが、結び方によってはお出かけ用に華やかな帯結びもできます。
こちらの動画では、そんな半幅帯結びをご紹介。
トゥルルルンと帯が回る!前結び用補助板「とるる」と、3色のゴムが使いやすい!
大人用三重紐「三重奏」を使った、おでかけにもおすすめの半幅帯結びもご覧ください。
お太鼓派の方も、半幅帯にチャレンジしてみてくださいね!
紹介した商品
前結び用補助板…
今年こそマスター!衿汚れ簡単お手入れ術
自己責任。でもできたら超便利!
あけましておめでとうございます。
本年も、女将のお役立ち動画ブログをよろしくお願いいたします。
さて新年最初の動画紹介は「衿汚れ簡単お手入れ術」。
半衿ではなく、着物の衿汚れのお話です。
広襟の折れているところ、ちょうど顔の下あたりの部分は、着物を何回か着るとうっすらと汚れの筋がつきます。
手でよくさわるところですから皮脂であったり、あとはうつむいたりしたときにファンデーションがついてしまったりも。
そう、汚れの正体は油です。
放っておくと、油が酸化して汚れが強くなり変色を引き起こしたりもしますので、すぐお手入れに出してもいいのですが、ここを自分でお手入れができると丸洗いは袖や裾など全体が汚れてきてから出すのでオッケー。
毎日、日常着物の女将は、30回くらい着てから丸洗いだそうです。
なので、よく汚れる部分(衿や袖など)は自分でお手入れしてしまいます。
輪染みになってしまったのは2回だけ
正絹の着物は自分でお手入れするのは怖いと思われる方も多いと思いますが、今まで、女将が数えきれないほど自分で手入れをしてきた中で輪染みになってしまったのは2回だけ。
ゼロではないけれど、かなり低くないですか?
だいたい起こる失敗は、揮発剤で汚れの部分を濡らして、まわりをぼかさなかったために輪染みになってしまうということです。
あとは、ホコリ汚れが強かったために、まわりをぼかしきれないとか、素材、加工などによってどうしても輪染みになってしまうという避けきれない事態(ほとんどない)です。
お手入れのポイントは2つ
・揮発剤をたっぷりつかう。だらららっとガーゼからたれるくらい!ザバッと!
・汚れのまわりをしっかりとぼかす
自己責任とはなりますが、きちんとポイントと手順を守れば失敗はかなりの低確率になると思えば、衿汚れが自分でお手入れできるメリットはとても大きいはず。
きちんと仕組みや、やりかたを理解してチャレンジしてほしいと思います。
まずは面倒でも理屈を理解し、失敗するリスクを減らし、するため、動画をご覧ください。
いざ、えり汚れ落としにチャレンジ!
準備するもの
・リグロイン
・茶碗(揮発剤を入れる器)
・ガーゼ(ハンカチ程度の大きさ)
・真っ白なタオル
・お手入れする着物
・度胸(笑)
汚れ落としに使うリグロインは、ベンジンなどと同じ揮発剤です。
特徴は、ゆっくり揮発するという点。
なので、輪染みになりにくいし、失敗もしにくいです。
逆にいうと、汚れ落としという点では弱いですが、素人が扱いやすい薬剤です。
薬局やAmazonなどでお取り寄せが可能です。
ベンジンもよく使われますが、汚れ落ちがよい分揮発が早いので素人はリグロンのほうが扱いやすく安心です。
茶碗は、揮発剤をいれて使います。
余ったら溶剤を戻すので、片口みたいな形のものが便利です。
ガーゼは溶剤をしみ込ませて汚れを拭くものです。
あんまり大きいとたくさん溶剤を使うのでほどほどで。
絹の端切れは滑りやすいのでガーゼが使いやすいです。
その他にも、そで汚れにはささら(馬の毛のブラシ)などを使うこともありますが、衿汚れはガーゼがおすすめです。
やり方
※引火性の薬剤を使うので、火気厳禁。部屋の換気をしっかりしましょう。
1)衿の汚れの部分をタオルの上にのせて、ピンと張る。
2)器にリグロインを入れ、ガーゼを浸して「だららら」とたれるくらいにリグロインをつける
3)汚れ部分にガーゼをたたくように、リグロインをザバっとしっかり染み込ませて、タオルに汚れを移し、ガーゼで着物をこすり、外側に向かってリグロインをぼかすようにひろげる。
4)パタパタ動かして薬剤を飛ばす。その後完全に乾かす(半日くらい自然乾燥させる)
いかがでしょうか?
えっ、それだけ?
と思われる方も多いと思います。
慣れてしまえば日常のアイロンかけや、お洗濯のときのちょっとしたお手入れなどと同じ感覚でできてしまいます。
動画では袖口の汚れの落とし方もご紹介していますが、ちょっと難しいのでまずは衿汚れからトライしてみてはいかがでしょうか。
慣れて来たら…
こちらの短い動画(3分14秒)では手順だけを紹介していますので、こちらを見返すだけでもいいでしょう。
さいごに
正絹の着物はプロにまかせて、とよく言われますよね。
衿を自分でお手入れするというと怖いなあと思う方も多いと思います。
うまくいかないリスクもあるからです。
でも、自分でできたらお手入れに出す手間もお金も節約できてメリットがとても大きいです。
自己責任にはなりますが、なんでもそうですよね。
やってみようと思われたら、動画をしっかり見てぜひチャレンジしてみてください。
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。
ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
Instagramでブログの更新情報を配信します。
Instagramをご登録されている方は、ぜひ「たかはしきもの工房…