令和3年5月

新社屋に併設した実店舗の中で「大人の手習い塾 和の種」というプチカルチャーセンターを始めました。 これをやるために店舗を建てたと言っても過言ではありません。 なぜ、そんなに取り込みたかったかと言いますと、和ごとを身近にしてもらいたかったからです。…
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短い袋帯を、切らない縫わない「半つくり帯」で簡単に結ぶ方法

クリップとふっくんを使ってお太鼓をつくる 二重太鼓にしたいけど、ちょっと短いなという帯をお持ちではありませんか? 新しいものは長尺のものが多い袋帯ですが、古いものや譲られたものなどはちょっと短いなという場合もあります。 そんなときは作り帯にしてしまうという解決方法もありますが、帯を切りたくないな、とか、切らなくても作り帯の形にしてしまうことで収納が場所をとるな、とか思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。 今回は、女将とっておきの技、短い帯でもちゃんと結べるクリップで毎回形を作って使う、切らない縫わない「半つくり帯」のご紹介です。 用意するものは袋帯、帯枕、帯揚げ、帯締め、クリップなど通常帯結びに使うものの他に クリップ(中2個、小2個) ふっくん(仮紐でも可) 30センチくらい測れる定規 以上です。 これで、あらかじめお太鼓部分を作ってしまおうというものです。 では早速やってみましょう! 1)お太鼓の大きさを決めて帯枕を置く 手のほうは胴にまく部分まであらかじめ二つ折りにしておきます。たれ先から、たれの分(8センチくらい)とお太鼓の大きさ(だいたい30センチ)を測り、たれ先から約38センチのところに帯枕を置きます。 2)折り返して、二重太鼓の部分を作る 帯枕の上に、たれ先くらいまで帯を折り返して二重太鼓の部分を作る。このとき、短い帯の場合は、お太鼓の大きさ+3センチくらいで折り返す。 3)帯枕の下をクリップで止める 帯枕の下の部分を、折り返した帯が4枚重なるように揃えて2カ所クリップで止める。歪まないよう布目を整えるのがポイント。 4)お太鼓部分にふっくんを通して折り返してクリップでとめる お太鼓を作った二重部分の下の輪にふっくんを通し、お太鼓の大きさに折り返す。余裕があれば手先で抑えられるが、折り返しが短いと手先でとまらないので、折り返し部分を左右2カ所クリップで止めてしまう。 5)帯を結び、お太鼓を背負う 通常通りに帯を胴に巻いていき(自分のやり方でOK)、最後に形作ってあるお太鼓を背負う。 6)帯枕の紐を結び、上のクリップをとる 帯枕の紐を結び、上のクリップをとる。帯揚げはあらかじめ帯枕にかけておいてもいいし、ここで通してもOK。帯揚げを結ぶ(仮結びにしてあとでキレイに仕上げてもOK)。 7)ふっくんを前にまわして止めて、帯の中に隠す お太鼓の下に通したふっくん(仮紐)を前に回して止めて、帯の中に押し込んで隠してしまう。ふっくんが止まっていることで、お太鼓の形がキープできる。 8)手先をお太鼓の中に通し、帯締めを結んで仕上げる。 手先をお太鼓の中に通して、帯締めをその上に通して結ぶ。下の小さいクリップをとって、完成です!! 普通に結んだのと仕上がりは変わりませんし、脱いだら元通りになりますので収納も従来通りにできます。 毎回クリップで止めるのがちょっと手間かもしれませんが、慣れると早いものです。 柄出しもラクラク。二重太鼓が苦手な場合も使える技です 今回は短い帯が結べるということでご紹介しましたが、例えば柄出しをこだわってしたい、などのときにも使える技ですのでぜひご活用ください。その場合帯の長さが十分にあり、お太鼓の折り返し部分が十分な長さがあれば、ふっくんを使わなくてもよいので、臨機応変にどうぞ。 二重太鼓がずれちゃってうまくいかない、なんて方も最初にお太鼓を作ってしまって背負うだけなので、試してみるとキレイに結べちゃいますよ! 写真と説明だけではいまいちわからないかも‥‥というあなたはぜひ、女将の実演動画をご覧ください。高速帯結びも見られます。 【帯が短い方必見!】二重太鼓を半つくり帯で簡単に結ぶ!たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」 いかがでしたでしょうか? ふっくんがない、という方は短くて細い仮紐でも代用できますが、ふっくんのよいところはゴムでできているというところ。キレイに帯の中に隠れてくれるんですよ。通常は前結び用帯板「とるる」とセットで使う仮紐なんですが、こんな使い方もできるのです。アイデア次第でいろいろ使える縁の下の力持ちです。 日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに! 紹介した商品 結ばない仮ひも…

「きものの不安をスッキリ解決!」を読み、一番気になった寸法の件【きもの初心者必見】

こんにちは。 たかはし新人&きもの初心者の佐藤めぐみです。   このブログへの投稿している記事内容でもお分かりのように、まだまだわからないことがわからない状態の私です(;'∀') そんな私にとって、とっても嬉しい本が発売されておりますが、すでにお読みになられましたでしょうか? きものの不安をスッキリ解決!(Amazonベストセラー1位獲得:着物カテゴリ)   自分のために着る「日常きもの」と相手のために着る「しきたりきもの」の違いをポイントを絞って書かれています。 どのページもわかりやすい上に、「おお、そうだったのね!」と、読むだけでレベルアップしちゃいそうな内容満載です。   今回の記事では、初見でもっとも気になった第3章にある「寸法を2つもつススメ」についてご紹介させていただきます。   寸法(サイズ)は体型の変化で変わるのでは? 目次で「寸法を2つもつススメ」を見た時点で、 ・人によって寸法が違うのは当然として、一人で寸法2つもつってどういうこと? ・太ったり痩せたりした時のための2つ?いや変化後じゃないと寸法わからないし。 ・日本サイズの洋服はLサイズで、海外サイズの洋服はMサイズな状態?でも、着物の形が同じなのに? と、内容がとても気になったのです。   そして、実際に内容を読んで、着物の寸法を2つ持つ理由が、「日常きもの」と「しきたりきもの」での着る目的の違いから派生していると理解しました。 詳しい内容は本を読んでいただくとして、これをもし例えるなら、学校の制服が思い浮かんだのです。   学校の制服、どんな風に着ていましたか? 中学の制服を作る時、身長や体型が変わる想定で、少し大きめに作りませんでしたか? 私の場合はそのおかげで、在学中の体型の変化はそのサイズの中で対応できました。   また、次のように、制服を着て過ごしていました。   通常スカート丈時: ・1年生の時:先輩に目をつけられないため ・学校の公式行事の時:先生にチェックされるため スカート丈変更時: ・学年が上になってからの放課後~帰宅時:ちょーっとでも可愛く見えるように(笑) 目的に応じて、制服のスカート丈(寸法)が2つ以上あるってことですよね。   かつて着物の寸法は、日常着とお出かけ着、本格的な礼装用と2~3通りの寸法を使い分けていたそうです。 日常で着るものは、着やすさや動きやすさ優先の寸法。 礼装用は、エレガントで品格が感じられる寸法。 この2つの寸法をもつススメというわけでした。   本の中では、2つの寸法の理由のみならず、「日常きもの」の寸法での着こなしと「しきたりきもの」の寸法での着こなしがカラーの写真付きで説明されているので、見た目でも違いを確認することができます。   もう読んでいるうちに、「これは私も2つの寸法を把握しなきゃ!」という気持ちに駆られました。   2つの寸法、身長163㎝肩幅がっちり肉厚体型の場合 以前、紬の着物を誂た時の寸法を店長に確認し、質問してみました。 私: 「この寸法になった理由を教えてください。」 店長: 「肩幅があって体の厚みもあるので、身丈が幅に取られてしまうから。 身丈を長めに取らないと、おはしょりがでないの。 実際、身丈165cmの着物を試着した時、おはしょりが出なかったでしょ。 それで身丈170cmの着物を試着して、ちょうど合っていたのを確認できたよね。」 私: 「もし私が訪問着を誂たら、寸法どのぐらいでしょう?」 店長: 「(参考値だけど)身丈はプラス3㎝ぐらい、裄もプラス2㎝ぐらいあると良いかもね」   日常きもの しきたりきもの 身丈(肩から) 170cm 173cm 裄 68cm 70cm 袖丈 50cm 53cm ※佐藤(163㎝がっちり体型)の場合の2つの寸法 ※背身丈にする場合は、肩身丈からマイナス3〜4cm 出典:「きものの不安をスッキリ解決!」河出書房新社   実際の寸法を決めるのは、体の各部位の長さを測るだけじゃなく、着物の試着で確認することも大事なんですね。 多くの情報をネット上で知ることができますが、実際にお店に足を運んでプロの見立てを聞く大切さも確認できたと思いました。   もしご自身の着物の寸法を知りたい場合には、お店で試着をすることをおすすめいたします。 というのも、こちらで紹介した寸法は、あくまでも私の場合になります。 同じ位の身長&がっちり体型であっても、腰の位置などでも身丈が変わってくるためです。 ※身丈が本で紹介している寸法より長めなのは足が長いためとのこと(嬉)   「日常きもの」と「しきたりきもの」で寸法を2つもつイメージになりましたでしょうか。   寸法について質問した際、「肩身丈」と「背身丈」や「曲尺(かねじゃく)」と「鯨尺(くじらじゃく)」という初めての言葉に出会ったので、調べて別の記事にまとめたいと思います。 ちなみに気仙沼は肩身丈が一般的だそうです。   「寸法を2つもつススメ」の部分だけピックアップしてお届けしてまいりましたが、他にも着物に関するスッキリ!する内容がいっぱいです。 まだ読まれていない方や、内容が気になった方は、是非、手に取って読んでみてください。 いつも最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしております。   紹介した商品 きものの不安をスッキリ解決! 新人がびっくりしたことシリーズは下記リンクバナーから一覧をご覧になれます。 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
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満点スリップ、ガードル裾よけをお好みの丈にカスタマイズする方法

裾の丈を長くしたいとき 裾よけや和装スリップの丈がちょっと長いなとか、短いな、ということがあるのではないでしょうか。 既製品でぴったりサイズがあればいいのですが、これがなかなかないものです。買ったときにはよくても、体型の変化でちょうどいい丈が変わってしまうことも‥‥。 そんなときは、丈のカスタマイズをしてしまいましょう。 丈が短い場合 丈を足したい場合には、スリップも裾よけも同じです。 手芸屋さんなどで足したい幅+縫い代分の幅のあるレースを裾の長さ分買って来て足せばオッケー!  お気に入りのレースを使えば私だけの可愛い裾除けのできあがりです。 注意したいのはレースの素材です。 あまり固いものなどにすると、素足が擦れますから、思った以上に足に負担になります。 柔らかいもの、自分の肌に合う素材を選んでくださいね。 できるだけ、シワになりにくいものを選ぶとお洗濯のとき楽ですよ。 裾の丈を短くしたいとき 短くしたいときはスリップと裾除けではちょっと方法が違いますので、詳しくご紹介しますね。 <ガードル裾除け編> ガードル裾除けは、腰にあたる綿の布の形状に特徴があります。 舟底型になっていることで、気になるお腹を押え、骨盤を支えてくれるのです。 ですから、その部分は縫い縮めないでください。まずは、腰にあてる位置で少し調整してみて、どうしても無理となったら裾線を縫い上げてください。 その時注意していただきたいのが、防水布の処理。 実はお洗濯でキュプラが縮んでも大丈夫なように、防水布に対して少しキュプラをたるませてつけてあります。 ですから、縫い上げる分だけ、防水布をカットすると安心です。 防水布の脇の縫い目を解いてカットするのは大変ですから、脇の縫い目は残してコの字型にカットしてしまいます。 こうすれば、裾を縫い上げても防水布は邪魔になりません。針仕事が苦手な方は、手芸用ボンドや裾上げテープで裾上げをしてください。 <満点スリップ編> 裾除けと同様に短くしてもらってもよいのですが、満点スリップの場合は身頃と裾布の切り替えの部分をつまんで縫ってもらうと簡単です。 防水布に針穴があきますが、ちょうどウエストの補整(スキニーやタオルなど)で汗がカバーできる部分ですので大丈夫です。 縫うのはキュプラのほうをつまんで、まっすぐ縫うだけ。らくちんです。 裾線ではないので、多少ざっくり縫ってもオッケー。たとえば5センチ短くしたければ2.5センチつまめば、倍の5センチ短くなります。 満点スリップの着方のおさらい そもそも丈があってるのかな?というのは、しっかり着用してみて判断してみてくださいね。そこでスリップの着方のおさらいです。 まず羽織ったら、えもんを後ろにひいて抜きます。詰まったまま着てしまうと、えもんから肌着が見えてしまいますから要注意! 衿のあわせはお好みですが、狭くすればあたたかく、ゆるくすれば涼しいです。衿のあわせかたでも体感温度は変わります。 肌着のあわせは適当にしてしまわずに、襦袢のようにしっかり胸のトップを覆うように着ます。 両胸をしっかり覆ったら、紐を後ろに引き下げるようにしてクロスさせ、前の低い位置で結びます。みぞおちに紐があたると苦しいので、おへそのあたりで。 こうして横、横にひいて着ると、肌着に横シワが入りますので、それを下に引き下げてシワをとってください。 こうすることでピッタリと肌着を着ることができます。また、身幅が余って背中側にシワができてしまうようなときは、背中のシワを脇によせてタックをとって処理してください。 満点スリップは伸縮性のある生地でできているのでかなりぴったり着ることができますが、綿の肌襦袢の場合は身幅が足りなくて胸を覆うことができないことがあります。その場合は、脇の縫い目をほどいて、しっかり胸を覆うとぴったりと着られます。 肌着はゆるっと着ないで、ピタっと体を支えるように着てあげてください。 ぴったり肌着を着るとなにがよいかというと、余分な布が遊んでいないので着崩れしにくくなりますし、なにより気持ちがいいですよ。 たかはしでは、肌着を着る前に胸とウエストの補整をしておいて、肌着でラッピングするようにまとめあげる方法をお勧めしています。一度試してみてくださいね。 今回は情報が少ない!?なんていいながら、みんなが気になる肌着の丈の調整方法を説明した動画はこちらです。肌着の着方もおさらいしてみてくださいね! 【たかはしオリジナル商品を、自分サイズにカスタマイズ!~和装ブラ編part2~】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る! 日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに! 紹介した商品 満点スリップ…

帯の固定で重要なのは帯締め?!【きもの初心者必見】

こんにちは。きもの初心者・たかはし新人の渡部です。 早いものでもう春ですね~(*´ω`) すっかりマスク生活も慣れてきて、花粉症持ちの私にとっては、この時期以外のマスク、というものにはじめは少し抵抗を感じていたものの、「慣れ」とはコワイものですね(;^ω^) さて、今回は「帯締め」についてです。 発表します!正直、このお仕事をするまでは帯が帯締めで固定されているとはまったくもって知りませんでしたー(*ノωノ)テヘヘ・・。 私と同じような人いないかなぁ~(笑) 着物を着ている人を見かけても、やっぱり着物や帯に目がいってしまい、帯締めや帯揚は、正直見ていませんでした(反省) 今では、この小物達がコーディネートのポイントとして大きな役割を果たしているんだなと実感しております! 帯ってそういう構造だったのかぁ 右も左も分からずに社内着付け教室に参加した時の事。 先輩の説明通りについていこうと必死でした。 説明を聞いていると手が動かない、逆もまたしかり。 なんと言っても自他ともに認める「ぶきっちょ」なんです(;^ω^) 帯を巻き、太鼓山を決めて(上手く枕を乗せられなかったなぁ)、当店イチオシの「仮ひも…
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和装ブラを自分サイズにカスタマイズしてより快適で美しい胸元に<くノ一 涼子編>

涼しくて、らくちんな和装ブラ たかはしオリジナル商品の和装ブラジャーには「Put on キモノブラ」と、もうひとつ「くノ一 涼子(すずこ)」というものがあります。 胸を寄せてあげて美しい鳩胸をメイクするPut…