
商品に込めた思い
ものは、役立つためにある。
メーカーとして、たかはしはそう考えています。
ですが、買っていただいただけでは役に立ちません。
ものは、その使い方を理解し、体に馴染んでこそ、生かされるものだと考えています。
そういう意味で、たかはしの商品には少し難しさがあります。
なぜなら、今までにない論理と使用方法だからです。


たとえば、なぜ「裾よけ」なのか
たかはしには「ガードル裾よけ」という商品があります。
これを例としてお話しします。
きものの肌着には、ワンピース型と、肌着と裾よけを着用するセパレート型の2種類があります。
着付けの手間が少なく扱いやすいワンピース型を選ぶ方が圧倒的に多い中、それでも、あえて裾よけを選ぶお客様が一定数いました。
なぜだろう。
そう思い、聞き取りを続けたところ、「おなか回りを引き締めたいから」という理由が見えてきました。
フィッティングの際、きものの下にボディースーツやガードルを履いている方を時折見かけたのも、そのためでした。
始めは驚きましたが、そのうち考えるようになりました。
ガードルは、トイレの際に大変なはず。
引き締めたいのは、おなか回り。
それなら、そこだけを無理なく支えられる方法として、裾よけは有効なのではないか、と。

着る人の心理から設計する
着る人が本当に解決したいことを問い直した結果、従来の裾よけとは全く異なる設計が見えてきました。
基本構造はそのままに、ひもの形状を熟考する。
ひもを引く力を後ろまで伝えられれば、おなかや腰をしっかり支えられるはず。
苦しくない。
それでいて、着くずれにくい。
そんな裾よけを目指しました。
非伸縮の素材で腰回りを支えると、骨盤が立ちます。
骨盤が立つと、背筋が伸びます。
下っ腹が収まることで、きもの全体のラインが整い、見た目が美しくなる上に気持ちいい。
着姿がきれいになることと、姿勢が良くなることは、実はつながっています。
これは洋服では決して得られない感覚です。
きものだからこそ、骨盤を立たせる着方ができるのです。
この設計にたどり着くまでに、角度を変え、深さを変え、何度も試作を繰り返しました。
実際に幾通りもの裾よけを買い込んで研究をしましたが、普通の裾よけの形状では引き締め続けることはできませんでした。
どうしたらよいのか。
それを考え続けた結果、たかはし独自の裾よけの形状が生まれたのです。
(この商品は特許取得済みです)
ですが、今までにない使用方法のため、従来の使い方のままでは効果が半減してしまいます。
きちんと使用すれば、おなか回りの引き締め効果は非常に高いのですが、新しい使い方を身につけるには、ある程度の練習が必要です。
そのことをご理解いただくために、たかはしはさまざまな方法で、お客様へお伝えし続けています。


きものを守るという視点と、もうひとつの守りたいもの
初めてのものづくりであった「満点スリップ®」をつくる時のことです。
成人式で振袖を着た方のお母様から、「式の最中に生理が来てしまい、きものが汚れてしまった」と、お手入れを依頼されたことが何度かありました。
晴れの日に、そのお嬢様たちはどんな思いをなさったことか。
考えただけでも心が痛みました。
そんな体験をしたら、きものを着るたびに思い出し、きっときものから遠ざかってしまうでしょう。
血液だけでなく、汗も尿も、すべては水分汚れです。
きものへのダメージは大きく、これは女性にとって深刻な悩みでもありました。
女性の尊厳を守りたい。
そして、きものを汚れから守りたい。
汗だけでなく、あらゆる体液からきものを守れる下着は、どうあるべきか。
その問いが、防水素材の開発につながりました。
きものを着ることは、きものを大切にすることにつながります。
その視点から設計した下着だからこそ、着る方の身体だけでなく、きものも、そしてその方の尊厳も守ることができるものになったのです。

