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アイロンで簡単、キレイに!帯のシワの取り方

帯のシワを自宅でも取りたいと思ったことありませんか。 たとえば、 次のシーズンまで使わない夏帯を片づけようと思ったら、シワが気になった。 飾り結びをして、お太鼓部分にシワができてしまった。 袋帯の手先とたれ先を間違ってしまい、シワがついてしまった。 など。 今回は、自宅で帯にアイロンがけをする方法をご紹介します。 時間と手間をかけてシワが取れると楽しい きものや帯など、絹にアイロンがけをするやり方として、低温で当て布をしてアイロンがけする方法を、よく聞きます。 実はこの方法、シワを取るためには、いっさい効果がありません。 たかはし調べでは、このやり方でシワ取りの効果がありましたという人に出会ったこともありませんし、実際にやってみてもシワが取れたことがありません。 やはり、せっかく時間をかけて、手間をかけて、何の効果も得られないのはつまらないです。時間と手間をかけて、効果があればこそ楽しいですよね。 アイロンがけについて、仕上げ加工や、ガード加工、洗い張りを専門で行う、きものの整理屋さんの何人かにリサーチをしたところ、アイロンの中温までだったら直でアイロンがけしても、テリが出ないといわれています。 ただ、はじめて自宅でアイロンがけとなったら、怖いと思う方もいらっしゃると思います。 まずは当て布なしの低温からやってみましょう。 シワ取り前の準備・アイロン台とアイロン底 アイロンがけする前の準備として重要なのは、アイロン台とアイロン底がキレイになっていることです。 アイロン台が汚れていると、その汚れが生地に移ってしまう場合があります。もしアイロン台が汚れていたら、アイロン台の上に白い手ぬぐいをかけて使い始めるといいと思います。 同じように、アイロンの底に黒ずみやカルキの粉など、汚れが付いていると、その汚れが生地についてしまいます。 たとえば、スチームの吹き出し口がカルキで埋まっていると、そのカルキが生地についてしまったりします。もし拭いても取れない場合は、アイロンの買い替えがおすすめです。 アイロン底の汚れを取るコツとしては、アイロンを熱くしておいて、濡れた雑巾でジュッといわせながら拭くと、アイロン底の掃除ができます。熱を加えているので、かなりキレイに取れます。たぶん相当ひどい汚れでない限りは、濡れた雑巾で拭くだけで大丈夫だと思います。 さらに重曹やセスキ炭酸ソーダなどを絞った雑巾でやれば、もっとキレイに取れるかもしれません。詳しい内容はネット検索などで調べてください。 アイロンの底とアイロン台はキレイな状態でアイロンがけしましょう。 当て布なしの「絹」モードでのアイロンがけ 芯入れ仕立ての袋帯の手の部分を広げています。帯を結んだとき、背中で三角に折り上げたあたりのシワがついています。 たいがい、裏も表も同じようにシワがついていますが、裏側からアイロンがけします。 このアイロンだと「絹」モード(ティファールアイロンでは約120℃)に設定していますが、経験上での温度は大体130℃ぐらいだと思っています。 帯に直にアイロンをかけてみます。紗の生地でとくに帯は一番シワが伸びにくい感じがします。重さはあまりかけずにアイロンの重さぐらいでかけています。 ちょっとシワが軽くなっています。 手前側のみアイロンをかけました。かけてない側に比べると、熱をかけただけでもだいぶシワが取れています。 水を使わずにシワが取れるのであれば、直にアイロンがけで済ませます。市販されているアイロンの「絹」モードは、直接アイロンがけしても大丈夫な温度に設定されています。 もし直接、アイロンをかけるのが怖い場合には、当て布をすることになりますが、本来はそれにともなって温度を上げないとシワ取りの効果は出ないと思います。 二つ折りのタオルを重ねてアイロンの蒸気がけ 当て布なしでのアイロンがけで、シワが少し残っているので、当て布をした上からアイロンの蒸気をあてます。 あてる蒸気の粒子が大きいとシミになりやすいです。そして、一番怖いのはボテ漏れ(アイロンから水滴がポタッと落ちること)です。 生地に水滴が落ちてしまうと確実にシミになります。 アイロンの中がキレイであっても水のシミがつきますし、もし中に汚れなどが溜まっていると、水と一緒に汚れも出てくるので、なおさら怖いです。 万が一、ボテ漏れしても、タオル二枚だと水分が生地にいくのを防げます。手ぬぐいだと薄いので直接水分が帯までいくので怖いですね。もしボテ漏れしたら、帯の上のタオルをすぐに取ってください。 帯の上に二つ折りのタオルを乗せて、その上からアイロンを浮かせた状態で蒸気をかけます。 火傷しないように気をつけながら、実際に触って帯に湿気が伝わっているかを確認します。 湿気が伝わっただけで繊維が膨らんでいる状態になります。シワで折れている繊維がふーって膨らんできていると思ってください。それによってシワが軽減されます。 蒸気を切って「絹」モードにし、直にアイロンをかけます。ほとんどアイロンの重みだけで、絹の繊維を潰さないようにアイロンをかけます。 キレイにシワが取れました。 帯の表側も、かけていない側に比べて相当シワが軽減されています。 裏側と同じように、表側も二つ折りのタオルを重ねてその上からアイロンを浮かせて蒸気をかけます。 使用しているティファールアイロンは、スタンドに水を貯めて、アイロン本体には水が貯まっていないので、ボテ漏れしにくいと思います。 それでもボテ漏れすることがあるので、二つ折りのタオルを重ねれば安心です。 タオルの上で蒸気をかけて、湿度と温度をタオルと帯の間に手を入れて確認して、温度と湿度がきちんとかかっているという状態にしてあげるといいです。 これだけでほぼシワが取れた感じになります。その後、蒸気を出さずにアイロンで乾かすぐらいの感じで、少し力を入れてかけます。 きものに比べて帯は生地がしっかり厚いし、織りも密になっていることもあって、シワが伸びにくいです。その点では、完全にスパッとキレイにならなくても、ボコボコしたところがなくなればいいと思います。 たとえば、飾り結びをした袋帯に、お太鼓部分にシワができてしまったという場合は、丁寧にシワを取る必要があるかもしれません。 そのときは、業者に出して工業用のプレス機でアイロンをかけてもらった方がキレイに仕上がります。帯とシワの状態に応じて使い分けましょう。 アイロンで蒸気をかけるとき、一番気をつけることはボテ漏れです。必ず二つ折りのタオルをかけて蒸気をかけるようにしましょう。 二つ折りのタオル+濡れたおしぼりにアイロンがけ きもののアイロンがけと同じように、乾いた二つ折りのタオルの上に、濡れたおしぼりを重ねて、蒸気を出さずアイロンの熱だけをかけるのが一番安心な方法だと思います。 当て布しないアイロンがけよりもちょっと手間がかかるのですが、きもののアイロンがけをご覧になってください。 ▼きもののアイロンがけの方法はこちらをご覧ください。 https://k-takahasi.com/blog/2023/08/11498/ アイロンの「絹」モードであれば直にかけても焦げやテリを作ったことは一度も経験ないですし、専門である整理屋さんも大丈夫だとは言っていましたが、あくまでもご自身の判断でやってみてください。 女将によるアイロンがけで帯のシワ取りをする動画はこちらをご覧ください。 【自分で簡単!アイロンで綺麗に!帯のシワ、取ります】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…