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一枚の半衿を倍長く使える付け方の工夫

「この半衿、もう使えないな」と思う時って、どんな時でしょうか。 色・柄の好みの変化、生地の状態など、状況によって様々かと思います。 その中で、「一部黄ばみがあるだけで、他はきれいなのに使えないのはもったいない…」と思ったことはありませんか? 半衿の一番汚れやすい箇所は、首に直接触れる部分です。 ファンデーションなどの化粧汚れや、皮脂汚れが原因で、洗っても黄ばみが落ちず、黒ずんだような感じになると、もう使い続けるのは嫌になりますよね。同時に、部分的な黄ばみだけで捨ててしまうのは、ちょっと残念なのではないでしょうか。 今回は、一枚の半衿を倍長く使うことができる半衿の付け方の工夫について、広幅(約20cm)の半衿と一般的な幅(約16.5~17cm)の半衿を使ってお伝えしていきます。 幅が広いのは半衿を倍長く楽しむため たかはしオリジナルの「小千谷縮半衿」は、きものの生地を半分に切って半衿にしています。そのため、一般的な半衿より広い、幅約20cmです。 幅を広くとっている理由は、半衿を長く使うための工夫がしやすいようにと考えたためです。 首が直接触れる内側は汚れが付きやすいので、半衿を洗って付け直す際に黄ばみが気になる部分を内側にずらして縫い付けて使えば、同じ半衿を長く使えるわけです。 では、半衿の付け方の工夫をご紹介します(襦袢も、うそつき衿も縫い付け方は同じです)。 たかはしのうそつき衿は、たかはしきもの工房のブランドネームがある方が外側で、ブランドネームがない方が内側になります。 ※襦袢の場合、外側:きものに接する側、内側:体に接する側 この後の説明で出てくる外側と内側は上記を基準にしているので、内側と外側を混乱しないように注意しながら読み進めてください。 黄ばみが取れなくても諦めない半衿の付け方の工夫 半衿の付け方の工夫について、広幅(約20cm)の半衿と一般的な幅(約16.5~17cm)の半衿を使ってお伝えしていきます。 (1)広幅(約20cm)の半衿の場合 《使いはじめのとき》 まず衿の内側から半衿を縫い付けていきます。 たかはしオリジナルの「小地谷縮半衿」の場合ですが、衿幅があり両端がロックミシンで始末しているため、約1cm中に折り返して縫い付けます。 縫い付けた後、衿の外側が上に来るように返します。 半衿を衿幅と同じ幅に折ります。折って衿幅からはみ出た分を中に入れ込み、外側を縫い付けます。 《黄ばみが気になってきたら》 生地幅がたっぷりあるので、内側に約1cm折り込んでいた生地をさらに1㎝折り込むようにして縫い付けていくと、衿汚れが付きやすい部分が内側に入ってくるので、外からは見えなくなります。 この方法で半衿を縫い付けるようにして使っていくと、多分5回分ぐらい折り込んで使うことができます。 最初に半衿を縫い付ける時のポイントは、衿の外側の折り込みを増やし、内側の折り込みを少なめにして縫い付けるようにすること。 半衿を外して洗い、付け直す度に少しずつ内側にずらして折り込んでいけば、衿の外側はきれいな状態で外側には見えません。できるだけ生地を無駄にせず、有効に使える方法だと思います。 ※上記のように半衿の内側にずれ込んでいくので外からは見えなくなります 広幅の半衿の方がやりやすい工夫ですが、一般的な幅の半衿でも同様の工夫をすることができます。 (2)一般的な幅(約16.5~17cm)の半衿の場合 《使いはじめのとき》 衿の内側に半衿を縫い付けていきます。 一般的には、半衿を折り込んで縫ってくださいと聞いたことがあると思いますが、極論で言えば、折り込まずにそのまま縫っても構いません。 半衿の耳の部分の状態にもよりますが、折り込まずに縫い付けると、見た目が格好悪いと感じるかもしれません。 実際は、半衿の耳の部分が見えた状態と折り込まれた状態で縫い付けるのは、きものを着た状態ではそれほど違いはわからないものです。 内側を縫い付けた後、衿の外側が上に来るように返し、半衿を衿幅と同じ幅に折ります。 折って衿幅からはみ出た分を中に入れ込み、外側を縫い付けます。 《黄ばみが気になってきたら》 半衿を洗濯をしながら使い続けて、首に直接触れる部分の黄ばみが気になってきたら、広幅の半衿と同じく内側にずらして付け直しましょう。 内側の折り込みを約1~1.5cm増やし、汚れた部分が内側に入り込むように縫い付けます。同様に外側を縫い付けていきます。 このような方法で3回は付け直して使えると思います。 《透け感のある薄手の半衿の場合》 薄手の半衿で、折り返した部分が透けて見えるような場合には、外側の折り込みを調整して、生地の端が半衿の折った部分にまでいくようにすると見えません。 黄ばみが気になってきて、折り込みをずらす場合、内側の折り返しを生地の端が半衿の折った部分にまでいくように折り込み、縫い付けます。そして、外側の折り込みを約1~2cmにして縫い付けます。 透ける半衿でも2回は付け直して使えると思います。 半衿の付け方を工夫することで、一枚の半衿を倍長く使うことができます。 たとえば、1000円の半衿を3枚買うのであれば、3000円の半衿を3回折り込みをずらして使った方が、不要になって廃棄するものも減らすことができますし、長く使えて良いと思いませんか。 まずは、ぜひご自身で試してみてください。半衿を使っている中で、黄ばみ以外でも、生地がよれてきたり、色褪せた時なども折り込みをずらして付け替えてみると、長く使うことができます。 さらに、このようにして使いきった半衿は、クッションや枕の詰め物に使うなど、まだ利用できるので、きもの生活を楽しみましょう。 女将による一枚の半衿で倍使える半衿の付け方はこちらの動画をごらんください。 使いきった半衿の使い方はこちらをご覧ください。 ▼女将流・捨てられない絹の使い方 https://k-takahasi.com/blog/2021/09/7812/ 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
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うそつき衿に安全ピンで半衿をつける方法

半衿を簡単に早く、うそつき衿にとりつける! いつもは半衿つけが面倒くさいから、たかはしきもの工房のうそつき衿を使って、ざぶざぶそのまま洗濯機で洗っちゃう!というご愛用者の皆様。いつもありがとうございます。 塩瀬もいいけど、イベントなどがあるときは、ちょっと刺繍や色、模様の入った半衿を楽しみたいときもありますよね。そんなとき役に立つ! ズボラ女将直伝の安全ピンを使った簡単な半衿の付け方をご紹介します。 半衿選びも実はポイントで、つける半衿は、ナイロン製などで、カチカチの生地のものがありますがそういうものは首元がしわしわになってしまいます。バイアスがきく、左右にひっぱったとき動くちょっと伸びるような素材のものをご用意ください。とてもつけやすく、またシワが目立ちにくいです。 自社の商品の宣伝になってしまいますが、たかはしきもの工房のレース半衿は裏にバイアスの布が貼ってありますし、うずら半衿もシワが目立ちにくくておすすめです! では早速安全ピンで半衿をつける方法をご紹介します! (1)1箇所だけ20センチくらい縫うけどあとは安全ピン8つでつけるやりかた まず半分に折って真ん中をとります。まち針などで、印をつけるとわかりやすいです。 そして、うそつき衿の内側になるところの真ん中に、半衿の真ん中をあわせます。 うそつき衿のフチから1〜2センチかぶるように半衿を置きます。 衣紋抜きの部分だけ、大きな縫い目でざくざくっと縫い留めます。あとで取ってしまうものですから、細かく縫う必要も、返し針も必要ありません。縫い目もがたがたしてても大丈夫! 針を持ちたくない、という人でもこの一手間で見えるところが綺麗になりますので、ここだけがんばって! そしてひっくり返して、うそつき衿を半衿で挟みます。 …

着付けでえもんが抜けない!その原因と対策【きもの初心者必見】

こんにちは。きもの初心者の小野寺です。 今日のお題は「えもんが抜けない!」です。 着物を着る時は、弊社の「うそつき衿」を使っているのですが、毎回、着終わる時点で既に、えもんが詰まっているのです。   ズバッと、結論を言いますと、 「うそつき衿が自分の身体に合っていなかった」 です。   洋服の時は、ブラトップ大好き、オーバーサイズの服大好きな私。 なので、あまり自分にぴったり合うって意識していませんでした^^; そのため和装肌着や小物も、そのままカスタマイズをしないで使用しています。   最近の着付けで気になるところは色々ありますが、特に下記が気になっていました。 …

縫い付けが苦手な人にピッタリな半衿とは?【きもの初心者必見】

こんにちは!きもの初心者&たかはし2年目の渡部です。   気仙沼の徳仙丈山では50万本のツツジの見頃が終わりますが、たかはしにはたくさんの花々が咲き誇っています^_^ 去年の今頃はなんやかんやとバタバタしていて、周りの景色を楽しむことはできなかった気がしますが、改めて見てみるとこんなお花もあったんだ!と新たな発見もあります(*‘∀‘)   こんなことを書くと、「さぞ花が好きで。。」とご想像される方もいらっしゃるかと思いますが…ノーノ―ノー!とんでもない(笑)   目で見て「キレイだな」と思っても、全く世話のできない渡部なのです(;´∀`) お店に置いてある観葉植物も、いつの間にか葉っぱがカワイソウな状態に・・(涙) 女将に「ちゃんと世話してあげてね〜。頼むから(/_;)」と言われる始末。   和装の美しさだけではなく、花々も愛してあげられるような女性になりたいと願う今日この頃です。 そんな私が今回お題にしたのは「半衿」についてです! 「半衿」を縫わずに楽ちん「うそつき衿」 私がたかはしに入社して初めて見た「半衿」は、オリジナル商品のサンプルを着用したボディちゃんの「レース半衿」でした。   当時は、「半衿」という言葉も知らないド素人でしたが、 「なんてカワイイんだ♡いつかはこんなの身に着けてみたいっ」 と、着物を着て仕事をする自分を想像したものでした。   まずは「半衿」ってなんぞや?から始まったのですが(;^ω^) 調べてみると、どうやら襦袢に縫い付けて、襦袢本体の衿部分が汚れないように「半衿」を付けると知りました。。。   ただ、たかはしでは、襦袢の代わりになっちゃう肌着を販売している訳でして、 先輩方も襦袢を着ていない。。とすると、どうやらこれは当てはまらない。。   渡部:「じゃぁ、半衿って?どうするの?」 店長:「これに付けるんだよ」 と、教えてもらったものが「うそつき衿」でした!   「半衿」の付いていない「うそつき衿」本体を買って、自分の好きな衿を付けるというのです!! ▼「うそつき衿」の詳細はこちらをご覧ください ”うそつき"って何?【きもの初心者必見】   諸先輩の中でも、 Aさん:「いちいち取り外して付け直すの面倒だから、ウチには半衿を付けっぱなしのうそつき衿がズラ〜っとあるよ!(^^)!」 Bさん:「何本かあって、季節の変わり目くらいに一気に変える感じかなぁ」 など、「うそつき衿」の使い方は人それぞれいろいろあるようです^_^   その他にも、さまざまな色や柄の「半衿付うそつき衿」が販売されているとのこと! おぉ(…

半衿付けの極意!?バイアスとは、なんぞや【きもの初心者必見】

県外から気仙沼に移住して、たかはしきもの工房に入社いたしました新人&きもの美人になりたい小野寺ペコ吉です。   まず驚いたことは、気仙沼で「小野寺です」と言っても、まったく新鮮味がないことでした。   以前、住んでいたエリアで小野寺は我が家ただ一軒。番地の記入なしでも確実に郵便物が届くレア苗字だったのです。 ところが、気仙沼に移住して、市役所で名乗っても、病院で名乗っても、「あら、珍しい苗字」とはなりません。   入社して最初の朝礼で従業員の皆さんの自己紹介を聞いて、さらにびっくり。 小野寺につぐ小野寺。小野寺の山盛り。小野寺フェス。 気仙沼で一番多い苗字とまで言われているのが小野寺なのだそうです。   小野寺被りを避ける意味でも、あえてペコ吉と名乗らせていただきたい私が驚いたことというか、あらためて勉強になったことは、「バイアス」の意味です。 知っているようで、ちゃんと知らないカタカナ語 着物で出社をめざし、ちゃんと半衿付けしなくっちゃ、と思い立った前夜。   で、半衿付けって、どうやるんだっけ?(@_@) と今さらながら、あやふやな記憶しかない自分に驚愕しつつ、なにはともあれ、女将のYouTubeで、サクッと検索しました!   たすけて、女将~!((+_+)) ▼「まち針を使わない! 簡単半衿縫い付け術」 いつ見ても愉快なたかはしきもの工房チャンネルを見ながら、半衿付けをするという本来の目的をうっかり忘れかけていたその時。   女将:「半衿に向いている生地は、ひいた時にキューッと生地が動くものが内側にシワが出にくいので良いんです。」   ん? 動く生地?(@_@)   着物を着はじめた人たちが最初につまづくといわれる半衿付けの重要なポイントのような気がします。 さらに、   女将:「半衿は、なるべくバイアスで内側につけていきます。」   半衿で一番、気をつけたいところ、それは人に見られる内側の部分。 ここだけはきっちり習得しなければ、と思うのですが、バイアスでつけるって意味がよくわかりません。   バイアス。 ぼんやりとわかっているような、わかっていないような……。 モヤモヤします(*_*)   ここはひとつ、まず辞書で言葉の意味を調べてみることにしました。 【バイアス】 …
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うそつき襦袢で着るときの、衿と袖の選び方

うそつき袖は仕立て方と素材で使い分ける うそつき袖の使い分け 前回は、季節によって肌着をどう着分けるかというお話でしたが、今回はそれにうそつき袖とうそつき衿をどう合わせて、うそつき襦袢として活用するかというお話です。 うそつき袖の種類は季節によって下記のように使い分けをします。 袷の時期:半無双、無双 単衣の時期:単衣、駒絽 夏きもの:駒絽、麻、絹麻 無双は、二重に仕立ててあるもので、暖かく、しっかりと重みもあります。正絹で礼装用にお作りしたりしています。 半無双は、見える部分だけを二重に仕立ててあるもので、使用する生地も少なく、無双に比べると軽やかです。リーズナブルで、使える期間も長いため、こちらをメインでお作りしています。素材は、正絹、ポリエステルで、柄のものもあります。 寒い時期には、「miecawaセット」という袖と裾除けのセット商品もあります。袖と裾の柄が揃うだけでなく、裾除けはガードル裾除けと同じ形ですので、腰も支えられてしゃきっとします。 単衣の時期には、単衣仕立ての袖、暑い日には駒絽もOKです。夏きものには、駒絽、麻、絹麻などを用います。 無双と違って、単衣は一枚仕立てなのですが、袖口の処理についてよく質問されることがあります。昔は撚り絎けにされていたりしましたが、現在は三つ折りか反物の耳のままになっているのが主流です。 耳のままになっているほうは、仕立てが楽でもあるし汚れにくいし洗いやすいという利点があります。三つ折りもしくは二つ折りで縫ってあるほうは、耳そのままだとよれやすいような素材も丈夫になりますし、丁寧な印象にもなりますね。 女将は耳派ですが、もし選べるような機会がありましたら、好みのほうを選ばれるとよいと思います。 季節の使い分けには、仕立て方、素材、そしてもうひとつ、色の濃淡もあります。淡い色は涼やかに感じますし、濃いこっくりした色目は暖かく感じます。 また、礼装とカジュアルという使い分けもありますね。 礼装用には淡い色、カジュアルは自由です。濃い色目はカジュアルな印象になりますね。淡い色でも、小紋のように模様が入ったりしていればカジュアルな印象に。 季節の移ろいにあわせて、素材や仕立てできものと同じように、使い分けてください。 うそつき衿の使い分け うそつき衿の半衿は、季節によって使い分けをします。 袷の時期:塩瀬、ちりめん 単衣の時期:塩瀬、絽ちりめん 夏きもの:駒絽、小千谷麻絽 ※レースは季節問わず 袷の時期、特に寒い時期にはふくれ織やちりめんのような凹凸のあるふっくらとした生地は暖かみもあり、おすすめです。 衿も、袖と同じように色でも使い分けるとよいでしょう。素材はともあれ、暖色系は暖かく、寒色系は涼やかに感じられます。 塩瀬は、きりっとした印象になりますので、礼装には塩瀬を使います。また凹凸がないので、袷の時期から単衣の時期まで長く使いやすい素材です。 単衣の時期には、塩瀬から、暑くなってきたら駒絽と変わっていきます。夏は駒絽、麻絽など。このあたりの季節、使い分けが不安だったら涼やかなレースの半衿を使うと、カジュアルにはなりますがレースは衣替えとは関係ありませんので、便利に使えます。 レースも様々な素材や色がありますから、その季節に似つかわしいものを選んでください。これは「涼しそうだな」とか「ちょっと暖かそう」などという感覚でよいと思います。 衿は顔に近くて目につきますし、首に触れますから、暖かく感じたり涼しく感じたり敏感な部分でもあります。ポリエステルは便利ですが、冬寒いときは正絹のほうがあたたかいですし、暑いときには麻など天然素材のほうが涼しいです。でも、お手入れが楽なのは断然ポリエステル。どちらをとるかというのは、ご自分でチョイスなさってくださいね。 きもののコーディネートと同様、インナー、襦袢としての「うそつき衿」「うそつき袖」の組み合わせは無限大。気温によって、また礼装とカジュアルなどシーンによって、使い分けを楽しんでください。 こちらの動画では、女将が自分のうそつき袖・衿コレクションを紹介しつつ、使い分けアドバイスをしておりますます! ぜひご覧ください。 【春夏秋冬 女将の衿と袖の合わせ方!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」 日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに! 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…