平成27年3月

きものよきもの

当社の専門は肌着です。
中に着るものなので人に見せる前提で作ることはしていません。
それでも、美しいものや可愛いものを身に着けることはとても気分が上がりますよね~。

そういう意味ではつい機能性重視になってしまいがちな当社の『ものづくり』、なんとか少しでも喜んでいただけるものにしたいなぁと思い続けてはいるのです。
なかなか形にならなくてすみません…

ただアパレルと違って、色や柄をつけにくい理由も着物にはあります。
まずは透け感のあるものの場合、柄や色が映り込むことによって着物のテイストを損なう心配があります。
何枚も着物用の肌着を持っている方ばかりではないと思うとつい、安心な白になってしまうのです。

また当然のことですが、肌触りのやさしい生地を選んでも染めやプリントをかけると触感が変わり、また価格も上がります。 
それと、これは経営の話しになりますが、色々なバージョンを作ろうと思うと、それは一旦全てが在庫になります。
これは潤沢な資金や倉庫があればやれることなのかもしれませんが、それがうちのような小さいメーカーには厳しいところなのです、とほほ…

今現在も新商品の開発をいくつか手掛けています。
素材の見極め実験を繰り返しつつ、パターンの開発に関しては何度も何度も試作を繰り返し、今うちが持てる限りの努力で少しでも喜んでいただける商品をと取り組む毎日です。

その時いつも頭にあるのは、それが身に付けたくなるようなものか…ということ。
可愛いとかおしゃれだとか、まだまだ遠く及ばずとも、少しでもそこに近づける努力をしていきたいと思っています。

だって女の子だもん…これ、皆さんわかりますかね。笑

先日、あまりにもご要望が高いので、くノ一 夏子の白バージョンを作りました。
それをモデル撮りしたのですが、これがピンクベージュバージョンより可愛かったのです!
そこに居合わせたヘアメイクさんやフォトグラファーさんからも思わず「かっわいい~!」と歓声があがったほどです。

くノ一夏子は補整着として発売したので、いわゆる肉襦袢なのでピンクベージュだったのですが、意外にプチ肌着としている方も多く、透けた時に…の理由で白を望む声が高かった商品です。

常々思っているのですが「白」はパキッとしていて色の中でも非常に強い主張をする色です。
そういう意味では単に白ではつまらないこともありますが、白が持つ清楚さや清潔感を大切にするデザインなら白だけでも十分にイケる!と思えた瞬間でした。

こんな感じで「何がいいのか」を考え、いつも身もだえしながらものづくりしております。
ご意見ご要望等、ございましたら参考の為、どうぞお聞かせください。