きもののここち良い寒さ対策は着脱できるアイテムで
着こまない防寒対策を考える
寒さも本格的になってきましたね。皆様きものの寒さ対策はどうされていますか?
ヒートテック、レギンス愛用の方も多いと思います。
でも最近、室内の暖房がしっかりしているところが増えましたよね。外を歩いている時は寒くても、室内に入った途端に汗が‥‥なんて経験をされた方もいらっしゃるのでは。
その日の気温、屋外にいる時間、室内にいる時間、暖房が効いてそうな場所などなど考えて、中に着る肌着を決めることはなかなか難しいもの。着ないと寒いし、着込んでしまうと今度は暖かい場所にいったときに脱げないという問題が発生します。
なので、防寒は中に着込むのではなく、外から身につけて着脱可能なものがおすすめ。寒いところでは身につけて、暖かいところでは外せばOKなので、調整が楽なのです。
着物の場合は「手首・足首・首」の3首を温めれば、寒さは防げると言われています。
具体的にはどんなものをつければいいかというと、首にはショールを巻けばいいし、袖口の寒さには長い手袋やアームウォーマー、足首には足袋ハイソックスなど。
ショールやアームウォーマーだったら、さっとつけたり外したりできますし、足元はちょっと一手間かかりますがあまりに暑ければ脱ぐことも可能です。
たかはしきもの工房には手首の防寒に「マフマフ」、足首の防寒に「足袋下ハイソックス」「足袋ハイソックス」という商品がございます。
手首の防寒対策
マフマフは、アームウォーマーと長手袋のいいとこどりをしたオリジナル商品です。ひじまで覆うことができる長さにもこだわりました。
特徴としては、ミトンとおなじように指を覆う形になっていますが、指先がオープンになっていること。手袋だと、いちいち外さなければスマホをいじったりできませんが、これであれば、ちょっと先を引き下げるだけで指が出せます。つけたままで指先を出して細かい作業もできますし、寒ければ伸ばして指を覆えばよいのです。しっかり指を出しておきたければ、折り返して使ってください。
足首の防寒対策
足袋ハイソックスや足袋下ハイソックスは、脱ぐというのはちょっとハードルが高い。でも足首のところまでルーズソックスのように下ろせば、すねやふくらはぎのところが涼しくなります。実は調温しやすいアイテムなんです。
足袋ハイソックスは、冬の普段着に足袋代わりに履くのにとても便利です。普通の靴下より糸数を増やして、分厚くないけれど暖かい仕様になっています。分厚い靴下を履くよりもすっきりしていて暖かいと自負しております。
足袋下ハイソックスは、逆に少し薄くして足袋の下に履きます。ピッタリサイズの足袋の下にはちょっときついかもしれませんが、ストレッチや少し緩めの足袋の下に履いていただくと、足袋姿でありながら足を温めることができます。
首の防寒対策
最後に首ですが、ストールを使う方が多いと思います。ストールをそのまま首にかけただけでは実は結構首元、衣紋のところが寒いことがあります。そんなときには、首元の部分を10センチくらい折り返して二重にした状態で首にかけると違いますよ。お試しください。
でも、実は首元は一番あたたかいのはスカーフなんです。
シルクがもちろんいいですが、ポリエステルでもかまいません。60センチ角くらいの大きさがあれば十分です。それを首に巻いて、衿の中に差し込むように装着します。
昔、たばこやのおばあさんがスカーフやてぬぐいでしてたような、あれです(といってもお若い方にはわからないと思いますので図解します(笑))
半衿も汚れませんよ。すごく暖かいのに、あまりやっている方いらっしゃいませんよね。きものが日常着というちょっとプロっぽい感じがしませんか?
新幹線などで移動するときにもこれをすれば急に寝落ちしても着物も汚れないし暖かい! と女将のイチオシ防寒です。
すごく寒い時にはこのスカーフとストールのダブル使いがおすすめです!
もうやっているわよ!という方もたくさんいらっしゃると思いますが、もしまだ試したことがない方がいらしたら、簡単に着脱できるアイテムで、ここち良い寒さ対策をお試しください。
寒さ対策を解説する女将の動画はこちらです。スカーフの巻き方も説明していますよ! またこの冬発売の防寒用品「ぺチコ」のご紹介も!ぜひご覧ください。
【女将流、ここち良い寒さ対策!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
紹介した商品はこちらから
更新情報はInstagramで発信していく予定です。
Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
逆毛をたてない、5分でゆるっとまとめる女将の着物ヘア2選
まずは準備編。道具はこれだけ!
皆様、着物を着るときのヘアアレンジどうされてますか?
セミロングの女将は毎日髪を自分でまとめて、着物を着ています。
毎日のことですから、痛いのはいや。時間がかかるのもいや。
というわけで編み出した最速ゆるっとまとめ髪、夜会巻きと三つ編みアレンジのやり方をご紹介します。
まずは、ヘアアレンジに使う道具のご紹介をします。
<準備するもの>
・ブラシ
・コーム(櫛)
・スプレー
・アメピン、Uピン
夜会巻きには:夜会巻きコーム
三つ編みアレンジには:小さいヘアクリップ(なくても可)
髪の長さは肩下まであればOK。
あんまり長いと却ってやりづらくなることもあります。
「えっ!これだけ?」
と思われるかもしれません。
そうですよね、美容室などでアップにしてもらうと美しく仕上がりますが、時間もかかるし、毛タボを足したり、逆毛をたてたり、ピンも今磁石を向けられたら頭が吸い寄せられるかもしれない!と思うくらいたくさん刺さっていることもあります。
毎日はちょっと難しいですよね。
日常着物に手早くできて逆毛も立てない、ピンも1本とか2本とかで作ってしまうという驚きの時短ヘアアレンジのやりかた、参考になさってください。
夜会巻きと三つ編みアレンジにチャレンジ!
1)ゆるっと夜会巻き
夜会巻きには夜会巻きコームを使います。
おすすめは、クシの部分が長いもの、先に向かって少しすぼまった形をしているものがしっかり留まります。
ブラッシングして髪を整えたら、後ろでひとつにまとめて、自分の得意な方向にくるくると巻いてまとめます。
…
きもの初心者からフネさんへの道(その2:復活のきっかけ編)
こんにちは。
たかはし新人・着物初心者の佐藤めぐみです。
前回、佐藤の着物の出会いがマイナスイメージの塊だったことをお届けしました。
きもの初心者からフネさんへの道(その1:最悪な出会い編)
そこから、なぜ「サザエさんのフネさんみたく日常に着物を」と思うようになったのか。
着物への興味が復活したきっかけをお届けしていきたいと思います。
きっかけは突然に。着物と関係ない場で勃発。
大学院時代、フィンランドで開催されるシンポジウムで研究発表する機会をいただけました。もちろんオール英語です。
私にとって初の大舞台&海外。
準備の間、発表内容についてはもちろん、英語コンプレックスで心に不安を抱えておりました。
そんな時、所属研究室の恩師から言われました。
「多くの学生は英語の習得ばかりを気にする。でも、話せるようになっても何を話すのかが大事。
日本人として、日本の文化や歴史を知っていないと話せないよ。」
その時は、発表内容と英語で頭がいっぱいのため、日本の歴史や文化までカバーしなきゃとは思えませんでしたが、とても大切なことだなと心に残りました。
そして、この言葉の意味を体感するのはフィンランドへ行ってからになるのでした。
サウナ文化が壊してくれた自分の壁
現地で会場までのバス移動から発表終了まで、実はあんまり覚えてない(汗)
なぜって、人見知り&英語コンプレックス発動!話しかけてくれるなオーラ全開!!ガクブル緊張超絶マックス!!!
私の発表は2日目。
用意した原稿でなんとか発表は終了。
発表が終わったおかげで、少し気持ちにゆとりが出てきた夕方。
スウェーデンから参加の女性の研究者が、私に声をかけてくれました。
「一緒にサウナに行かない?」
と。フィンランド式サウナも初だけど、一緒に行くことにしました。
さすがサウナ大好きフィンランド。
会場の施設にもサウナ小屋があり、その小屋からバルト海へ桟橋があります。
まだ緊張解けないサウナ初心者佐藤、サウナに入って大人しく座ってました。
一方、私を誘った女性は体があたたまると、小屋の外に出て少しするとびしょ濡れになって戻ってきます。
なんと!まだ9月だったため、雪のかわりに温まった体をバルト海で冷やしていたのです。
そろそろサウナから出ようかなという時、その彼女から「あなたは飛び込まないの?」と言われました。
当時のいつもの私なら、「いや、私は結構です。」だけど、ここは旅先。
真っ裸で桟橋を全力で駈け抜け、バルト海にジャーンプ&ダーイブ!
あの時の水の冷たさと海底の土の柔らかさはしっかり覚えています。
ほんとすっごく気持ちよかった!
(施設からサウナは見えないのに)この話はなぜか他の方にも伝わってて、教授は腹を抱えて大爆笑。
主催の研究者から
「ようやくフィンランド人になったね(笑)」
とのお言葉。
サウナの力を借りて、私の心の扉ちゃっかりオープン。
その場を楽しめるようになり、言葉が通じなくても文化を通じて人と交流できる感触を得た瞬間でした。
言葉が通じなくても伝わった日本伝統の遊び
最終日の夜、なんとか他の国の方々と少しでも交流したい私。
その時、教授からのあの言葉がよみがえります。
なんてこった、こういうことか(…
きもの初心者からフネさんへの道(その1:最悪な出会い編)
こんにちは。
たかはし新人・着物初心者の佐藤めぐみです。
「日本に生まれたんだし、いつかサザエさんのフネさんみたく日常を着物で過ごせる大人でありたい。」
と思ってから、あっという間の10年。
今は着物について興味津々で、ウキウキしながら着物の着付けを学んだり、少しずつでも着物に触れ合う機会を楽しんでいますが、私にとっての着物との出会いは最悪な状態でした。
そんな状態から上がったり下ったり、着物のことは記憶の奥底に終い過ごしたりしながら今に至るわけですが、まずは着物との最初の出会いをお届けしていきます。
意図せず築き上げちゃった「きもの」へのハードル
着物が身近にない人の場合、
「最後に着物を着たのはいつですか?」
と聞かれたら、
「成人式の時」もしくは「友人や親戚の結婚披露宴」などになるのではないかと思います。
着物初心者である佐藤自身も女将と出会う前は、最後に着物を着たのは成人式でした。
気仙沼では、成人式は卒業した中学校ごとに開催され、終了後に同窓会が開催されます。
当時の私は自分のことが大っ嫌いだったので(今は大好きなのでご安心ください)、中学時代は暗黒時代!仲の良い友達以外は会いたくない!と思っていました。
根底にその思いがあったがために、
「(出たくはない成人式に)わざわざ高い振袖を用意しなくても良いのでは」
と思っていたのです。
しかし、母からは、
「せっかくなんだから、振袖を着てよ。お母さん、見てみたいもの。」
と言ってくれたので、振袖を選ぶことになりました。
せっかくの振袖選びにもかかわらず、自分に対しての自己肯定感の低さから消去法で選んじゃいました。
なぜなら、着物について何もわからない私にとって基準となるものは価格。
それ以外にあった基準と言えば、
…
いつまでも勉強です!
2011年12月10日
月刊アレコレさんが組んでくれたお仕立ての勉強会に参加した
。
『髙橋さんが今更何を勉強したいの?』って言われたけど、今更なんてことは全然ない。
だって、このへんのお仕立しか知らないわけで、他のところでは何か特徴があるかもしれないし流行りがあるかもしれないし。
それに何といってもその道のエキスパートがどんな仕事をするのか、是非見てみたい!
ワクワクしながら迎えた当日。
まず初日は東向島の『直や』さん
…
支えられています
2011年11月28日

人気の着物雑誌『七緒』の編集長が気仙沼に来てくださいました。
それはそれは着物で商っている私にとって名誉なことですが、私はこのことを自慢したくてこのページを書こうと思ったわけではありません、ちょっと聞いてください。
忘れもしない3月11日の翌週は七緒さんの取材の予定で上京するはずでした。
5月21日に発売予定の『買いもの七緒』にも商品を掲載して下さることになっていました。
その矢先のあの震災でした。
訳わからずの数日後、私は取材の約束を思い出しました。翌日、ケータイの電波の届くところまで車で出て大事なところへ電話しようと、友人と共に車を出しました。電池式の充電器を持ち、ガソリンが手に入らない状況がいつまで続くかわらない中、電話のために貴重なガソリンを使う最初で最後の1回でした。
結局1時間ほど走ったところで電波が通じ、かけた電話の1本が七緒編集室でした。
電話口に出た編集者のNさんに…