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きものコーデの決め手!帯揚げの選び方

きもののコーディネートで、きものと帯が決まっても、帯揚げや半衿、帯締めなどの小物選びに迷ってしまうことはありませんか? きもの姿をまとめる重要なアイテムのひとつ、帯揚げ選びのコツをお伝えします。 生地の良いものを選ぶのがポイント 帯揚げや半衿を選ぶとしたら、生地が良いものをおすすめします。 帯揚げも半衿もリーズナブルなものもありますが、どちらも生地が薄手のものは避けた方がよいです。 帯揚げは格好つけるのは結構、大変ですよね。とくに、テロテロしたペラペラ薄い綸子だとボリュームが出ないので、帯揚げの結び目が小さくなってしまいます。 半衿も安くて薄い生地だと厚みが出ないために、首もとが寂しげに見えてしまいます。 また、耐用性の面でも違ってきます。薄手の絹はすごく切れやすいです。経糸が左右に引っ張られて緯糸だけになることを身がひけると言いますが、衿もとで擦れるだけでも織りがあまかったり薄いものはすぐに身がひけてしまいます。その状態になると半衿を付けてもしっとりきませんよね。 帯締めに関しては、楽しめるのであれば、色だけで選んでも良いこともあります。 もちろん、組みの良いものの方が締まりが良い場合もありますし、どうも滑りやすいと感じる場合は、糸の問題もあるかもしれません。 ものすごく酷い帯締めはないと思いますし、もちろん質の良いものはよいです。リーズナブルなものでも掘り出し物があったり、意外と使いやすいものがあったりします。 帯揚げと半衿だけは品物で選んでいただきたいです。 日常きもので使い勝手の良い色を厳選 丹後ちりめんの織元、ワタマサさんの生地をたかはしオリジナルで染め出しした帯揚げを色選びの参考までに、ご紹介します。 画面の左手にある半衿は、帯揚げの生地と柄が同じで、白生地の状態のものです。生地の織りがすごく良いので、最初は半衿を付けるのが大変なくらい厚手です。同じ半衿を三度楽しむ方法もあるので、参考にしてみてください。 ▼一枚の半衿を倍長く使える付け方の工夫 https://k-takahasi.com/blog/2024/02/12109/ 今回、オリジナルで染め出した帯揚げは、意外と市場に出回っていない色味で、使い心地がよいと思っています。特に濃い色の帯揚げは、コーディネートのアクセントとして効果的な色味ですが、マットな質感に抑えています。 画像だと分かりにくいかもしれませんが、パッと目を惹くような青色です。 黒っぽいきものに合わせると、アクセントになると思いませんか。 濃い紫色の帯揚げも質感がマットですし、とても合わせやすいと思います。 こちらの色は、全体の調和を取ってくれるような色になっていると思います。 このグレーのような少しこっくりした色は、涼しくなり過ぎずに爽やかな印象になるような色味です。 白の帯揚げは、仏事にもよく使いますし、お茶会にもよく使います。お茶会だと白っぽい色の方が品よく見えます。ちょっと式典的な場だったり、改まった席での食事会などカジュアルダウンしきらない方がいい場では、帯揚げを白っぽくするだけで雰囲気が変わります。 白は色としては強く、なかでも真っ白なものは、お慶びごとの場での礼装用に向いています。白に少し色が入っている帯揚げなら、礼装感が強くなり過ぎずに敬意を表すことができると思います。 帯揚げのコーデが決まらないときの、色選びの参考になると嬉しいです。 女将の帯揚げのこだわりポイントはこちらの動画をご覧ください。 【きものコーデの決め手!帯揚げはこう決める!女将の帯揚げこだわりポイント】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
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羽織の合わせ方、季節や素材どうすればいい?

きものでお出かけする時、きものの上に何を羽織っていますか? 以前は、羽織をあまり着なくなって一時全滅したような感じでしたが、きものを日常的に楽しむ人たちが増えているエリアでは、コートよりも羽織なのではないでしょうか。 今、羽織がとてもポピュラーになっていて、いろんな種類の羽織がありますよね。 たとえば、大正ロマン時代のすごく長い八分丈の羽織、お尻のところでピュッと切れるような昭和時代の可愛い茶羽織、レースの羽織など、既製品の羽織もあります。 以前に比べると、気軽に羽織を楽しめるようになっています。 そのため、羽織を着るようになったからこそ困っていることがあるのではないでしょうか。 たとえば、季節で薄物と袷とどうやって合わせたら良いんだろう?と悩まれたことありませんか? そこで今回は、羽織の合わせ方について、ご紹介したいと思います。 羽織はジャケットのように便利で見た目も良い 羽織は、ジャケットと、ほぼ同じようなイメージで考えていただけると良いと思います。たとえば、コートや雨コートや道行コートは玄関先で脱ぎますが、羽織は、いちいち脱ぐ必要はありません。そのため、ジャケットとレインコートやオーバーコートとの違いと同じと、よく言われています。 また、黒の羽織の場合、礼を尽くす気持ちの表し方として着ることがあります。昔は、学校の入卒園式でも、黒の紋付きで黒の中に柄が入っている絵羽織が主流でした。 黒の紋付きは敬意を表すことや弔意を表すことができるので、日常きものにサッと羽織るだけで入卒や仏事などにも行けるように早変わりする便利グッズのような感じで使われていたと思います。 黒の紋付きを紬や小紋の上に羽織ってお悔やみへ行った時のコーデ ほかにも、帯が崩れた時のボロ隠しになって便利だったり、羽織があることで縦に線が入ることによりスレンダーに見えて見た目にも良かったり、ちょっと肌寒いときの防寒にもなります。 昔は、何も羽織らず帯付き(=きものと帯だけ)のまま外を出歩くのは、品がないという美意識がありました。今でも「私は真夏でも羽織物がないと外に出たくない」という方もいらっしゃいます。そのため、季節で羽織をどう着分けたら良いのか悩まれたことがある方も多いと思います。 羽織の季節はいつからいつまでどう着分ける? まず、真夏はほぼ羽織っていません。 たとえば、レース羽織は見た目が涼やかに見えますが、素材がポリエステルの場合、かえって暑かったりしますし、素材が絹の薄物でも、一枚羽織れば、暑さを感じます。 さらに、単衣の時期も、ほぼ羽織っていません。単衣の時期は、帯付きで出歩いても良いという説が便利で良いと思っているからです。もし下品だと思われたとしても、涼しさを優先しています。 逆に、「真夏でも帯付きで外を出歩くのは上品ではないから嫌だ」とご自分で思われるのなら、羽織った方が良いと思います。 では、袷の時期はどのようにするかですが、昔に比べると暑さを感じる時期が長いため、今の季節に合わせていく必要があると思っています。 袷羽織を袷のきものに合わせるのが、季節のイメージにも沿っていていいと思います。 ただし、春先や10月でも真夏日があって、気温が20度を超えると袷のきものを着ること自体が暑くてつらくなりますよね。 体感での基準ですが、だいたい気温が20度未満にならないと、袷のきものを出しません。一日の最高気温が20度を超えるうちは単衣を日常的に着ています。 たとえば、結婚式に出席するなら袷を着ますが、日常的には最高気温が20度を下回らないと、胴抜きでも袷を着ることはありません。汗をかきたくないし、寒がりでもないので、体感で決めています。 最高気温が20度を下回ってきたら、まずは胴抜きの袷を出します。気温が下がってくると帯付きだと出歩くには寒々しく見えると思います。そんな時に何を羽織るのかですが、単衣のきものには、薄物羽織を羽織ります。 季節による羽織の着分け方のいろいろ 以前、きもの英…
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たかはし女将的!季節の移ろい方《帯編》

季節と帯について知る きものの季節の移ろい方のお話の続きで、今回は帯のお話をします。 前回、きものについてのお話をいたしました。 たかはし女将的!季節の移ろい方《きもの編》 帯についてなのですが、袋帯は2つのルールでだいたい使い分けができます。 (1)金銀が入っていれば礼装に、それ以外は洒落着に (2)質感が厚いか薄いかで袷の時期か単衣の時期か使い分ける。紗袋帯など透け感のある夏帯は、夏に使う ちょっと迷うのは、普段のきものに使う帯ではないでしょうか? そこで八寸の名古屋帯を中心に季節の移ろいのお話をしていきます。 普段着の場合はルールに縛られることはないですが、きものを着てでかけるとき、どうしても人の目が気になったりしてしまうようなことがあれば、目安としていただければなというものです。 博多帯は通年使える 真夏を除いて、いえ真夏も含めてもいいと思いますが、万能なのは八寸の博多帯。紗の博多帯もありますが、紗でなくても夏に締めても大丈夫。紗献上は最近出てきたもので、昔はありませんでした。だから、気にしないで通年使っていただきたいと思います。 ただ素材ではなく「色味」で、涼しそう、とか暖かそう、と感じるのはありますので、ご自分の感覚で合わせてみてください。 濃い色の入った献上柄のものは、秋などこれから寒さに向かうという季節から、袷のシーズンによく使いますし、白いドットのものは、つるんとした生地あいの着物のときに使います。例えば胴抜きや単衣の時期、透け感のある着物にも重宝します。 単衣の時期から夏の帯は透け感で 透け感のある帯は、6〜8月に着ます。9月に入ると透け感のあるものは女将はあまり身に付けませんが、これはたかはしきもの工房が東北にあるというのもあると思います。もっと南の地域の方では、9月に入っても透け感のあるものが好ましいということもあると思います。 季節の移ろいには、地域も関係しますよね。そのあたりは自分の肌感で判断していただければと思います。 ちょっと便利なのが、麻の夏帯。素材は夏ですが、あまり透け感がないので真夏から単衣の時期に重宝します。ただいくら透けなくても、素材が麻ですから冬には使いませんし、単衣の時期も夏に向かう時期のほうがよく使いますね。 袷の時期の帯は素材感と色で 袷の時期は九寸の名古屋帯をすることが増えますが、これも素材感で季節の使い分けをしています。 例えば縮緬の名古屋帯は、生地に暖かみがあるので、12月〜2月くらいまで。 塩瀬などの「すぺん」とした生地のものは、つるんとしているので真冬でもいいし、袷の季節の入り口でもよく使いますね。使える時期が長い塩瀬ですが、これもやはり色で使い分けもします。こっくりした色のものは寒い時期に、薄い爽やかな色は暖かくなってくる時期に、などきものとのコーディネートもあるとは思いますが、使い分けています。 また塩瀬の急寸名古屋帯は、生地がシュッとしているので、品がよくお洒落度もアップする印象があります。 花や文様で季節感がはっきりしているもの 生地や色だけでなく、その季節だけの花や文様が描かれている帯もありますよね。そういうものを身につけるときには、花であればその花が盛りの時期までに身につけるのがよいのかなと思っています。これも今までのセオリーのお話にはなるのですが、季節の先取りのほうがよいと一般的には言われています。 でも、例えば桜の花は浴衣にも描かれていたりしますよね。そういう時の判断は、その花がモチーフとして使われているか、枝なども描かれていて咲いている花そのものであるかというところで見たりします。モチーフであれば、季節問わずな時もありますし、咲いている花そのものが描かれていれば、やはりその花が咲いている時期、桜であれば4月の半ばまでが限度かなと思います。これも地域によるところもありますね。 例えば、このようなシロツメクサの帯があるのですが、これはシロツメクサだとはっきりわかるので、それが咲いている時期(春先から単衣)しか使いません。 こんなかんじで、帯を季節によって使い分けていますが、ポイントは3つ。 ・色 ・素材、質感 ・季節感を描いたもの これを大切にして選んでいただければ、季節の移ろいに対してそんなにちぐはぐな感じにはならないのではないかと思います。 帯揚げ帯締めも、おなじように考えて選んでいただければよいと思います。昔は透かしの入った夏の帯締めなどはありませんでした。「こうでなくてはならない!」とがんじがらめに思わず、色合わせなど自分の感覚を大切にして選んでいただければと思います。 ファッションとして着るのであれば、ルールはあまり気にしないで自分の感覚でいろいろ試してみるのもよいと思います。流行の先端は、最初はギョッとされるものです。そこからまた新しい流行やルールも生まれたりするものですから、基本は抑えてご自分がわくわくする方向で、楽しんでくださいね。 この辺りのお話をじっくりと女将が説明している動画もぜひご覧ください! 【たかはし女将的!季節の移ろい方~帯編~】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
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たかはし女将的!季節の移ろい方《きもの編》

季節ときもの。どんな風に季節感を出したらいいの? いつから袷を着ようかな、とか単衣にしようかな、なんてお悩みはないでしょうか? 特に季節が切り替わる時期はどうしたらいいのと聞かれることが多いです。 「きものの不安をスッキリ解決!」(河出書房)でも言っている通り、礼装ではないきものはファッションでありその人が好きに着たらいいものだと思っています。真冬に麻のきものを着ていたって、別にいいわけです。 でも基本的なことを抑えておきたいとか、まわりの方とのバランスを考えたいと言うようなこともあると思います。 今回はそんなときの「しきたりも体感も大切にしつつ、季節・気候に対応したきものの移り変わり」について解説していきますね。 生地あいや色目にも季節の移ろいがある 昔は「後に残すのは野暮」と言われ、季節の先取りはいいけれども、後には残さない。例えば9月になったら暑くても夏物は着なかったりしたものです。 でも、今はそのあたりもとても緩くなり、「後に残す」云々というのも気にせず、気温や体感にあわせてきものを着る方が増えてきました。 まずは着る期間が一番長い「袷」。袷は10月から5月まで着るとされていますが、温暖化が進んだ今、普段着で10月や5月に袷を着ることは少なくなっていると思います。 今は11月から3月。洋服で言えばダウンコートを着たいくらいの時期が袷のシーズンかなと感じます。 同じ袷でも、シャキッとしてつるんとした印象の袷と、ぽってりとした印象のものがありますよね。メーカーが同じでも、糸質の違いなどでツルンとした織とポテっとした織では、温かみや温度感が違います。 生地感や肌合いで、着るのに相応しい時期が変わるのではないでしょうか。もちろん真冬につるんとした生地でもいいのですが、ほっこりした生地のほうが暖かみを感じます。 また、色も季節感におおいに関係します。寒い時期は暖かみを感じる色、暖かくなっていく時期には爽やかな色、というような感覚もありますよね。 例えば、上のぽってりとした縮緬の絞りの着物は暖かみがあるので寒い時期に着て、春に向かう3月4月には着ていません。 逆に綸子系でヒタッとした生地で白いこちらの袷は、寒さに向かう時期に着ると寒々しい感じがしてしまうので、1月以降の春先に向かう時期に着るようにしています。 このように、その着物の質感や色をこれから向かう季節の方向性に合わせるのが、きものの移ろいのコツかと思います。   …
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色の好みは変わるもの

2011年3月4日 ちょっと前ならこんな色合わせはしなかったと思うのだけど 好みって微妙に変わっていきますよね(^^) 実はこの帯〆の色の色無地も作っちゃいました。 難し…
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着物にサングラス

2010年12月6日 着物でいる日がとても多くなったのは寒くなってきたから、はもちろんだけど、何かしら落ち着くから。 でも、ひとつ困ることが。 それは冬の日差し(><) …