平成24年9月

きものよきもの

九月になり残暑は厳しいと言いつつも、やはり秋の風ですね~。
風って季節も運んでくるし、町のイメージも風によるところが意外に大きいのではないでしょうか、気仙沼なら磯の香りを運んでくれますしね。

ところで、昨今の着物事情、お若い方が着物に萌えているようです。
逆にタンスの中に礼装でも普段着でも沢山持っておいでの年配の方が着物から離れてしまっているようです。
お洋服は楽ですから、それに慣れてしまうと体力がなくなってきてから着物に挑戦したいとは思えないみたいです、残念ですが。

それでも口を揃えて
「昔は毎日着てたのよ、やっぱり着物好きだしね…」
とおっしゃいます。
ただ体がついていかない、そういうことなのですね。

正直、着物は面倒で大変です。
だから体力のない年配の方がどんなに好きでも、一度離れると手を出せなくなるって、よくわかります。

でも、好きなんですよね…。ここが不思議な、着物の魅力です。

今の着物熱病にかかっている方たちは、きっと『手をかける、体を使う』ことの魅力に目覚めてしまった方たちなのでしょうね。
日本人はほとんどの方が着物を好きとおっしゃいますが、それでも実際、自分の日常に着物を取り入れるかと言えば、それは多くの方が否、でしょう。
 
私が満点スリップを作った理由は、そのハードルを少し下げたかったからなのです。
みんな着物が好き!でも大変すぎる、その狭間を少しだけ埋めたかったのです。
 
ここ数年、木綿やウール、お召と言った一時期絶滅したか、と思われる着物が沢山復活し、それらの産地はほとんどが廃業していたものの残った織元さんは大変な忙しさみたいで、私もとっても嬉しいです。
そうなんです、絹でなくていいと思うのです。
木綿やウールのお手入れしやすい着物をワンピース代わりに着て歩きましょうよ。
半幅帯でも充分着物感覚は楽しめるし、冬にはとっても暖かいですよ。
私も若い頃には冷え症でしたが、着物を着るようになって治りました。
体を温める効果、体を引き締める効果、なんと言っても見た目効果!着物にはたくさんの効果があります。
中でも特筆すべき一番の効果は自分の居場所がわかる効果、でしょうか。少なくても私はそうでした。
着物を纏う効果は意外にもこんなところにもあるものですよ。
当店は、着物を心から楽しんでいただきたい一心でモノづくりをしています。
だから細かいものばかり多くなってしまい大変なのですが(笑)
小物一つで着物がぐんと楽になったり楽しくなったりすることを思うと止められないのです。爆笑
 
本格的な着物の季節を前に原点を見つめ直せば、こういうことなのです。
本気でお客様を楽しませよう!と思っているお店に今、お客様が殺到しています。
逆にどんなに条件が揃っていても、ネームバリューがあるにしろ、その点において思いのないお店は静かなものです。
お客様のニーズははっきりし、よく見えてきた感がやっとこの業界にも浸透してきました。
殿様商売だったこの業界が、蓮の花がポンっと開くように開花してきたみたい、毎日が楽しくて仕方ありません。
どうか一緒に楽しんでくださいな♪