平成24年12月

きものよきもの

最近日常的に着物を楽しむ方が多くなってきたためか、肌着のことを教えて~、メンテナンスについて聞きたいの!というご依頼をよく受けます。
嬉しいことです、本当に嬉しいことです。
当社は元々、悉皆屋(しっかいや)といってメンテナンスが専門のお店です。
華やかな呉服屋さんとはちょっと違い、地味な仕事なのですが、日常的な着物回りに関して言えば、着物屋さんにはない知識と経験をたくさん持っているのです。
それが最近、急に喜ばれ始めていて、当社の『毎日着物が着たくなる!』に少しづつ近づいているのを実感しています。

呼ばれれば、どこにでも行きますよ~!

ということで先月はニューヨークにまで行ってきました。笑
ニューヨーク在住の日本人の中に着物愛好者が結構いらっしゃいまして、その皆さんに着物回りのこと、簡単で綺麗な着付けのコツ、果ては震災の話までさせていただきました。
皆さん真剣に、楽しげに聞いてくださり、震災の話では涙してくださいました。

行って本当によかったです。
海のはるか向こうでこんなにも着物が愛されているって知っただけでも収穫でした。

その中で実演として『上手なシワの伸ばし方』をさせていただきました。
これはどこでも喜ばれるのですが、着物の畳みシワや膝裏のシワって本当に取れないですよね~。
私は悉皆屋として、袖丈のお直しなどを通して体得したのです。
ただし、権威のある筋から教えていただいた、などというものではないので全ては自己責任でお願いします、と言ってますが。笑

ここで書いては伝えられないのがちょっと残念です、ごめんなさい。
いずれページにアップしたいと思っています。

着物に向かう際のハードルのひとつに、メンテナンスの大変さや難しさが大きく暗雲になっている気がします。
当社の存在意味はそのへんにあるような気がして仕方ありません。
私が大変ズボラで面倒臭がりだというのも、ここでは大きな意味があると確信しています。爆笑
 
実は満点スリップに使用している下半身素材のキュプラですが、これは綿と同じ特質を持っています。
メリットは通気性の良さと静電気が起きにくい点ですが、デメリットとして収縮することとシワがよるということがあります。
私はこれのアイロン掛けがとっても億劫で、実は3回に1回くらいしかかけてません。
でも、シワは気にならない、わけではないのです…トホホ

と、最近スタッフSが『畳んでからキュッと小さく巻いて洗うとシワになりにくいよ!ほら、すごいでしょ?』と洗いたての満点スリップを見せてれました。

本当にシワは見事に少なく、これなら全くアイロンはいらないかな~と思えるほどでした。

暮れの忙しさを前にちょっとお助けな情報をお届けして、今年最後のかわら版といたします。
来年も着物を愛する方のために身を粉にして頑張ります!
この一年のご愛顧に心より感謝いたします。来年もよろしくお願いいたします。