平成25年2月

きものよきもの

今年の念頭に『とにかくひとつでも多くご要望にお応えする』と書きました。
もちろん今もそう思っていて新商品の開発に余念はありません。
少しでも上質のものを、少しでもオシャレなものをと私たちのできる最大限で頑張っているつもりです。

でもその時いつも感じる、特に最近立ちはだかる壁を感じます。
それは、やはりデザインの勉強をしてきた人のようには中々なれないという壁です。
くやしいですが、デザインのみならずコピーはもちろんのこと、センスを求められるもの全てにおいて、その道のプロには叶わないのです。
当たり前のことですが、そういうことに一番お金を掛けなくちゃいけないんですよね。

考えてみればそこを社内で済ませてきたってことはすごく恐ろしいことですよね。
それでもなんとかやってこられたのは、きっとマーケティングもない着物業界だったからでしょう。

今後は少し考えねば!問題は資金ということですね~笑

それからもう一つの壁はモノがない、ということです。
反物もそうですが特に小物です。
問屋の売り場からはどんどん商品が無くなり呉服関係の売り場は縮小される一方です。
モノを持っている力のある問屋さんをしっかり捕まえているか、あるいは足を使って生産しているメーカーさんと直につながれるかが小売屋として生き残っていけるかの勝負所になりそうです。

そして私どもメーカーもぶつかりつつある壁としての『モノがない』問題があります。まずは生地です。
今まで当たり前にあると思っていた目に慣れている生地でも売っていないのです!
なぜかと言えば、それは大方の製品が、生地などの材料ごと中国で生産しているから素材として単品では出てこないのだそうです。

これは部材全てにおいて言えます。
簡単なのは中国に発注することですが、どうしてもそこに踏み切れずにいます。
これで本当にいいのでしょうか。
技術を含んだ産業を全部売り渡していいものでしょうか。

当店の商品は割高だと言われます。
それは全てが国内生産だからです。
特に縫製に関しては地元周辺にこだわっています。
昔からの縫製工場はどんどん減少し、仕事がなくなったことでミシンも技術者も無くなりつつあるのです。

これで本当にいいのか、ニッポン!

…なこと、私が言ったとて、どうにかなることではないと分かってはいますがでも、言わずには思わずには居られません。

単に価格だけでモノが動く時代は終わりつつあると、震災を通して確信しました。
価格競争に巻き込まれず、それでもお求め頂くためには、きちんとした価格に見合う裏付けをしていきたいと思っています。
少々高くても選んでいただける商品づくりを頑張ります!