平成25年4月
今月から新年度ですね。
転勤や配属替えでお忙しい日々を送っていらっしゃる方、ご苦労様です。
気温の寒暖も激しい折ですからお体は大事になさってくださいませ。
ところで今日は『喪』のお話をいたします。
新年度から!と眉をひそめる方もあろうかとは思いますが『喪』を考えることは『生きる』を考えることと当店では捉えています。
最期の時にどうあるか、を考えるために三年前から『旅立ちのよそおい』という死に装束の販売ページも持っているくらい大事に思っています。
こちらで扱っているのは正絹の反物で作ったシンプルなものですが、出来ればご自身で用意するくらいが望ましいとずっと思っていました。
それは老いてゆく周りの人が『死』というものを畏れるがため『うつ』になる方も多いように見受けられたのがきっかけでした。
また亡くなる叔父や叔母を見送る際に最後に着せられる死に装束を見て『最後にあんなピラピラのナイロンを着せられるのはゴメンだ…』と感じたのもサイトを立ち上げる大きなきっかけでした。
私が敬愛するビートルズのジョージハリスンに『人間の最大の義務は死ぬことだ。』という名言があります。
思えば死を直視したのはこの言葉でした。
そうですよね、人間死亡率100%、ぜったい逃げられないものなら向き合うべき、と思った時から逆に死が怖いものでなくなった気がします。
さてさて着物の喪服ですが、実は昔は全部白だったということご存知でしたか?
そうなのです、見送る側も白装束だったそうです。
いつから黒になったかというと明治以降、西洋の文明が入ってきてから喪は急速に黒に移行したそうです。
今でも白の名残は梨園などでも見られるようですがボロがでるので聞きかじりのお話はこの辺にします。笑
また喪は突然に来ることが多いのも特徴です。
被災地では震災直後から、それはそれは毎日のように葬儀がありました。
家を流された人達が列席する際喪服もありませんから、支援物資でいただいたジャージやセーターでの列席が当たり前でしたし、家が無事であった方たちも気を使って、同じように普段着で参列することが非常に多かったように記憶しています。
でもそれもひと月を過ぎたあたりから急速に黒に移行していったのです。
被災した方たちはとにかく黒を探し求めてましたね、いくら被災したと言っても色物では恥ずかしいと…
所詮形でしょ!されど、ですね。
当店では上質な喪のバッグを並べています。
黒のハンカチ、喪の草履もあります。
本当はもっともっと充実させたいと思っています。
なぜなら迅速な発送は当店のモットーで、急なご用命にもお応え出来るからです。
新年度、こういう時に慌てないように『喪』の準備をすることも礼を尽くすことなのかもしれません。