平成25年12月

きものよきもの

いよいよ師走、あ~、もう十二月かぁ…と毎年つぶやいている気がします。
そしてそのつぶやきがどんどん膨らんでいる気もします。
つまり年々歳々時間がどんどん足りなくなっている気がしてるというわけです。
与えられている時間は若いころと同じはずなのにそう感じるという事はお仕事が増えている、つまり世の中から必要とされていると考えるべきでしょうね。笑

ところで十二月と言えば着物月刊と言っても過言ではないでしょう。
この寒さ、待ってました!いおっ、北風ちゃん!!!ってくらい寒さに強い着物です。

私など、もうほとんど襦袢を着ていませんから、その分寒いはずなのに洋服よりは断然暖かくて離せません。
本当に何の仕事もないオフ日は家に引きこもり掃除洗濯に明け暮れるのでGパンですが、それ以外は着物で過ごす私にとって、この季節は優越感満々!寒がりだった洋服メインの昔を思うとウソのようです。

私、昔は末端冷え症でした。
だから寒い冬は大嫌いでした。
足が冷たくて眠れない夜をどれだけ過ごしたことか…。
さらに腰が弱くぎっくり腰を何度も経験していました。

ところが着物を着て過ごすようになってからというもの、気が付くとそれらが解消されていたのです。
しかも風邪もひきにくくなったりと健康管理の要が、実は着物になっている気がします。

体を温めることが健康の秘訣だと、よく言われますが、これを実感する日々です。

・帯がコルセット替わりで腰を温め守るにプラスして、猫背の姿勢を取りにくいため腰をしゃんと立ててなくちゃいけないってことが筋力を高めているという事実
・足を組んで座りにくいため、膝をくっつけて座ることがインナーマッスルを鍛え骨盤をゆがめないということ
・絹なら特に人の波動にとてもいい影響を与え整える効果、身なりをきちんと気を付けている感がありありなので、人様に対して失礼になることがない便利
・着物は洋服ほど洗わないので洗剤をまき散らしてないぞ、のエコ的自己満足

などなど、効果効用は枚挙にいとまがありません。

そして今、私が感じている一番の効果効用は『人つながり』のアイテムだということです。
着物を着ていると洋服ではありえないことに、よくお声をかけられます。
私の場合褒められることが多いのですが(当たり前です、プロですから 笑)以前はお叱りを受けたり、いきなり直されたりする方も多かったみたいです。

最近ではそういうことも減ったみたいでもっぱら褒められることが増えているようにも感じます。
世の中が着物の世界でもファッションとして、いろんな楽しみ方があるのだという事を受け入れ始めた証拠でしょう、嬉しいことです。
で、話は戻りますが、つまり『声を掛け合う』ことでそれが一緒にランチするお友達につながったりということになりやすいのです。
ひそかに思うのは、だからこそ、着物ブームが都会で広がっているのだとも感じています。
もちろん田舎は田舎で『人目を気にする』という大きな壁を乗り越えれば、きっと着物ブームは広がるはずだとも踏んでいますが、その点においても都会は障壁がないと言えるのでしょう。

私には日本文化を守るため、などとお題目を掲げる技量も知識もありません。
でも、湧き上がるように訪れた着物ブーム、これは種の保存の法則のような気がしてなりません。
とにかく着物を着て頂きたい!の一心で突っ走ってきましたが、これからもそのまま突っ走ります、来年もよろしくお願いいたします。