平成28年1月

きものよきもの

新年明けましておめでとうございます。
このかわら版がお手元にあってお読みいただいているということはお買い物をしてくださったということですね、新年早々、本当にありがとうございます。
 
さて、今年は年明けから新商品の企画が数々あります。
製造卸を始めて十二年、もううちが作るものはないよねと思い続けてきましたが留まるところを知りません。
次々と作りたいものが湧いてきて追いつかない、困ったものです。笑

いえ、それが喜んでいただけてお役に立つなら困ったことではないのですが商品を新たに生み出すということは社会的な責任を生じることでもあります。
慎重に考えなくてはいけないし、パターンから材料の選択や部材の発注など、かなりの労力を使います。
ものづくりは全くの素人から始まっているわけですがこの十二年、本当にたくさんの失敗も経験しました。
それらはすべて会社のスキルアップにつながっているんだなぁと感じます。

だいたい当社の商品は売れ始めるまでに最低一年から三年はかかるのが普通です。
それは、今までにない商品を生み出しているのだから受け入れられるまでに時間がかかるのだと感じていました。
もちろんそれも理由の一つだとは思いますが、実用本位だということも大きな理由だったんだとやっとわかってきました、つまりおしゃれではないのです。

これは大きな落とし穴でした。
中に着る肌着だから、和装だからと自分たちがそう思い込んでいたのに違いありません。
それに気づいたのは『ロング活動着』の売れ方でした。
後ろで紐を結ぶ面倒をなくし、すっぽりとお尻が覆われる形はきっと喜ばれるだろうと思って発売した前打ち合わせの割烹着なのですがなんとなくずっとパッとしないままだったのです。
それを一昨年、すっきり見えるようにパターン修正した上で3サイズ展開にしてみたら、これがすごく好調でよく売れるようになったのです。
生地は変えていませんから変わったのはシルエットだけなのですが、こんなに大きく売り上げに響くとは思ってもみませんでした。
一見ではわからないので、きっとこれは口コミの力が大きいのだと思います。
おしゃれにする、きれいにするうえで素材やデザイン以外にもレースを付けるなど方法は様々ですが、原価に直接関わることなので、そこのバランスは見つつも、極力『身に着けたい!』と思っていただけるような仕事を目指していきたいと思っています。
 
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。