平成28年8月

きものよきもの

私は気仙沼で『気仙沼つばき会』という女将さんたちだけの、気仙沼をPRする会をやっています。
これは誰から頼まれたわけでもなく、お節介で勝手に始めた会なのですが、自由で面白いんですよ、これが。

ミニ大漁旗を作ったり漁師カレンダーを作ったり、気仙沼に人を呼び込むイベントを仕掛けたり様々な活動をしています。
なぜここでつばき会の話をしたかと言いますと、実はこのつばき会の作ったグッズがグッドデザイン賞協会の何かのイベント(全くいい加減でごめんなさい!)で展示していただくという名誉に出会ったおかげで、当社がグッドデザイン賞に応募してみることが出来た、というお話です。
回りくどくてすみません。

ということで、当社は今年のグッドデザイン賞に『Put on キモノブラ』と、魅せるも隠すも得意な割烹着『このは』の二点を応募してみたのです。
一次審査を無事通過し、先日東京ビッグサイトで行われた二次審査に参加してまいりました。

いや、その規模にまずびっくり!
びっしりと埋め尽くされたありとあらゆる品物、品物、品物…。
二次審査で1,400点あまりが選出され、そこからベスト100がさらに選出されるという狭き門なのです。

結果がどうなるのか気になるところですが、新たなことに出会うというのは本当に刺激的ですね。
非常に勉強になりましたし、ふと気づいたことがありました。

それは和装業界ではグッドデザイン賞を受賞した商品が見当たらないこと!です。
審査会場でも見渡したところ、素材としての応募はありましたが、デザインなどの見え方で応募しているところは皆無でした。
今まで何も考えたことがなかったのですが、これっておかしくないですかね…

着物と言えども身に付けるものであってファッションです。
より美しく見えるように、よりカッコよく振舞えるように色や柄を含め努力しているはずなのに、誰もグッドデザイン賞を意識したことがないということになりますよね。
ムムムム…、これは実はすごく大切なことで、かつ根深い問題だと感じました。
だって、つまり、これは、業界そのものが着物をファッションととらえていないという証拠ではないでしょうか。

ここで私は決意しました。
毎年、少なくてもあと4.5年は応募し続けようと。
そのくらい続けてみれば業界の反応もわかります。
当社のものづくりの考え方が良いのか悪いのかもわかります。

それとここが肝心!実はグッドデザイン賞協会のご支援で、震災から10年は応募費用が無料になるのです。有難いですね~
なんとちゃっかりしている私(笑)
でも恩恵は有難く甘えさせてもらうことにしています。
こうして目に見えないご支援、たくさんあるのです。
本当にありがとうございます。