平成28年7月

きものよきもの

私にとってネットショップでのお買い物は、今や生活の一部になっています。
このかわら版を手にしている貴女様もきっとそうなのでしょう。
特に重いもの、お米やお水などの生活必需品では必須ではないでしょうか。
一人に車一台の田舎である気仙沼に住んでいてさえ、猫三匹分のエサやトイレタリーをホームセンターから家まで運ぶことを考えるとついネットに頼ってしまいます。
労働と時間の節約か、配送料を払うかの選択だけなのですから。
しかもある程度の金額から送料無料は当たり前、本当に便利な世の中になりました。

しかもびっくりすることに、着物のような高額商品でも、ネットで買われるお客様が増えていることです。
ネットショップの場合、闇のルートの商品が普通では手に入らない価格で流通していて、価格競争の雨嵐なんだから着物ももちろんそうでしょう、と思った方が多いと思いますが、それとは全く違う論理で売買されているケースが増えているのです。

それはどういうことかと言うと、じっくりお店で見ることが出来ないものでもネットでは心ゆくまで見て楽しむことが出来るからなのだと私は考えています。
敷居が高くて入りにくいお店はきっとその代表格なのでしょう。
そう、まさしく着物屋がそれにあたります。

価格には関係なく、そのようなお客様の心をつかむネットショップは、知名度があって魅力的な実店舗を持っているところ、もしくはネットショップそのものがものすごく素敵で個性が光っているか、人となりが暖かいところ、信頼できると思えるお店のような気がします。
ネットという直接お顔を合わせない商売だからなおさら、お店なりがみえるところでないとお買い物する気にはなれませんよね。
 
真に信頼できるお店と出会えたなら…と想像してみてください。
本当は着物のような商品は、地元の実店舗でお買い物をする方が楽しいはずです。
高額になればなるほど人間関係が大切で貴重だからです。
困ったことがあっても気軽にひょいと相談に行けたり、一緒に着物を楽しんだりと、着物ライフはさらに広まりを見せるはずです。
お代はそれも含めたもので、モノの値段だけではないのです。

もし貴女様が信頼できるお店があって、すでにそういう楽しみ方をしていらっしゃるのなら、周りにいる着物屋難民の方をその着物屋さんにご紹介ください。
着物低迷時代に入ってすでに二十余年、代変わりをするべく、または既にしてすごく頑張っている着物屋さんがものすごく増えています。
どうか、育ててください。
心から着物を楽しむためにも是非!