冠婚葬祭のルール 〜喪服編〜【きもの初心者必見】
こんにちは。
きもの初心者&たかはし新入社員の藤田です。
入社して間もない時、
「帯締めは、房の向きは基本上向きね。下向きだと喪になっちゃうからね」
と教えていただきました。
「そんな細かいルールもあるんだ?!」と驚きでした。
結婚式とかお祝い事は、柄や色味など色々あるかもしれないなと思いつつ、正直お葬式は黒い無地の着物を着るくらいで着方とかは同じかなと思っておりました。
他にも、このようなルールがないか、冠婚葬祭のきものルールを調べてみました。
ただ、調べ始めるとたくさん出てきたので、今回は「喪」に絞ってご紹介いたします。
昔は白だった?!
「喪服といえば黒」
これは着物関係なく当たり前の知識だと思っていました。
ただ、今の喪服は黒という文化は、明治維新以降、西洋の文化を取り入れたからのようです。
それまでは喪服と言えば「真っ白」だったそうです。
理由を調べてみると
「白生地を染めるのが大変だから」
「死者と同じ色の衣装を身に着けることで、同じ気持ちになって送るため」
「汚れない気持ちでお送りするため」
など、諸説ありそうでした。
また、現在でも地域によっては喪主は白喪服を着るところもあるようで、一概に「喪服は黒」とは言えないんですね。
一番目の理由はその時代の経済事情がありそうですが、残りの二つは、「相手を想う気持ち」ですね。
では、現在はどのようなルールがあるのか、調べてみたいと思います!
家紋
礼装には必ずと言っていいほど家紋が関係してきます。
紋の入れ方と、数によって格式が異なってくることが分かりました。
紋の入れ方
紋の入れ方にも種類があり、「日向紋」と「陰紋」の2種類ありました。
日向紋・・・家紋の面を白抜く方法
陰紋・・・家紋の輪郭線を白く抜く方法
正礼装の場合は「日向紋」である必要があるそうです。
ただ、刺繍はNGで染め抜きである必要があります。
陰紋は略礼装の場合に使われるようです。
なので喪服で家紋を入れる際は、「日向紋」の方が良さそうですφ(・・)
紋の数
4種類ありました。
無紋・一つ紋・三つ紋・五つ紋
数が多くなるほど格式が高くなります。
喪服の種類
【きもの】
◆黒喪服
色:黒
紋:五つ紋
◆色喪服
色:灰色・紫系・紺色・抹茶色など。控えめな色を選ぶ
紋:一つ紋か三つ紋
【帯】
◆黒喪帯
色:黒
◆色喪帯
色:灰色・紫系など
【生地・柄の注意点】
①光沢の無い無地を選ぶ
②地紋があっても、吉祥文様以外を選ぶ
基本的には、慶弔両方に使われる文様「波・雲・流水・菊・紗綾形」あたりが主流のようです。
また江戸小紋でも、"格が高い柄"と言うものがあり、「鮫」「角通し」「行儀」の三役と言われる種類であればOKみたいです(^^)
これは着物に限らず帯の柄にも同じことが言えます。
喪の格式
大きく3つで、先ほど紹介した着物と帯の組み合わせ次第で格が変わってくるようです。
正礼装
「黒喪服×黒喪帯」
準礼装
「黒喪服×色喪帯」
「色喪服×黒喪帯」
「黒喪服×色喪帯」も、"正礼装"になると思ったので、帯の色一つでも、格式が異なるのには驚きでした(°o°)
略礼装
「色喪服×色喪帯」
帯・小物
基本的に黒で揃えるのが良さそうです!
着付け
衿元
①衣紋は控えめに抜く
②衿合わせは鈍角にする
これらは露出を少なくするためのポイントですね。
帯
①一重太鼓にする:「悲しみが重ならないように」と言う意味を込めて
②位置は低めにする:紋を隠さないように、華やかにならないように
帯締め
①房を下向きにする:悲しみを表現しているようです
黒羽織の可能性
ある日の女将。この日はお通夜に行く予定がありました。
お召と黒い半幅帯と黒羽織
女将は黒羽織があればお通夜などには通用するから広めていきたいと言っていたのを思い出しました。
ある程度のルールを重んじるのも大切ですが、「きものを着やすくする工夫」はあってもいいのかなと、私も思います。
まとめ
色や柄などのルールを紹介してきましたが、今回も調べれば調べるほど疑問が次々出てきてキリがなくなってしまいました(x_x)
でも今回「喪」について詳しく調べて思ったことは、
"言葉以外で相手へ想いを伝える手法の一つとして着物を使っている"
のかなと感じました。
「新人ブログきもののTPOについて」でも触れていましたが、礼装は「相手を想って装う」ことが一番大切ですね。
「悲しみを表現するから帯締めの房は下だな」など、なぜこうするのかの意味を理解できていれば、覚えられそうです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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正礼装は正絹の白がいいそうです。
準礼装の場合は薄く色柄があっても問題ないとのことですが、やはり生地は正絹がいいのかもしれません。
この袖などの選び方も、必ず正絹である必要があるわけではなく、相手を想って選ぶものだと思います。
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