考・職人技2 仕立て屋さんの娘
先日一度書いたが、その第2弾。
その神様のような仕立屋さんの娘も仕立てをすることになった。
若い頃和裁は習ったもののお仕事を始めたとたん、結婚してしまったため、20年も手を置いていた。
ずっと送り続けたラヴコールがやっと実って、先日私の小紋を1枚仕立ててもらった。
やはり、蛙の子は蛙、である。20年も経つと時代の流行りみたいなものもあって仕立て方そのものも変わっているから、天才お母さんについて縫ってはもらったのだが、そのきれいさに舌を巻いた。
どこもかくも物差しをおいて線を引いたようにピタッと仕上がっている。
母曰く、「縫い目は私よりうまい」
彼女が母に仕込まれさらにグレードアップしていくのは必定、後は当店が仕立物をきらさぬようきちんとお仕事しなくちゃ(^o^)
おまけ
先日、胴裏の剥縫い方でその仕立屋さんから電話がある。
うちの仕事は仕立て直しも多いため、やりくりしてもらうことも日常なのだが、ちょうど回していた仕立物が前後とも10センチづつ胴裏を剥がなくては身丈にならない。
普通はそのまま前後に剥ぐのだが、彼女
「ずっと気になっていたんだけど、ちょうどおしりのところに縫い目がくるのはまずいと思って…。思い切って後ろは30センチ剥ごうと思うんだけど、いい?切り取った分を前にまわせば布も無駄にはならないし」
ベテランなのにいつもいつもそういう新たな工夫をしてくれる。
根っから仕事が好きなのだろう。本当に有り難い。