令和2年12月

きものよきもの

今年ももう今月を残すのみ、早いです。
今年があっという間に過ぎた理由、筆頭に来るのはみなさん『コロナ』ですよね。
誰もが振り回され、それはいまだに続いています。
新年を迎えるにつき、何か踏ん切りをつけられることはないだろうか、とつらつら考えています。

毎年元旦には初詣を兼ねて、初日の出を見に行きます。
海からスパッと上がる年もあれば、雲が出ていて隙間からこっそり出てくるときもあります。
それでも毎年美しいと感じます。一年の計は元旦にあり、神々しいものに触れることは身が締まっていいものです。

ところで、着物屋では『初絹』といって、新年最初にお買い求めいただくための白い生地、胴裏や半衿などをお得意様に買っていただくのが慣習だった時代があります。
うちもその初絹を問屋から買うのです。12月に入れば、初絹という言葉が飛び交い、商品も飛び交います。
いつの間にか、そんなことを言う人もいなくなったなぁとちょっと寂しく感じます。
互いに新年を景気よく、気持ちよく迎えようという相互の思いやり、心配りだったように今更ながら思います。

それはさておき、皆さんは新年に必ず新調するものってありますか?
先に話した初絹と同じように、正月には下着や衣類、箸や財布など日用品を新調したものです。
昔は丁稚奉公があって、年末には身の回りのものを一式、雇い主から頂いた(これが給与だったのです~)時代、真新しいものを新年明けてから身に付けることが「縁起担ぎ」の意味もあったのでしょう。
身をきれいにして、新たな年に清々しく向かっていくという決意でもあったかと思います。

ちなみに私は足袋を新調します。
また、下着も黒ずんできたとか、ヨレッとしてきたと感じるものは新年の初売りで購入することにしています。

ここまで読んで、勘の良い方はきっと気が付いたと思います。
そうです!弊社は下着屋です。
皆さんの清々しい新年幕開けのため、満々の在庫をそろえて、年末年始の御来店をお待ちしております。
恒例のアウトレットセールもありますので、どうぞお見逃しのないよう。

最後になりましたが、良いお年をお迎えください。