【新聞】読売新聞 宮城地域版に掲載されました
2022年4月22日(金)の読売新聞 宮城地域版に掲載されました。
汗が気になるシーズン!汗っかきさんにおススメのきもの
汗ジミは『黄色』
立夏を過ぎ、汗ばむ陽気の日が増えてきましたね。今回は汗でお悩みの皆様に「汗をかかないようにするのは不可能だけど、汗対策はできる」というお話をしたいと思います。
そもそも汗をかいて、その汗染みを放置するとどんな風になるのでしょうか。
汗がついたすぐは、濡れただけで乾いたときには、うっすらと輪染みになるかくちゃくちゃ、と縮んだような感じになるかと思います。
それが時間が経つと、黄ばんでいくのです。
洋服などでも、ワイシャツの衿などで同じような現象を経験したことがある方はいるのではないでしょうか。
クリーニングの溶剤と汗が反応して黄ばむということもありますし、そのまま放置していても酸化で黄ばんでいってしまいます。
特に汗汚れの縁の部分に、成分が溜まりやすいのか強く黄ばみが出ます。
汗の汚れは「黄色」なんです。
まずはきものに汗を移さない、ということが大切。
これは、汗を移さない工夫をした肌着などを着ることによってできる対策です。
汗をきものに移してしまうと普通の丸洗いでは落ちません。汗は水溶性の汚れなので、丸洗い=ドライクリーニングの溶剤では落ちないのです。絹であっても、水で落とさなければなりません。
別に「汗抜き」という工程をプラスするため、汗が移ってしまったきもののお手入れ代は高くなってしまいます。
対策その1:汗うつりの防止
汚れを目立たせたくない、お手入れ代も安くしたいという場合は、まずは汗うつりの防止。肌着の段階で汗を止めるのは有効です。
宣伝になりますが、たかはしきもの工房の肌着は汗対策をしっかり考えて作っております。
こうした肌着を着ることで、着物への汗うつりを防ぐと、汗ジミをつける危険を減らすことができます。
対策その2:汗は水溶性。洗える着物を選ぶ
あとは麻や綿麻をはじめとした「洗えるきもの」を選ぶということです。
最近はセオアルファのように、ポリエステルだけど暑くないものもでてきています。水で洗えば汗は落ちますから、これは一番有効な手かもしれません。
対策その3:絹ものは汗じみができにくい素材を選ぶ
でもやはり絹の素材が着たいということでしたら、まずは素材でいうと紗、縮などは汗染みになりにくい傾向があります。絡み織で布目が開いていて、通気性がよいものなどは汗染みがつきにくいのではないでしょうか。
すごく汗をかいた日には、きものをハンガーにかけて、霧吹きでまわりに水を吹き湿度の高い空間を作ります。きものに直接かけないのがポイント。
その湿度が高い状態になったとき、湿度がきものを通って蒸発するため、多少汗の成分もつれて出ていくということです。お手入れの「汗抜き」も同じ考え方で、蒸気を通すことで、汗が蒸気と一緒に飛ぶということなのです。
夏きものは、輪ジミになったり目立つ状態になっていなくても汗はかいていますので、丸洗いに出すときは汗抜きをするのがおすすめです。
目立たないものにすれば、この回数を減らすことができます。
一方、絹ものの絽や竪絽などの柔らかものは、汗染みが目立ちやすい。汗による収縮も起きやすいです。ガード加工をしていても、汗汚れは防ぎきれません。その場合はどうしたらいいでしょうか?
対策その4:汗じみができにくい色を選ぶ
汗は「黄色」い汚れであるということで、汚れてしまっても黄色が目立たないような色の着物を選ぶ、という方法もありです。
まずは黄色みが入っているような色。茶色やベージュのような色は黄色い汚れが目立ちにくいといえます。
逆に淡い爽やかな青などは、黄色い汚れと相性が悪く、汗ジミも目立ちますし、くすんだ濁った色になりやすいです。
夏には着たい素敵な色ですけれど、そういう特徴はあります。
長く着て楽しみたければ、色の選択も一つ視野にいれるといいと思います。黒っぽくて汚れが目立ちにくい色を選ぶのももありでしょう。
黄色みの入った、渋めの色、汚れが目立たない色であれば汗汚れによる変色もあまり気にせずに着ることができます。明度が低めの、暗い色がおすすめです。
あまり夏着物に選ばれる色ではないかもしれませんが、結構かっこいいですよ。仏事もいけます。
また、そういったきものは変色してしまったら染め替えすればまた違う雰囲気になって楽しめます。汗抜きや丸洗いのお手入れの回数を減らして、ある程度の年数着たら染め替えてしまえばいいという考え方です。
私は汗っかきだから
夏の着物は……と敬遠されている方も、
汗の特性を知って、汗をかく季節のきものを楽しんでくださいね!
具体的な色の例などは女将の動画をご覧くださいね!
【汗っかきさん集まれ!汗っかきさんおススメきもの】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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