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裁ち間違い

2006年4月21日

はさみ 

仕立屋さんから雨コートの身丈を裁ち間違ったとの電話。

本来の身丈にならないくらいに切ってしまったと……。

電話の向こう側が真っ青になっているのが手に取るようにわかる(><)
彼女にとって初めてに事態。もう引退します…、と落ち込みまくってる。

こっちだって真っ青よ~。

取りあえず同じ品が手にはいるかどうか問屋に即連絡したが結局、まったく同じものは見つからなかった。入荷したての品だったがその色は人気だったらしくあっという間に完売したとか。

私の仕入れもまんざらじゃないのね~、なんて呑気に構えている場合じゃない!

あ、名誉のために言っておくけどこんな事態は10年に一度あるかなしの大事件、しかも同じものが見つからないとすると20年に一度くらいかしらん?

ここは店の資質が多いに問われる正念場。

丸1日どう対処したものか考え抜いた末、お客様に連絡。

うちが出した対処はこう。
そのお客様に似合うと思われる全く別の商品を揃え、そに中の品を代品としてお取りいただき、裁ち間違ったそのコートは身丈の違うもう一枚のコートとしてそのままそのお客様に納めさせていただくというもの。

結果
お客様は1枚分で2枚も手に入る!と大変喜んで下さり、ホッ。

もう引退するわ~、と嘆いていた仕立屋さんも弁済せずに済んだことで引退も取り消してくれ、 ホッ。

この事態は窮地を脱し事なきを得た。 ホッ。 ホッ。

人のすることだもの、間違いは付きもの。責めてみたところで仕方ない。一番配慮したのは気に入ってお買い上げ下さったこのコートに対するお客様の気持ち。

ここに未練が残ればどんなに代品がすばらしいものでも着る度に心残りに思うだろうと……。

~なあんて私一人でこんな対処法を考えたわけではないのよ~。
とある信頼すべき方に相談してのこと。   ばらしちゃった(^^)

でもそういう方が私の身近にいて下さることは私の宝♥️
私の人徳(えっへん!)
そう胸を張っていいことよね。

私ってとっても幸せ者だわ~。

※写真はイメージです