どうして着物は左前ではなく右前なの?【きもの初心者必見】

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「右身ごろが前なのが右前では?」と思ったことありませんか?

こんにちは。きもの初心者&2年目の佐藤です。

初めて着付けを教えていただいた際、着物は「右前」で着るデザインだと知りました。

その時、
「右の身ごろが前に来るのが右前じゃないの?(;・∀・)」
と、思ったのです。

今回は、着物は「左前」ではなく「右前」で前合わせすることがテーマです。

左右上下?ややこしや前合わせ

初めて自分で前合わせ(衿合わせ)した際、
「ややこしやー(@_@)」
と感じたのです。

というのも、「右前」「左前」の他に、似た単語が出てきたからでした。
そのため、それらを含めて単語の整理をしてみます。

右前:自分の右手側の身ごろを先に体に合わせる着方。
左前:自分の左手側の身ごろを先に体に合わせる着方。
下前:着物を着た時、下になる着物の部分。
上前:着物を着た時、上になる着物の部分。

つまり、着物(浴衣も)は「右前」で着るため、「下前」は右手で持つ身ごろになり、「上前」は左手に持つ身ごろになります。

着付けの詳細は女将の動画を確認ください。

▼【女将流 日常きものの着付け方】

まず、「着物は右前」を覚えておきたいところ。そのコツは次のうちいずれかで覚えておくと良いそうです。

着物の前合わせは「右前」を覚えるコツ

きもの初心者佐藤は「右前」を次のように覚えました。
”右”の身ごろを先に体に着付ける⇒時間的に”前”に着付ける⇒右前

上記以外、次のようなものがあるそうです。

  • 女性は洋服の合わせの逆(男性は洋服と同じ)
  • 衿元を正面から見るとy(小文字)の形
  • 右手が右の衿元に入る向き
  • 衿元や裾など柄が豪華な方が上

いずれも、ご自身で覚えやすいものが良いですね♪

さらに、なぜ着物が「左前」ではなく「右前」なのかを起源を調べてみました。

なぜ着物を「右前」で着るようになったのか?

Google先生に「着物 右前 理由」を聞くと、諸説あるようです。きっかけは、およそ1300年前の奈良時代に遡ります。

719年に出された法令「衣服令」にある「初令天下百姓右襟」という一文が起源と言われています。
その時から「着物を右前で着なさい」とされ、右前が定着したと考えられているそうです。

さらに、なぜ「左」ではなく「右」かというと、中国の思想にある左上位の影響と言われています。高貴な人は「左前」で、それ以外の庶民は「右前」で着ていたそうです。

1300年も前の法令から繋がっているとは驚きですね(@_@)

ちなみに、日本に影響を与えた中国ではどうなのか、気になったのでちょっと調べてみると…。

漢服は漢朝、唐朝、明朝などの時代に分類される。現代的なデザイン要素を取り込んでいるが、襟や帯、右衽(うじん・左側の襟を上にして交差すること)、幅広の袖、長袍(男性用の長い胴着)、馬面裙(女性用スカート)などの伝統を受け継いでいる。

引用元:中国で「漢服」が若者の普段着に 市場規模は1700億円超

「漢服」は「漢民族伝統服飾」の略で、漢民族の衣装とのこと。漢朝だと、紀元前206年~西暦220年の時代(@_@)

現代に伝わる「漢服」にも「右衽(右前)」が受け継がれているようですね。

にしても、若者による伝統的な衣装が1700億円市場て、すごい(;・∀・)

日本も若い世代から着物市場が拡大!って未来を妄想しつつ(笑)、続けます。

着物を「左前」で着ることはある?

ちなみに、着物を「左前」で着るのは、人生の最期を迎えた時です。

お見送りの宗派にもよりますが、故人に着せる「死装束(※)」は「左前」で着せることが一般的です。※経帷子で形は着物と異なります。

その理由も諸説あるそうですが、

  • 生の世界と逆さにすることで死後の世界と区別し、生きている人が死後の世界に連れていかれないようにするため
  • 死後は貴人も庶民も平等に神様、仏様に近づくため位が上がるため

とも言われています。

生きている人や旅立つ故人を思う想いは、今も昔も同じなのですね。

自分の大切な人が旅立つ時、また自分がいつか最期を迎える時、「死装束」を選ぶ時がやってきたら、感謝や願いを込めて体にやさしい素材を選んでみたいなと思っています。

▼たかはしには天然素材にこだわった「死装束」もあります
「葬送衣(そうそうえ)の店 びゃくえ」

最後に

「着物は右前」という決まりごとを遡ると約1300年前。「右前」に影響を与えた中国においても、その伝統衣装に当時の思想が引き継がれていることには驚きでした。
そして、国を超えて文化の源流があることに、やっぱり世界は繋がって存在しているんだなぁと。

時代の時間的な繋がりだけではなく、地理的な繋がりも感じられる着物って素敵だなって思える機会になりました(*’▽’)

今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしております。

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