令和3年2月

きものよきもの

今月末、河出書房新社さんから『きものの不安をスッキリ解決!』というタイトルの本を出版します。(2021.2.12発売)
本当は昨年の10月発売で動いていたのですが、いざ書いてみるとスッキリ解決してもらうためにはとにかくわかりやすくなくてはいけないわけで、苦労しました。
私というよりは編集者さんが、ですけど。

今まで3冊本を出版させていただいていますが、有難いことにお声をかけて頂いてのことでした。
ですが、今回の本は出したくて、企画を持ち込んだものなのです。
なぜ本にしたかったか、それはきものというものの固定観念を壊してほしかったからです。
これだけ日常的にきものを楽しむ方が増えてきている傍らで、しきたりのものという、戦後に作り上げられたイメージはなかなか払拭できずにいます。

それにより、日常的にきものを楽しみたい人たちの着合わせや季節感、着付けなどを批判する行為があったり、時には叱られたり、よく聞くきもの警察的な事が無くなればいいと思いまして。
 
でも、実は逆もあるのです。
しきたりを守り、正統派できものを楽しみたい方が肩身の狭い思いをしている場合もあるのです。
リサイクル着物のおかげで今のきものブームがあるのは本当にありがたい話なのですが、安く手に入るものはある意味、ファストファッション的に捉えられてしまっているのも事実です。
大切に着ようという気持ちを見下げるような言動も耳にします。

汚れれば棄てればいいとか、定価で買うのはバカらしいなど、きもの愛で着ているわけではないのだろうかと、ちょっと悲しい気持ちになることもあるのです。
ここ10年ほど、ずっと思ってきたのです。
どちら側からもお互いにエールを送ればいいのにと。
認め合い、喜び合えば、きっともっともっときものに興味を持つ人は増えるのです。
みんなで眉間にシワを寄せているようなところより、幸せのオーラがあるところに集まりたいに決まっています。

私の目指すところは「きものを やさしく たのしく おもしろく」です。
どんな気持ちであっても、きものを楽しんでもらいさえすれば、私はいいのです。
純粋に自分が喜ぶきものを見つけてほしいのです。ジャッジせずに、です。それを本にしました。

それがうまく伝わるといいなぁ~、そう思って、YouTubeもやっていますが、伝わっていますかね。笑