
自分でできる「きものの白カビを落とす方法」
落とせるカビと落とせないカビ
久しぶりに着物を箪笥から出してみたら、ほわほわ‥‥と白い汚れがついていた、という経験はありませんか?
その白いほわほわの正体は実はカビなんです。
特にあるあるなのが、喪服や黒留袖に白カビが! というお話。
黒なので目立つということもありますし、とにかく着る頻度が低いものはしまいっぱなしになってしまいがちですから、カビ対策が必要です。
カビが出てしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
まず、カビの種類を見定めてください。
黄色っぽかったり茶色くてふわふわ感がないものは進行してしまったカビで、自分では対処はできません。プロに任せれば除去は可能ですが、洗い張りだけでも落としきれず、色補正をしたりする場合もありますのでかなりな費用がかかってしまいます。
白くてたんぽぽの綿毛のようなふわっとしたものが「白カビ」で、こちらは自分でもなんとかなります。
白カビの落とし方
1)45度くらいの熱いお湯。手がぎりぎり入れられるくらいの、お風呂より熱い温度のものを用意する。
2)お湯にタオルを浸して、できるかぎり固く固く絞ります。その絞ったタオルで、ブラシでサッサッサッと表面を掃くようにカビを払い落とす。
タオルが当たる面はこまめに変えつつ、適宜タオルを濯いでまた固く絞って払い落とします。
これで落ちれば、それで着られます。またシーズンが終わった時に通常のお手入れに出せばよいでしょう。
カビを予防するには
いくら白カビが落とせるといっても応急処置なので、カビの筋は残ってしまいます。やはり、カビは予防が一番。
とにかくカビが出ないためには、風を通してあげること。
満遍なく着ること、虫干しをすることがよいのですが、なかなかできない場合はたんすから出して畳紙をあけて、畳んだままでよいので扇風機で風をあててあげてください。これだけでもカビは防げます。
一番よくないのはしまいっぱなしにすることなのです。
それがなかなかできない場合は保存剤「そうび」のような防カビ・防湿や、抗菌効果のあるものと一緒に仕舞ったり、「きものキーパー」のような湿気や空気を遮断しカビを死滅させるフィルムの袋などの専用商品に密封してしまうと安心です。
ただ、その場合も、たまには出して虫干ししてあげてください。何十年もしまいっぱなしにしてしまうと、糸の結着力が弱まり裂けてしまうようなことが起きてしまいます。
頻度は低くても構わないのでたまには深呼吸をさせてあげてくださいね。
実際にどんなふうに白カビを退治するのか、なんと着ている着物で実演している女将の動画はこちらです。
【女将流、きものの白カビの落とし方!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
紹介した商品
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マイサイズは自分で研究して自分で決める!
マイサイズのきもののメリット
きものも「マイサイズ」がよいですよ、とよく言われますけれど、きものは多少のサイズの差はなんとか着られてしまうもの。マイサイズにすると何がいいのでしょうか。
1)着やすい自分にあったサイズであれば、着付けも楽ですし、きれいに着られて着崩れもしにくいです。
仕立てるときにも迷いがなくなります。おはしょりの長さを調整しなくていいような寸法というのも一つの目安です。
2)コートや羽織、襦袢がきものに合わない、ということがない
マイサイズはこれです、という寸法がわかっていれば、コートや羽織、襦袢などを仕立てる時もそれに合わせて作れば、寸法がちぐはぐで着たらあわない、ということもなくなります。
毎回サイズを測って作るというのも、その時のコンディションやお店によって差が出てしまったりもするので要注意です。
一箇所におまかせという手もありますが、それよりも、自分の納得できるサイズを知っておいたほうがよいです。
マイサイズってどうやったらわかるの?
呉服屋さんでサイズを測ってもらったらそれがマイサイズ、ということでも実はないのです。呉服屋さん、仕立て屋さんによって測り方も違いますし、それが自分の着心地の好みにあっているかどうかというのは、着てみないとわかりません。
だいたいお誂えをするのにサイズを測ってもらったりすると、初心者だと短かったり足りなかったりしたら嫌だな、という気持ちが自分にも仕立てる側にもあって、少し大きくなりがちです。大は小を兼ねるとは言いますが、やはりちょっとオーバーサイズは着にくかったりするもの。
礼装などはそのまま受け継いだり、ずっと着るものだから少しくらい太っても大丈夫なように大きめに作られたりしているというようなことはあります。でも、実際に着て動くと、自分にピッタリサイズの着物は綺麗に着られるし着崩れないし、なにより楽です。
どうやったらマイサイズがわかるかというと、やはり実際着てみて確かめるのが一番。この着物、着やすいなという1枚があったら、それに合わせて作るのが確実です。
例えば最初から誂えるのはちょっとと思えば、リサイクルで買った着物でもいいですし何枚か着てみて自分の感覚を確かめていくとよいでしょう。プロや詳しい人に聞くのもよいのですが、その方のアドバイスが自分にとっての正解かどうかというのはわかりません。やはり自分で実際に着て、答えを探していくのがよいかと思います。
また、誰かと共有で着たいとか、自分の事情もあるでしょうから、そういうことも含めて「人任せではなく自分で研究してみて、自分で着てみて、自分で決める」のがマイサイズなのです。
押さえておきたいサイズ 「身丈・袖丈・裄」
家にある着物を測ってみましょう
着やすい着物や、ちょっとここが長いとか短いとかわかっている着物のサイズを測ってマイサイズを追求してみましょう。
着物のサイズを測るには、和裁でよく使う竹尺がよいのですが、今はお持ちでない方のほうが多いと思います。できれば巻き取り式などのやわらかいメジャーで測ってください。よくある金属製の硬くて湾曲した「コンベックススルール」を使うと、誤差が出てしまうことが多いので避けたほうがよいです。
着物を平らに置いて、ほどよく押さえて空気を抜いて、正しい寸法が測れるようにします。
最低限知っておきたいのは「身丈・袖丈・裄」です。実際に測るポイントをお伝えします。
身丈
まず、身丈には「肩身丈」と「背身丈」があります。肩身丈は肩から裾までまっすぐ測った寸法、背身丈は背縫いの長さなので衿の分、肩身丈より短くなります。
身丈といったとき、どちらのことか確認されるとよいでしょう。たかはしきもの工房では、肩身丈のことを「身丈」と言っています。
裄
裄は、背中心から、袖の先までの長さです。これも測り方はいろんなやり方がありますが、たかはしでは上の折り目の部分で測ります。そうすると背中心の縫い目より上の部分を測ることになりますが、背中心がのびてきていると思われる部分で測ります。
袖幅と肩幅は、裄の半分が目安ですが、今は腕が長い方も増えていますし、あまり肩幅を大きくとると胸のあたりがぶかぶかしてしまうので、袖幅を気持ち長めにとったほうがすっきりした仕立てになります。このあたりも、ご自分のよい寸法を探してくださいね。
袖丈
袖丈は、腕の付け根の縫い目のとことで測ります。この寸法は、中に合わせる襦袢や、羽織、コートとの兼ね合いになる大切な寸法なので、把握しておいてください。特にリサイクルや譲られたきものなどでは、まちまちになってしまいな寸法ですのでご注意ください。
動画でも、マイサイズや測り方について女将がご紹介していますので、よろしければご覧くださいませ。
【きものの寸法、なんでマイサイズだといいの?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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捨てられない!不要な絹の使い方のご提案
使えないけど捨てられない正絹はこうして使おう
洗い張りはしたけれど不要になった胴裏。黄ばんで使えない半襟、シミのついてしまった帯揚げ、リサイクルショップで買ったけど汚れがあったり着にくくて着用できない着物、リメイクした後の残り切れ‥‥。
捨てればいいことなのですが、正絹だと思うと小さな端切れでも捨てられないということはありませんか?
もちろん黄ばみもプロに頼めば漂白もできますし、なにか素敵な小物を作ったり、活かしたりということができれば一番ですし、布団側にしたり、はたきや雑巾に‥‥などとよく言われます。でも傷みがあったり、面倒だったり、そこまでは手も費用もかけられないということもありますよね。
そういった使い道のない、捨てられない絹の、たかはし女将流の利用法を今回はご紹介いたします。
その1クッションや枕の詰め物にする
何かに使えそうだけど、何にもできずにそのままにしているような絹の生地は、ふわふわくしゃくしゃとまるめて、クッションの中に入れてしまってはいかがでしょう?
胴裏などは長さも生地幅もありますし、結構ボリュームが出ます。いろいろな端切れももちろん使えます。
簡単に胴裏などでざくざくと手縫いでクッションサイズの中袋を作り、中に不要な絹の端切れをふわふわくしゅくしゅにして中につめこめば、オールシルクのクッションが出来上がり。
さらにクッションカバーをお気に入りの着物リメイクなどで作れば、ラグジュアリーな正絹クッションになりますね。
このとき、端切れはそのまま使ってもいいのですが、一度洗って水を通してあげるとよりクリーンにシャキーンとなって気持ちよく使えますよ。水に通してあげると、絹も喜ぶような気がします。
詰め物にするのであれば、多少洗って硬くなっても大丈夫。柔らかくしたければ柔軟剤を入れて洗ってもよいですが、その場合は柔軟剤に漂白剤などが入っている場合もあるので、変色する可能性もあります。詰め物であれば変色も気にしなくていいですから、そこはお好みでなさってください。
水通ししてふわふわっと丸めて作った正絹の詰め物の枕もいいですね。カバーもシルクだと、翌朝髪も柔らかで肌にも優しいラグジュアリーな枕になりますよ。もう着ることのない着物をそのまま畳んで高さを調節して中身に入れるという手もあります。
その2浴用タオルに使う
シルクで体を洗うと、ほどよい摩擦でさっぱりしますし、絹は人の肌に近い成分を持っているので、お肌にも優しいということで、使わなくなった半襟などを浴用タオルにしてはいかがでしょうか。
半襟なら90センチくらいなので、背中も洗えますよ!胴裏などでしたら、1メートルくらいに切ると使いやすい大きさになります。
石鹸などは泡立ちにくいですが、絹の繊維は三角の形状をしており、ほどよく汚れを落としてくれてかつお肌に優しいのです。ぜひ一度お試しください。
【宣伝】ラグジュアリーな枕カバーと浴用タオルのご紹介
さて、不要な絹の使い道として紹介ましたが、実はこの度たかはしきもの工房で、最高級の正絹を使ってこのピローケースと浴用タオルを作ってしまいました!
博多織最古の織元、西村織物さんとのコラボです。織元も素晴らしいし、糸も『エルメス』のシルク製品の原料の90%を占めているというブラタク製糸株式会社のものを使い、品質にこだわり抜きました。杉綾の地厚で本当に素晴らしい生地なんですよ。まさにラクジュアリー!
動画で女将がご紹介しておりますので、よろしければご覧くださいませ。
【捨てられない!不要な絹の使い方!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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和装肌着の黄ばみ・黒ずみにも「オキシ漬け」
肌着の黄ばみ・黒ずみが気になったら?
肌着のお悩みに、黄ばみや黒ずみというものがあると思います。和装肌着は特に白いものが多いですから、どうしても長く使っていたり保存状態によっては黄ばみや黒ずみなどの落ちない汚れが目立ってしまうことがあります。
たかはしきもの工房にも、そういった汚れはどうしたらいいの?というお問い合わせをいただくことがあります。当社の肌着は丈夫で長持ちが身上ですが、やはり長く使ってお洗濯を繰り返しているとスッキリ真っ白というわけにはいかなくなってきます。
汗や皮脂が特につきやすい場所は、変色しやすいと言えます。ブラジャーや肌着の脇の部分や、襟の部分、背中。楊柳は全体的にうっすらと黒ずみが出る時もあります。いくら綺麗に洗っていても、どうしても出てしまうもの。
また今はさまざまな洗剤や柔軟剤、防虫剤などがありますから、もしかするとお使いのものの成分の相性や反応などによっても、化学変化で変色がおきてくる可能性もあります。一概に「これが原因です」と言い切れないこともあるのです。黄ばみをふせぐということは本当に難しいです。
そんなときはメーカーとしてはお買い替えを、と申し上げたいところですが(笑)、今回は女将が最近ハマっている肌着を綺麗に白く洗い上げる方法をご紹介いたします。
煮洗いをしてみたり、酸素系、塩素系、酵素系……さまざまな漂白剤に漬け込んでみたり、石鹸や洗剤を試してみたり‥‥
日常のお手入れは、「ウタマロ石鹸(蛍光増白剤入り)」をつけて、「たびすけ」で擦る、というのがよく汚れが落ちるので、洗濯機に入れる前に、ささっと汚れがひどいところだけケアしています。「たびすけ」は生地をいためずに汚れをかき出せるので、足袋はもちろん、肌着やお洋服にもお使いいただけます。
でも、どうしても汚れは積もり積もるもの。そして黄ばみ・黒ずみはなかなか頑固。決定版を見つけられないでいましたが、とうとう「これは!」というものに出会いました。
ご存知の方、もう使っていらっしゃる方も多いかと思いますが
「オキシクリーン」
という洗剤です。
これは酸素系漂白剤で、過酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムでできています。
こちらは洗濯用に限らず、家のクリーニング全般に使えます。つけ置きしてキレイにする「オキシ漬け」でお使いになっている方も多いのでは。
肌着の漂白に使う場合は、40〜60度のお湯に適量のオキシクリーンを溶かしてつけおきます。(量については、お使いのオキシクリーンのパッケージの用法をみて確認してください)
黒ずみが特に気になる部分には、原末を少量スポンジやブラシにつけて揉み込んでください。揉み込んでいるうちに、自然に白くなってきます。
適宜つけ置いたら、すすいで、もしくはそのまま洗濯すればOKです。
自然な白さに仕上がりますよ!
普段のお洗濯に、洗剤と一緒に入れるプラスワンの使い方もできますが、しっかり漂白したいときはお湯につける方法がおすすめです。40〜60度のお湯につけることによって過酸化ナトリウムから活性酸素が発生してぶくぶくと発泡します。その発泡が長く続くのが、その温度です。
オキシクリーンにもいろいろな商品があって、界面活性剤入りのもの、香りつきのものなどがありますが、女将が使っているのは過酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムのみの一番シンプルなタイプ。たかはしきもの工房のある気仙沼は、海辺の町です。少しでも海や自然に優しいものを使いたい、ということを心がけています。
そんな女将も太鼓判のオキシクリーン。黄ばみ黒ずみが気になる肌着にもぜひ試してみてくださいね!
YouTube動画でも、ご紹介しています。
【オキシクリーンで!肌着の黒ずみ・黄ばみ落とし!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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紹介した商品
たびすけ
¥638(税込)
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夏におすすめ!3つのお役立ちアイデア&アイテム
夏は暑い、と覚悟を決めるのも大事
蒸し暑い日が増えてきましたね。これから夏に向かってどんどん暑くなっていきますが、夏着物を着こなすために有効な小技をご紹介いたします。
夏着物は、暑いし汗もかくし、透けるし、着るのには結構ハードルが高いと思いませんか? 10年ほど前までは「着物=正絹」という感じでしたから、汗をつけたくないとかいろいろ思うと着るのがおっくうでした。最近は、綿麻や新素材など洗えるものも増えていますので、気軽にトライできるようにはなっていると思いますが、やはり少しでも涼しく楽に夏を乗り切りたいと誰もが思っていると思います。
でもまずですね、暑いし汗をかくからイヤだとか思っている時点で夏着物がイヤになってしませんか?
実はこの思考パターンを変えるだけで、汗が相当減るような気がします。
「夏は暑いんだ」と覚悟を決める。汗をかいてもいいように、準備をして着る。それで随分と変わります。夏はもう、何を着ていても暑いわけですから「これを着れば涼しい」なんていうものはほぼ存在しないわけです。気の持ちようでコントロールするのも、実はひとつの夏を乗り切るアイデアと言えるのではないでしょうか?
凹凸のある素材は涼しい
平織りの素材は、汗をかくと肌に張り付くこともあり、暑いと感じる方も多いのではないでしょうか。実は、満点スリップの上半身の素材が速乾性のあるポリエステルなのも、女将が木綿の平織り素材を暑いと感じたから。体感の差はあるとは思いますが、しじら織やワッフルなどぽこぽこした素材で肌に触れる面積が狭いため、涼しく感じます。
そこで、単衣や夏着物につける居敷当ての素材もダイレクトワッフルにしてみたところ、さわやかでいいかんじになりました。
そこで「薄地で涼やか、汗による張り付きも軽減。綿ワッフル織りの居敷当て(いしきあて)」として販売を始めたところ、少しずつ売れ始めています。この居敷当ては、収縮率が縦横1%未満でほぼ変化がないところも特徴です。毛羽立ちにくい構造で、二次収縮も起こしにくいです。天然繊維はどうしても伸縮が大きいものが多いので、単衣や浴衣なども自分で洗おうと思っても、居敷当てとの伸縮率の差でつれてしまったり、難しいケースもあります。その点とても安心して使っていただけますし、絹に比べて安価なのも嬉しいところです。お着物好きな方には一度お試しいただきたいアイテムです。
夏におすすめ!技ありえもん抜き
夏は、ちょっとえもんが首につかず、ゆったりと抜けることで涼しさが感じられます。これもお好みですが、冬よりも気持ちえもんを抜くことで快適になります。
でも、うまくえもんが抜けないのよね。えもん抜きをつけると、背中で透けて見えてしまうし‥‥という方のために、新商品の「技ありえもん抜き」をご紹介します。
たかはし式えもん抜きとは違い、襦袢の背中に直接縫いつけるタイプになります。
縫いつける場所は、えもんを抜いた状態で、ウエストの一番細いところから3〜4センチ上になります。まず仮止めして、自分にちょうどいい場所を探してください。
そして、使い方は襦袢を羽織ったらひもを身八つ口から通して、下に引き下げます。えもんが程よく抜けたら、衣紋抜きを下に引き下げながら前で結びます。このとき「下にさがるんだよ〜」と心の底から呪文をかけるとよいそうです!
紐を結んでしまえば、えもんは固定されますので、前で襦袢の衿を胸を包むように会わせればオッケーです。
この詳しいやり方は商品ページもしくは動画でもチェックしてくださいね。
【夏きものでも透けないえもん抜き!たかはし新商品「技ありえもん抜き」紹介&縫い付け方&使い方!】
以上夏を少しでも涼しく過ごすための心構えとアイテムのご紹介でした。
女将による3つの小技のご説明はこちらです!
たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
【夏におすすめ!3つの小ワザ紹介】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
いかがでしたでしょうか?
知恵と工夫で、蒸し暑い梅雨も、夏本番も、着物を楽しみましょう。
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
紹介した商品
綿ワッフルの…

短い袋帯を、切らない縫わない「半つくり帯」で簡単に結ぶ方法
クリップとふっくんを使ってお太鼓をつくる
二重太鼓にしたいけど、ちょっと短いなという帯をお持ちではありませんか?
新しいものは長尺のものが多い袋帯ですが、古いものや譲られたものなどはちょっと短いなという場合もあります。
そんなときは作り帯にしてしまうという解決方法もありますが、帯を切りたくないな、とか、切らなくても作り帯の形にしてしまうことで収納が場所をとるな、とか思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回は、女将とっておきの技、短い帯でもちゃんと結べるクリップで毎回形を作って使う、切らない縫わない「半つくり帯」のご紹介です。
用意するものは袋帯、帯枕、帯揚げ、帯締め、クリップなど通常帯結びに使うものの他に
クリップ(中2個、小2個)
ふっくん(仮紐でも可)
30センチくらい測れる定規
以上です。
これで、あらかじめお太鼓部分を作ってしまおうというものです。
では早速やってみましょう!
1)お太鼓の大きさを決めて帯枕を置く
手のほうは胴にまく部分まであらかじめ二つ折りにしておきます。たれ先から、たれの分(8センチくらい)とお太鼓の大きさ(だいたい30センチ)を測り、たれ先から約38センチのところに帯枕を置きます。
2)折り返して、二重太鼓の部分を作る
帯枕の上に、たれ先くらいまで帯を折り返して二重太鼓の部分を作る。このとき、短い帯の場合は、お太鼓の大きさ+3センチくらいで折り返す。
3)帯枕の下をクリップで止める
帯枕の下の部分を、折り返した帯が4枚重なるように揃えて2カ所クリップで止める。歪まないよう布目を整えるのがポイント。
4)お太鼓部分にふっくんを通して折り返してクリップでとめる
お太鼓を作った二重部分の下の輪にふっくんを通し、お太鼓の大きさに折り返す。余裕があれば手先で抑えられるが、折り返しが短いと手先でとまらないので、折り返し部分を左右2カ所クリップで止めてしまう。
5)帯を結び、お太鼓を背負う
通常通りに帯を胴に巻いていき(自分のやり方でOK)、最後に形作ってあるお太鼓を背負う。
6)帯枕の紐を結び、上のクリップをとる
帯枕の紐を結び、上のクリップをとる。帯揚げはあらかじめ帯枕にかけておいてもいいし、ここで通してもOK。帯揚げを結ぶ(仮結びにしてあとでキレイに仕上げてもOK)。
7)ふっくんを前にまわして止めて、帯の中に隠す
お太鼓の下に通したふっくん(仮紐)を前に回して止めて、帯の中に押し込んで隠してしまう。ふっくんが止まっていることで、お太鼓の形がキープできる。
8)手先をお太鼓の中に通し、帯締めを結んで仕上げる。
手先をお太鼓の中に通して、帯締めをその上に通して結ぶ。下の小さいクリップをとって、完成です!!
普通に結んだのと仕上がりは変わりませんし、脱いだら元通りになりますので収納も従来通りにできます。
毎回クリップで止めるのがちょっと手間かもしれませんが、慣れると早いものです。
柄出しもラクラク。二重太鼓が苦手な場合も使える技です
今回は短い帯が結べるということでご紹介しましたが、例えば柄出しをこだわってしたい、などのときにも使える技ですのでぜひご活用ください。その場合帯の長さが十分にあり、お太鼓の折り返し部分が十分な長さがあれば、ふっくんを使わなくてもよいので、臨機応変にどうぞ。
二重太鼓がずれちゃってうまくいかない、なんて方も最初にお太鼓を作ってしまって背負うだけなので、試してみるとキレイに結べちゃいますよ!
写真と説明だけではいまいちわからないかも‥‥というあなたはぜひ、女将の実演動画をご覧ください。高速帯結びも見られます。
【帯が短い方必見!】二重太鼓を半つくり帯で簡単に結ぶ!たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
いかがでしたでしょうか?
ふっくんがない、という方は短くて細い仮紐でも代用できますが、ふっくんのよいところはゴムでできているというところ。キレイに帯の中に隠れてくれるんですよ。通常は前結び用帯板「とるる」とセットで使う仮紐なんですが、こんな使い方もできるのです。アイデア次第でいろいろ使える縁の下の力持ちです。
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
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結ばない仮ひも…