今年こそマスター!衿汚れ簡単お手入れ術
自己責任。でもできたら超便利!
あけましておめでとうございます。
本年も、女将のお役立ち動画ブログをよろしくお願いいたします。
さて新年最初の動画紹介は「衿汚れ簡単お手入れ術」。
半衿ではなく、着物の衿汚れのお話です。
広襟の折れているところ、ちょうど顔の下あたりの部分は、着物を何回か着るとうっすらと汚れの筋がつきます。
手でよくさわるところですから皮脂であったり、あとはうつむいたりしたときにファンデーションがついてしまったりも。
そう、汚れの正体は油です。
放っておくと、油が酸化して汚れが強くなり変色を引き起こしたりもしますので、すぐお手入れに出してもいいのですが、ここを自分でお手入れができると丸洗いは袖や裾など全体が汚れてきてから出すのでオッケー。
毎日、日常着物の女将は、30回くらい着てから丸洗いだそうです。
なので、よく汚れる部分(衿や袖など)は自分でお手入れしてしまいます。
輪染みになってしまったのは2回だけ
正絹の着物は自分でお手入れするのは怖いと思われる方も多いと思いますが、今まで、女将が数えきれないほど自分で手入れをしてきた中で輪染みになってしまったのは2回だけ。
ゼロではないけれど、かなり低くないですか?
だいたい起こる失敗は、揮発剤で汚れの部分を濡らして、まわりをぼかさなかったために輪染みになってしまうということです。
あとは、ホコリ汚れが強かったために、まわりをぼかしきれないとか、素材、加工などによってどうしても輪染みになってしまうという避けきれない事態(ほとんどない)です。
お手入れのポイントは2つ
・揮発剤をたっぷりつかう。だらららっとガーゼからたれるくらい!ザバッと!
・汚れのまわりをしっかりとぼかす
自己責任とはなりますが、きちんとポイントと手順を守れば失敗はかなりの低確率になると思えば、衿汚れが自分でお手入れできるメリットはとても大きいはず。
きちんと仕組みや、やりかたを理解してチャレンジしてほしいと思います。
まずは面倒でも理屈を理解し、失敗するリスクを減らし、するため、動画をご覧ください。
いざ、えり汚れ落としにチャレンジ!
準備するもの
・リグロイン
・茶碗(揮発剤を入れる器)
・ガーゼ(ハンカチ程度の大きさ)
・真っ白なタオル
・お手入れする着物
・度胸(笑)
汚れ落としに使うリグロインは、ベンジンなどと同じ揮発剤です。
特徴は、ゆっくり揮発するという点。
なので、輪染みになりにくいし、失敗もしにくいです。
逆にいうと、汚れ落としという点では弱いですが、素人が扱いやすい薬剤です。
薬局やAmazonなどでお取り寄せが可能です。
ベンジンもよく使われますが、汚れ落ちがよい分揮発が早いので素人はリグロンのほうが扱いやすく安心です。
茶碗は、揮発剤をいれて使います。
余ったら溶剤を戻すので、片口みたいな形のものが便利です。
ガーゼは溶剤をしみ込ませて汚れを拭くものです。
あんまり大きいとたくさん溶剤を使うのでほどほどで。
絹の端切れは滑りやすいのでガーゼが使いやすいです。
その他にも、そで汚れにはささら(馬の毛のブラシ)などを使うこともありますが、衿汚れはガーゼがおすすめです。
やり方
※引火性の薬剤を使うので、火気厳禁。部屋の換気をしっかりしましょう。
1)衿の汚れの部分をタオルの上にのせて、ピンと張る。
2)器にリグロインを入れ、ガーゼを浸して「だららら」とたれるくらいにリグロインをつける
3)汚れ部分にガーゼをたたくように、リグロインをザバっとしっかり染み込ませて、タオルに汚れを移し、ガーゼで着物をこすり、外側に向かってリグロインをぼかすようにひろげる。
4)パタパタ動かして薬剤を飛ばす。その後完全に乾かす(半日くらい自然乾燥させる)
いかがでしょうか?
えっ、それだけ?
と思われる方も多いと思います。
慣れてしまえば日常のアイロンかけや、お洗濯のときのちょっとしたお手入れなどと同じ感覚でできてしまいます。
動画では袖口の汚れの落とし方もご紹介していますが、ちょっと難しいのでまずは衿汚れからトライしてみてはいかがでしょうか。
慣れて来たら…
こちらの短い動画(3分14秒)では手順だけを紹介していますので、こちらを見返すだけでもいいでしょう。
さいごに
正絹の着物はプロにまかせて、とよく言われますよね。
衿を自分でお手入れするというと怖いなあと思う方も多いと思います。
うまくいかないリスクもあるからです。
でも、自分でできたらお手入れに出す手間もお金も節約できてメリットがとても大きいです。
自己責任にはなりますが、なんでもそうですよね。
やってみようと思われたら、動画をしっかり見てぜひチャレンジしてみてください。
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。
ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
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