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その腰ひも、緩すぎませんか? 腰ひもは着付けのキモ!

体は全部滑り台 全国を回って、着物の女性を脱がせては着せ、脱がせては着せしている肌着のスペシャリスト、たかはしきもの工房の女将が最近気になるのは、腰ひもを緩く結んでいる人が多いということ。 腰ひもは、着付けのキモ。これが緩いと下半身が着崩れてしまいます。裾が広がってしまったり、お尻の生地がたるんたるんになってしまったり。 太さや素材もいろいろある腰ひもですが、正しい位置にきちっと絞めることが着付けが決まる大きなポイントになります。 ウエストがあまりなく寸胴だった昔と違って、今はウエストがくびれている体型の人がほとんど。くびれや凹凸の途中に紐を当てると、細い方にむかって紐が滑っていってしまいます。 これが女将がよくいう「体は全部滑り台」。 なので、紐はくびれの一番細いところに当てるのがポイントです。そうすると、滑って行かずに動きません。 昔は腰骨のところにあててとよく言われましたが、そこに当てると今の体型では上にずるっと紐が逃げてしまいます。なので、ウエストの位置に腰ひもをあてましょう。 補整をするとより腰ひもが安定しやすくなりますし、きゅっと引き締めても体が苦しくありません。 腰ひもの締め方のコツ 腰ひもはよく後ろで交差させたらぎゅっと絞めてと言われますが、実は体の前側でぴたっと体を押さえるようにひっぱりながらぐっとあてると、後ろで絞めなくても体にしっかりとフィットします。 この、前にあたっている部分が緩いと、後から引いて絞めることは難しいです。 帯も一巻き目をきちっと絞めることが大事なように、最初に紐を当てる時、きちっとあてることを心がけてください。 これはすずろ腰ひもや、ゴムベルトでも同じこと。 最近はゴムの腰ひもを楽だし結び目もないし‥‥ということで使われている方が多い印象ですが、ゆるくとめるだけで使っていらっしゃらないでしょうか? ゴムをあてているだけだと、とても着崩れしやすいです。 なのでゴムでもきちっと体にあててテンションをキープすることが大事です。 体の前でゴムをあてるとき、しっかりひっぱってから体にあてます。後ろではひっぱりにくいですし、ひっぱる必要もありません。それでゴム紐の長さを調節して止めるとしっかりと止まります。 引き締め具合については、ウエストの位置でする分には苦しくはありません。でも中には苦手な人もいると思いますので、そういう場合は自分が締めても苦しくない位置、ずれない位置を探してみてください。 たかはしがおすすめしているのは細い腰ひもです。 理由は (1)細い方が体を締め付ける面積が減る (2)幅広の腰ひもは幅の分、身丈がとられる ということです。逆にいうと、身丈があまっている着物は幅広の腰ひもを使うといいということになりますが、腰紐の位置をウエストにすると、腰骨のところで結ぶよりも身丈がいりますから、細いもののほうがよい場合が多いです。 たかはしきもの工房の腰ひもは、昔おばあちゃんが手作りしていた細い腰ひもをヒントに作った木綿のもの。体にピタッとあたり、しっかりと締まります。 胸ひもは絞めつけないで 逆に胸ひもは腰ひもと違って締め付けると、息苦しい、吐きそうになるということもあります。鳩尾(みぞおち)の位置を絞められるのは苦しいもの。 自分では加減もできますが、着付けをしてもらうときにも苦しかったら伝えましょう。 胸ひもは幅の広いもので、絞めないで、布の面積の摩擦で止めていくようにします。ぐしゃっとしないで広げた状態であてていくと、そんなに締め付けなくても摩擦の力で、胸元が崩れない役割を果たしてくれます。 伊達締めも同様で、体に巻いたら、鳩尾あたりを少し下に引き下げておくだででも苦しさが違います。 しんどいのが嫌だからゆるゆる、着崩れが嫌だからぎゅうぎゅう、というひもの絞め方を見直してみてください。 なんでも強く締めれば良いとかゆるめでよいということでなく、要所要所で必要な強さでひもを絞めるように心がけていただけると、ぐっと着付けが上達しますよ。 女将のアクションつきで、動画でぜひ腰ひもの引き締め具合を確認してください! 【着付けひものキモ!その腰ひも、緩すぎない?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
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令和4年12月

今年の東京キモノショーのステージイベントで「みんなのアイディアをステージに」という肌着サミットを行いました。その際に集めたアンケートで、下履き問題があり、それは…
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「L字の法則」で着崩れ知らず、体を支えてくれる着付けに

「L字の法則」ってなに? 着つけた直後はいいんだけれど、すぐに着崩れちゃう……。 そんな方は、L字になっていないのかも! 肌着もきものも、気持ちよく体に馴染み、しっかり包み込むから着崩れも防げる、それが女将の言う【L字の法則】です。 さて一体なにがLかといいますと…… 「布(きれ)をまっすぐ動かす。垂直、水平に動かす=L」 ということです。わかりますでしょうか……女将の感性が! 布の力、糸の力は、この「まっすぐ動かす」ということで力が発揮されるのです。またそうすることで「布の面」の力が活きてくるのです。 女将が子供の頃日舞をやっていて、松竹の衣装さんの衣装を着付けてもらって驚いたのは、一番綺麗に見える膝を折ったポーズで着付けていくのですが、胸から膝までがパン!と布が張った着付けにプロテクトされているようだったそうです。美しい姿勢がキープされて、動いても着崩れない驚きの着付けでした。 それでいて苦しいかというと、苦しくはなく、むしろよい姿勢なので気持ちがいいのです。そのときの手技は忘れられず、着物を着る時には常に意識しているとか。 たかはしきもの工房の商品「ガードル裾よけ」や「腰すっきりパッドスキニー」ではこの「面」で押さえるという効果を活かしています。 肌着を作って全国の女性たちに着てもらっているうちに気がついたのが、ほとんどの人が「肌着を適当に着ている」ということでした。 せっかく着るのであれば、肌着の布の面の力を使って、体にぴったりと添わせて当てていったほうが、体も支えられるし、余分なシワも入らず、着崩れもしません。 具体的にどんなふうにするのかという説明をしていきますね。 「L字の法則」肌着編 まずしっかり真横にひいて、水平に胸を包むように肌着を着ていきます。 紐を再度真横にひいて、さらに体に密着させていきます。中でぐずぐずしたり、布がたまるということをなくすのがポイントです。 写真では満点スリップを使っていますが、これはお手持ちの肌着でもこの着方を意識していただくだけでも変わると思います。 そして最後に、さらに布を真下に引くことで、ぴたーっと布が体に沿うのです。 この真横、垂直の動きが「L字」ということです。 これは布を斜めに動かしてしまうと、同じ効果は得られないのです。 「L字の法則」着物編 次は着物の着方で解説していきます。 ざっくりいいますと、着物の上半身は垂直の力、下半身は水平の力を使って、面で体を支えていきます。 まず、裾あわせは布を真横に引いてお尻に密着させ、下前も上前も斜めに持ち上げないで、床をはくように水平に動かして体に巻きつけます。 巻きつけた最後に手首を返して持ち上げて、裾つぼまりにするのです。最初から斜めに持ち上げていくと、裾線もどんどん上にあがってしまうし、体を布で支えることもできません。 裾がまっすぐ水平に動かせるかどうかが、ヨコ糸の力が使えるかどうかなのです。 こうすることで、きっちりと体が布に支えてもらうことができます。お尻もお腹もきゅっと支えられます。 動き出すとゆるみますから、この段階では怖がらずに締めてもらって大丈夫です。 上半身は、水平に引くというわけではありませんが、布目のタテ糸の力を使って下にしっかりと引くことで、浮きが抑えられて綺麗に着られます。 このように、布のタテ糸、ヨコ糸の方向や、面の力を意識するのが「L字の法則」なのです。着付けのときに、一度意識をしてみてください。 この辺りのお話を長嶋茂雄(古)ばりの感性と擬音で女将が説明している動画もぜひご覧ください! 【肌着・きものの綺麗な着姿を持続させる、L字の法則!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」 更新情報はInstagramで発信していく予定です。 Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…