帯揚げ・帯締め、簡単&キレイな結び方
日常できものを楽しむなら、着付けをいかに「早く・楽に・キレイに!」するのかは、重要なポイント。
中でも、帯揚げや帯締めは、きもの全体に対して占める面積は小さいですが、キレイにできているのかどうかで印象が違ってくる部分でもあります。
帯揚げと帯締めの結び方について、動画や本など世の中にたくさん紹介されていますので、ご自分に合った方法を選んでください。
ほぼ毎日きものを着る女将だからこそ、いかに早く・楽に・キレイに!を目指した、便利で簡単な結び方をお伝えしていきます。
意外と目につく部分はすっきり結びたい帯揚げ
帯揚げで女将が意識している点は、生地の厚みも含めて良いものを選ぶことです。帯揚げが見える面積は小さいですが、ペラペラの生地では格好がつきませんし、結び目もふんわりしません。
結び目をふんわりする片輪結び(ちょうちょ結びの羽が片方だけの状態)の結び方からお伝えしていきます。
1)スタンダード編
帯揚げを帯枕にかける時、帯揚げの五分の二から三分の一ぐらいに折って、かけています。
帯揚げの上の部分は帯枕にかけているので、折られている状態になります。
帯揚げの体の脇の部分が人の目に付くので、キレイに整えるように気をつけましょう。
帯枕に帯揚げをしっかりとかけるために、帯揚げを前に引きながら下の部分を引くと、帯枕に帯揚げの下の部分が入っていきます。
帯揚げの結び目を片輪結びにする時は、帯揚げの長さを調節して、左側を短めに持ちます。
帯揚げを前に持っている状態で、帯揚げを平らに整えます。
帯揚げはきつく締める必要はなく、飾りとして締めるものですが、帯揚げの生地がブカブカしていると、体の脇の部分に生地がたまることになるので、キュッと前に引いてキレイにすっきり入るようにします。
最初に三分の一に折っていた分を平らに持ち、帯揚げの下側の三分の一を折って平らにします。
三分の一に折ったものを、山になるように半分に折り、山に沿って指をスーッと後ろに持っていきながら、帯揚げを整えます。
反対側も同じように、最初の三分の一を折って整えていきますが、左側を持っているのが大変だと感じる場合には、帯揚げを帯に一旦、挟んでおきます。
帯揚げを前に引き、山が上の状態できものと同じように左側の帯揚げが上になるように重ね、体の中央でひと結びします。帯揚げはきつく結ばず、体にあたる程度で構いません。
さらに、下にある左側の帯揚げだけを下にグッと引き下げると、結び目の上方が平らに整います。
上にきている帯揚げの下に右手を真横に入れ、輪を作ります。
輪の中に左手の指一本を入れながら、右手の指先で垂れている帯揚げを輪の中にゆっくり引き込みます。
結び目はギュッと結ばずに、ふんわりとしたままでOKです。
真ん中を持ち上げて、帯揚げをまっすぐ下に帯の中に入れ込みます。
仕上げに帯をしごいて帯揚げをキレイに整えたら完成です。
この結び方よりもさらに簡単な方法があります。
2)よりズボラ編
左右の帯揚げをキレイに整えるところまではスタンダード編と同じです。
左右を同じ長さで持ち、輪を上にして左の帯揚げを上にかぶせて、ひと結びします。
垂れている帯揚げを内側に丸めたら、帯の中に入れ込むだけです。
帯の中に携帯などを出し入れしない場合には、早く締められて、とても簡単です。
また、他の結び方でよく聞くのは次のようなやり方です。
3)その他①編
帯揚げをひと結びした後、下側の帯揚げを結び目のところでねじって、帯の中に入れ込みます。
上側の帯揚げを結び目にクリッとひと巻きしてから、帯の中に入れ込みます。
さらに、帯揚げをひと結びせず、ただ挟む方法もあります。
4)その他②編
左右の帯揚げをキレイに整えるところまではスタンダード編と同じで、左右を同じ長さで持つように調節します。
右側の帯揚げを前に持っていき、体の中央よりちょっと長いくらいで帯揚げを折ります。
帯揚げが長く、折りたたんだ部分が体の脇まで来るような場合には、さらに折って胸下あたりに厚みを持たせるように調節します。
半分に山にして折り、帯を引きながら帯揚げにそって、手をすべらせて帯の中に入れ込みます。
反対側も同じようにして整えて、最初に入れた帯揚げの上にかぶせるように入れたら、帯揚げを引いたまま帯をしごいて整えます。
この結び方で締めると、はんなりした色っぽい感じになります。重なり部分が少し見えても素敵ですし、山がふたつあるのも素敵ですね。
結び目をどんな風に結ぶのかについては、自分がどう見せたいかを考えて帯揚げを締めていくと良いと思います。
帯揚げの結び方のポイントは、
- 前に引くこと
- 平らにしておいて、山に指を入れて通す
を意識して締めると、簡単にキレイにできます。
次に、帯締めの締め方をお伝えしていきます。
背中で帯締めを感じられるくらいしっかり締める
1)スタンダード編(本結び)
前で結ぶ前に、帯締めが背中に感じられるくらいしっかりと前に引きます。
引いた状態で、右側を下に左側を上に重ねて、重なった部分を離さない状態で、左側を下から通してひと結びします。
左右の帯締めをそれぞれ下から握り、小指同士を近づけ前に引きながら締めるを、何度か繰り返してしっかりと締めます。
この時、帯締めがヨレないように平らになっていることを確認します。
左手の帯締めを下から上にクリンと回して輪を作り、帯締めと重なった平らな部分を指先で押さえます。
左側の縦になる結び目の部分が帯締めの裏側が見える状態で、輪の中に右側の帯締めを通します。
指先で押さえたまま、帯締めをキュッと引いていくと、本結びとなります。
帯締めの端を体の脇に引いてきて、手の中に房が入ったら、体側の帯締めを人差し指で浮かせて、帯締めを入れ込みます。
房のギリギリの箇所でS字を作るのが女将好みですが、お好みに応じていろいろあって良いと思います。
たとえば、房の向きを両方同じでも良いですし、片方を上げて片方を下ろすのも良いです。
ただ、お悔やみの場合には、房は両方とも下げるのが一般的です。
さらにわかりやすく、この本結びを結ぶ時の目線でお伝えします。
2)スタンダード編(女将目線)
両方の帯締めの長さを調節したら、左側が上、右側が下になるように重ねます。
重ねた部分を押さえながら前に引き、左側を下から上に通して、ひと結びします。
左右の帯締めを下から持って、前に引きながらしっかりと締めていきます。
その時、帯締めがヨレないように帯締めの表側が出るように注意して締めます。
練習する時は、表裏色が異なる帯締めを使用するとわかりやすいです。
左手を返すようにして左側に輪を作り、左側の帯締めが重なる部分を指先で押さえながら、輪の中に右側の帯締めを通します。
そのままゆっくり引いてくると帯締めが平らになります。できた結び目を確認し、縦になっている結び目だけが裏側が出ている状態です。もし違っていたらどこかで手順が違っているので、やり直してみましょう。
あとは帯締めを体の脇で挟み込んで完成です。
本結びだと左右の帯締めが下に向かっている状態になりますが、左右の帯締めを上向きにする寿結びというやり方もありますので、ご紹介します。
3)寿結び編
帯締めを結ぶ前までは、スタンダード編と同じです。
左側の帯締めを上にかぶせたら、上から下に通してひと結びします。
本結びと同様に、前に引きながら締めて、しっかりと締めます。
左側の帯締めを指先で押さえて、下から上に返すようにして輪を作ります。
輪に右側の帯締めを通して、しっかりと引きます。
左右の帯締めが上方にいくので、少し印象が違って見えます。
帯揚げや帯締めの締め方はいろんな方法があります。自分にとって楽で簡単でキレイな方法を、見つけてください。
実際の手の動きや帯揚げ・帯締めの状態など、簡単キレイにできる締め方についての動画はこちらをご覧ください。
【直ぐできて、直ぐキレイ!女将的!帯揚げ・帯締めの締め方ポイント!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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