平成24年8月

きものよきもの

夏着物を制覇したい!
これは着物にハマリ始めた方は皆さん願うことですよね。私も着始めはそうでした。

特に麻着物と明石、これはその象徴でしたから着ている今、まとった時の華やぐ気持ちは今でも変わらずあります。
ところで、夏着物のネックは当然ながら『暑さ』です。
セットで汗が付いてきますし、億劫になるのも当然ですよね。

でも、着てみたい…

という方のために私なりの夏着物克服術をお話いたします。

まずはハードルの低い綿やサマーウールから挑戦してみてください。
つまり浴衣ですが、この時大事なのは出来ればうそつき衿を使用、半巾ではない帯を締めてみることです。
完全に着物テイストにしてみてください。

次に挑戦するのは麻着物です。
私が夏に一番多く着るのが麻なのですが、なんと言っても涼しいです。

とても暑い日には浴衣寄りの着方(襦袢の袖を付けず半巾帯を使用)をすれば、かなり気軽に楽しめます。
汗はかきますが自分で洗えます。ここが麻の最大の魅力です。

だって植物の繊維なのですから全然平気!怖がらないで洗ってください。
注意するべきはお仕立てする前に水通しをしてもらうこと、ですね。
始めのうちは縮みますので忘れずに行なってください。
また洗濯機を使用するときには必ずネットに入れること、干す時にはきちんと伸ばして干すことです。

半乾きの状態で畳み、寝押しをするのがベストだと産地では言います。
それは小千谷などに見られるシボシボの楊柳は熱処理で付いているのでアイロンをかけると取れてしまうからだそうです。
私は洗濯機から出すとすぐにざっとアイロンを掛け、大きなシワを取ってから干すので、それを産地の方に話したらびっくりされました。
確かに幾分シボは伸びますが、私は膨らんで見えずにそれはそれで好きです。
とにかく麻は扱いやすいですから、是非挑戦してみてください。
おしゃれ度高いですし、ものすごく褒められ良い気分間違いありません!笑 
最近は小千谷の産地などがとても元気で嬉しい限りです。

最後に王道の『絹』着物ですが、これは汗が大敵です。
ここで確認しておきますが、着物の汗ジミは丸洗いでは落ちません。

丸洗いは油汚れには有効ですが水分汚れには効果がないのです。
汗抜き処理をすれば汗は抜けますが、輪ジミになったものはこれでも落ちません。
どうするかと言えば、職人が技を使って手をかけるしかないのです。
ですから汗ジミのメンテナンスにはお金がかかるのです。

で、私はどうするかというと満点を使うのです。
エアレットの満点スリップは正直暑いです。はっきり言います、暑いです。でも、着物を汗から守るとなれば私はそちらを選ぶのです。

夏着物、とくに絹素材を着る時には『着物を守りたいか』もしくは『少しでも快適』を選ぶか、ご自分の気持ちを決めてください。
それから肌着を決めることが大切です。

そして絶対大事なのが、『着物を着用する時にはキンキンに冷えたお部屋で!』これは鉄則です。
涼しげに着られれば、意外かもしれませんがずっとなんとか涼しげでいられる気がします。
暑い部屋で着始めると、着なれた私でも着物を断念することがあります。これは必ずそうしてください。

最後に、夏着物は思ったほど暑くないと言っておきます。
日差しから肌を守ってくれるからでしょうか、えりあしと身八つから入る風に清々しさを覚えるほどですよ。
是非挑戦してみてください。