令和3年11月

急に寒さが来ましたね。
暑さもそうですが、季節の変わり目の時はことさら体にこたえます。その点、きものは寒さに強いですよ~。大きな面積で体を包んでくれますから、寒がりさんには絶対オススメのアイテムです。とはいえ、空調が良くなった現代では、寒さ対策も汗につながります。とにかく暖かいようにとお洋服と同じように厚手のインナーシャツなどを不用意に着こんでしまうと、室内に入った時に大汗をかくことになりかねません。
 
私がものづくりに入ったきっかけである満点スリップを作ろうと決めた理由に「冬の汗ジミ」があります。
気仙沼は田舎なので、ファッションとしてきものを着てお出かけするなんてことは当時皆無でしたが、その分結婚式や葬儀などのしきたりきものはそこそこ着ていました。冬の汗ジミが気になりだしたのはスリップドレスが出始めたあたりでしょうか。今ほど肩をあらわに出してはいませんでしたが、式場での衣装が冬でも薄くなってきたころに、きっと空調も変わったと思います。
袷のきものでご挨拶に歩けば、たちまち汗がじんわりにじんできたものです。それは今も変わらず、むしろ空調はよくなりすぎているとさえ感じます。
そこでお勧めなのは「着こまずに、追加していく防寒グッズ」。
 
まずは室内でも汗をかかずにすむくらいはきものの中に着込みましょう。
インナーシャツやレギンス、ステテコ、補整の素材を温かいものにするなんてこともありですね。そのうえで、三か所の「首」手首、足首、首筋をどのように温めるかを考えてみてください。たかはしきもの工房の「足袋ハイソックス」「足袋下ハイソックス」、ロング手袋「マフマフ」はその観点で作りました。

そして、とても寒く感じるえもんからの風には、もうひとつお勧めのアイテムが。それはスカーフです。薄い、畳めば小さくなるスカーフは、とりあえずバッグに忍ばせておくととても便利です。寒いと思っていなかった時でも急に寒くなったりするのがこの季節の夕暮れですが、そんな時さっと首筋に巻いただけで羽織一枚分くらい温かいのです。膝がけやナプキン代わりにもなりますし、急な雨も肩先にかけるだけでしのげます。きものの時は是非スカーフをお忘れなく。
決め手は「暑くなったら、すぐにはずせる」ってことです。
  
実は先日、「pechico ペチコ」という温かいニット素材の裾よけを発売しました。なになに、裾よけなら外せないじゃない、と思ったあなた、大丈夫です!ウエストゴムなので、引っ張り下ろせますから。(笑)いろいろな使い方が出来るペチコ、お勧めです。