「きものでお出かけ、どこに行く?」と思ったら【きもの初心者必見】
「きもの着たってさ、行くとこ無いっちゃ。(訳:着物を着ても、行く場所が無いでしょう)」
こんにちは。たかはし二年目&きもの初心者の佐藤めぐみです。
冒頭の言葉は、母と着物を自宅捜索している時に、我が母(70代)から出てきた言葉ですが、同様に次のようなこと思ったことあるでしょうか?
…
2021年11月12日(金)〜11月16日(火) たかはしきもの工房 肌着&補整商品ご試着会
期間:2021年11月12日(金)〜11月16日(火)の5日間
場所:きものたかはし(茨城県守谷市松ヶ丘6丁目6-1 アクロスモール守谷 2F)
時間:10:30〜18:30
12日、13日のみ当店アドバイザー…
森の恩恵に感謝しましょう【5分間スピーチ】
5分間スピーチとは?
スピーチ者
佐藤(愛)
「気仙沼のどんなところが好きですか?」
先日いただいたアンケートの中にこの質問がありました。
私の回答というのが、海と山と自然の循環が人の営みも通じて実感できるところと回答しました。みなさんは、いかがでしょうか。
来月、最終回を迎える朝ドラ「おかえりモネ」の中でも、モネのじいちゃんや登米のさやかさんのお話などで、山から川へ栄養が流れていき、やがて海に繋がって豊かな海を育んでいくというような話が何度か出てきました。
そのたびに「森は海の恋人」の畠山重篤さんを思い出し、さらに漁業は町全体で支えているんだと思い、ああ私はやっぱり町に育ててもらったなぁと感謝で涙が溢れてきたんですね。
こんなことを体感するのは、昔からではありませんでした。
今日は私の自己紹介も兼ねてお話させていただきます。
私は、1978年に気仙沼に生まれました。
父は船のエンジニア、母は遠洋まぐろ漁業の船主の会社で事務と、共働きであったため、物心つく前から日中は小さな酒屋を営んでいた母の実家で過ごしていました。
実家は海が目の前なので「地震あったら津波くっからてっきょさ逃げんだぞ(訳:地震があると津波が来るから高いところに逃げるんだよ)」と小さいころから教えられていたことを覚えています。
気仙沼小・中学校、鼎が浦高校を卒業し、大学は石巻専修大学で大学院修士過程を修了。
大学では海の生態学を中心に研究をしていました。そのため、山から川を通じて海に注がれた栄養が、小さな植物プランクトンを育み、それを食べる動物プランクトンから食物網の繋がりによって、海の豊かな資源が作られており、気仙沼の漁業も豊かな自然に支えられていることを深く知ることができました。
修了後、ある大手IT企業のシステム開発会社に就職し、企業の問題解決策としてシステムを開発してきました。業務分析を行い、問題解決に必要な機能を設計し、プログラミングとテストを実施し、納品、運用のサポートを行うという一連の作業を実務およびプロジェクトマネジメントも行ってきました。
そして、入社から9年目、東日本大震災が起こります。それまでは気仙沼は老後に過ごす場所としか思ってませんでしたが、とにかく何かしなければ町がなくなる危機感を強く感じました。
当時、現状では役に立てないと判断し、何か他のことをと探し始めたときに出会ったのがコーチングです。自分や周りの仲間が変化していくのを実感し、これを他の人にも提供したいと、10年間勤めた会社を退職。
そこから自分のサービスを提供するために、マーケティングを学んで実践していく日々が続いていきますが、思うように結果が出せない挫折感から、まったく動けなくなった時期がありました。
とにかく自分でなんとかしなきゃと誰にも相談せず、これまでに学んできたことを実践したり、本に書かれていることを考えてみたりとあがいていても、なかなか抜け出せないのです。
そんな状態でも気仙沼への想いが私の中にあることを気づき、ふと気仙沼の先人たちはどのようにして多くの震災から町を復興させてきたのかを知りたくなりました。
図書館で司書さんに聞きながら過去の歴史がわかる本を探してみましたが、災害の記録はあっても、復興の軌跡はわかりません。
しかし、自分の中で「先人たちは諦めない不屈の精神があったから私が知っている気仙沼の街ができた。」と腹落ちした瞬間、気仙沼で育った私もきっと大丈夫!と意識を切り替え、再び活動することができたのです。
このように私自身を支え救ってくれた気仙沼の街が、豊かな自然とその恵みをいただきながら人の営みも循環していることを感じられることで、自分に何があっても無くても、ただここにあるということが嬉しいのです。この思いを大切にしながら引き続き励んでいきます。
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自分でできる「きものの白カビを落とす方法」
落とせるカビと落とせないカビ
久しぶりに着物を箪笥から出してみたら、ほわほわ‥‥と白い汚れがついていた、という経験はありませんか?
その白いほわほわの正体は実はカビなんです。
特にあるあるなのが、喪服や黒留袖に白カビが! というお話。
黒なので目立つということもありますし、とにかく着る頻度が低いものはしまいっぱなしになってしまいがちですから、カビ対策が必要です。
カビが出てしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
まず、カビの種類を見定めてください。
黄色っぽかったり茶色くてふわふわ感がないものは進行してしまったカビで、自分では対処はできません。プロに任せれば除去は可能ですが、洗い張りだけでも落としきれず、色補正をしたりする場合もありますのでかなりな費用がかかってしまいます。
白くてたんぽぽの綿毛のようなふわっとしたものが「白カビ」で、こちらは自分でもなんとかなります。
白カビの落とし方
1)45度くらいの熱いお湯。手がぎりぎり入れられるくらいの、お風呂より熱い温度のものを用意する。
2)お湯にタオルを浸して、できるかぎり固く固く絞ります。その絞ったタオルで、ブラシでサッサッサッと表面を掃くようにカビを払い落とす。
タオルが当たる面はこまめに変えつつ、適宜タオルを濯いでまた固く絞って払い落とします。
これで落ちれば、それで着られます。またシーズンが終わった時に通常のお手入れに出せばよいでしょう。
カビを予防するには
いくら白カビが落とせるといっても応急処置なので、カビの筋は残ってしまいます。やはり、カビは予防が一番。
とにかくカビが出ないためには、風を通してあげること。
満遍なく着ること、虫干しをすることがよいのですが、なかなかできない場合はたんすから出して畳紙をあけて、畳んだままでよいので扇風機で風をあててあげてください。これだけでもカビは防げます。
一番よくないのはしまいっぱなしにすることなのです。
それがなかなかできない場合は保存剤「そうび」のような防カビ・防湿や、抗菌効果のあるものと一緒に仕舞ったり、「きものキーパー」のような湿気や空気を遮断しカビを死滅させるフィルムの袋などの専用商品に密封してしまうと安心です。
ただ、その場合も、たまには出して虫干ししてあげてください。何十年もしまいっぱなしにしてしまうと、糸の結着力が弱まり裂けてしまうようなことが起きてしまいます。
頻度は低くても構わないのでたまには深呼吸をさせてあげてくださいね。
実際にどんなふうに白カビを退治するのか、なんと着ている着物で実演している女将の動画はこちらです。
【女将流、きものの白カビの落とし方!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
紹介した商品
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一つじゃなかった!きもののたたみ方【きもの初心者必見】
こんにちは。2年目新人の鷹木です!
たかはしに来る以前は、振袖と浴衣以外、着物とは全く無縁だった人生…。
着物に無縁だったということは、その扱いはもちろん、収納のための“たたみ方”にも全く無縁だったわけですが、今回は着物のたたみ方の違い!?こちらがテーマでございます!
たたみ方の違いを知るきっかけは〇島店長の一言
以前の私は、浴衣を着る度に、友人や着付けをしてくれる方等のお力をお借りして、自分でもなんとかたたみ跡をたどってこんな感じだろう…と、どうにかこうにかそれなりに形にしてたたんでいた感じでした(^▽^;)
それが、おかげさまで、たかはしに来てからすぐに着物のたたみ方をきちんと学べるチャンス到来!
大先輩のO島店長が着物のたたみ方を教えていた際、その時の様子をしっかり動画でも記録!自宅で見直しながら、何枚かたたんで練習しました。その甲斐あって、まだ時々確認はしますが、自分で着物をたためるようになりました!
手持ちの着物をすべて、同じやり方できちんとたたんで、「よし!これでOK☆!」と安心してから数ヶ月後…。自分の振袖一式を先輩方に見てもらう機会がありました。
お店に持ち込んだ振袖を見るなり、
〇島店長「これ、襦袢のたたみ方違うな。」
私「え??〇島さんが教えてくれたのを見ながらやったのですが…どこか違いましたかね(;´Д`)(汗)」
〇島店長「ううん。着物はこれで良いのだけど、襦袢はまたたたみ方が違うの。」
私「・・・え~!? そうなのですか!?」
着物と襦袢に違い?なぜ?形は同じなのに?上着と下着だから?
など、私の脳みその中がグルグル…(笑)
このやり取りで発覚した着物と襦袢のたたみ方の違い。
ありゃ~…私ったら…もう、手持ちの着物類は全部同じたたみ方でたたんでいます…。
それじゃぁ他の襦袢にも変に折り跡つけてしまいましたかね…。
きちんとたたみ方を知って、直さねばいかんでしょう!!
着物と襦袢・たたみ方に違いあり!
まず、先に教えていただいたものが「本だたみ」といい、染め・織りを問わずほとんどすべての着物と浴衣はこの方法で出来る、最も一般的なたたみ方とのことでした。
ほとんどって…一般的って…!というか、これだけじゃぁないのですかい(゚Д゚;)!?
一方で、襦袢のたたみ方は着物より簡単。
着物のように背中の部分で半分に折ったりはせず、上向きに広げて両脇を真ん中にパタパタ、袖も重ねて前へパタパタ…そのまま下から二つ折りで終わり!
これを「襦袢だたみ」といいます。
「本だたみ」と「襦袢だたみ」の、違いはまさに“襟”でした!
襦袢を本だたみにしてしまうと、襟の中心が折れてへこんでしまい、主役の着物の襟もかっこよくきまらない!
襦袢だたみは、襟をきれいに保つために襟を折らないたたみ方だったのですね!
他にもあります、たたみ方の種類
ちなみに…
着物と襦袢だけじゃなく、着物の種類によってもその着物に合わせた線の付け方や収納の仕方で違ったたたみ方がいくつかありました。
夜着だたみ(よぎだたみ)…しわを最小限に抑えることができる、留袖や振袖などの礼装用のたたみ方。
襦袢だたみ(じゅばんだたみ)…おはしょりのない長襦袢やコートにも。
羽織だたみ(はおりだたみ)…羽織をたたむ前に羽織紐をはずし、房(ふさ)を整えてから別にしまう方法。羽織はたたんだら、できるだけ丈を折らずに収納するのが良い。
石だたみ(いしだたみ)…袴の場合、本体をたたむ前にアイロンをかけてひだのしわを伸ばし、三つ折りにする。
まとめ
洋服のように自由にたたむのとは違い、変なしわや余計な線をつけずに着物をきれいに保つためだからこそ、「本だたみ」が着物の決まった形なのだと思い込んでいました。
それが実は、襟をきれいに着るためや、着物の種類により異なるたたみ方がいくつもあるなんて、衝撃です!
着物生地や文様の状態をより良く保存するために、たたみ方を変えるのだという文献もあり、昔からの人の知恵と、着物を大事にする想いはすごいですね。
我が家にはそんなに立派な着物がいっぱいはないですが、私の着物と母の着物、想いの詰まった大事な着物!早速、本だたみと襦袢だたみ、二刀流でお直しですー!
記事の中ではやり方をご紹介しておりませんでしたが、詳しい方法は女将の動画がとてもわかりやすいため、ご覧くださいませ。
▼着物を膝前できれいにたたむ方法はこちら
▼襦袢を膝前できれいにたたむ方法はこちら
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