うちの『仕立屋』さん
2007年2月28日
今日はちょっと自慢です!
うちの仕立屋さんは本当にすばらしい腕の持ち主ばかり。
こうなるまで随分時間はかかったし、大事な仕立屋さんとさよならもしてきた。
だけど、信念を曲げずにやってきてよかったと、最近つくづく思う。
今から思えば、うちもひどい仕立ても有ったはず。
高度成長期に絶え間なく仕事があった今の50~70歳代の仕立屋さんは、自分の腕を磨く暇もなく、疑うスキも与えられずひたすら縫ってきた。
40歳台の仕立屋さんはイイ時代に仕立てを憶えたものの、若い頃とは違い、どんどん仕立物が少なくなってきたと言う時代。
ま、どんな時代であっても仕事を磨くのは感性あってのこと。
私も着物のなんたるかを知らずにきものやを始めたわけで、知らないということは怖ろしい。
でも、気付かせてくれた人がいた 母の時代からの、最高の腕を持つ職人中の職人Tさん。
「こんな仕立てしてたら、お客さんの信用をなくすよ!」と。
あれから何年が経っただろう。
今、うちで縫ってくれている仕立屋さんは、新たに勉強すりということにチャレンジしてくれたすばらしい人達ばかり!
今では一人一人が寸法を見た時点で
「このお客さん、首は長いの?」「腰の位置はどうかな~?」「肩に厚みがありそうだから繰り越し加減した方がいいかもね」
なんて着る方をイメージしている。
Tさんについて、仕立てを習いながら仕事を続けてきてくれた。
それまで一人前に稼いできたのに、である。
(それが嫌だという人は去っていったけど、結局仕立てだけで食べられている人はいないと思う)
これだけでも感動ものなんだけど2年越しで習っているSさんが最近ものすごく活き活きし出してきた。
聞けば、仕立てることがただただ楽しいのだという。
仕上がった着物を見ては自分であまりの出来映えに見惚れることもあるのだとか。
ただの『飯の種』だったものが『自己表現』の手段へ変わったと言うこと(^^)
喜びの中で仕事が出来ることほど幸せなことはない。
こうなると単なる裄直しなんか頼んでも
『なんかおしりのあたりが糸ゆるんでいたので直しておきました。お金?いいですよ、それくらい 笑』な~んてことになる。
一石二鳥、どころか三鳥も四鳥もあって、私も幸せ~!