知らなかった作務衣と甚平の違い【きもの初心者必見】

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子どもの頃、どんな習いごとをしていましたか?
たかはし2年目&きもの初心者の佐藤めぐみです。

 

私が子どもの頃、お習字・そろばん・公〇(学習塾)・ピアノ・水泳のいずれかのみ(他は存在を知らなかった)。この中で、お習字を好んで通っていたこともあり、書道をやりたいと思っていたのです。気仙沼にUターンした時、念願叶って書道教室に通い始めました。

 

毎週お稽古に行くと、先生は作務衣を着られていることが多いのですが、その作務衣姿がとても素敵で先生の雰囲気にも合っていて、よくお似合いなのです。
※お姿を写真でご紹介できないですのが残念ですが( ;∀;)

 

あるお稽古の時に、ふと疑問に思ったんです。
「そういえば作務衣と甚平、似ているけど同じもの?」と。

 

そもそも、作務衣(さむえ)とは?

Wikipedia先生によると、

作務衣(’ さむえ’ または’ さむい’ )は、禅宗の僧侶が務め、日々の雑事(作務)を行うときに着る衣のことである。「作務衣」は本来、作務を行う時に着るもの全般をさし、特定の形が決まっているわけではなかった。僧侶が掃除や薪割り、畑仕事など寺院を維持するための労働を行う時に着用する。
引用元:作務衣 – Wikipedia

とのこと。

 

僧侶といえば、アニメ「一休さん」が思い浮かびましたが、イラストのように着ているものは「御白衣」だそうです。なんだ、作務衣じゃないのね・・・(;・∀・)

 

現在のように、短い上着にもんぺのような下履きの組み合わせで着られるようになったのがいつぐらいの時代からなのか不明ですが、一説によると、昭和40年代ぐらいから永平寺の僧侶が着るようになったそうです。

 

日本で禅が宗派として確立したのが13世紀頃と言われているので、その歴史に比べたら、作務衣が今のような形になったというのは意外と最近のことなのですね。

いっぽうで、甚平(じんべい)とは?

こちらもWikipedia先生によると、

甚平(じんべい)あるいは甚兵衛(じんべえ)は、男性あるいは子供の着る和装のホームウエアのひとつ。
甚平は「甚兵衛羽織」の略で「甚兵衛という名の人が着ていたことから」という起源説もあるが、江戸末期に庶民が着た「袖無し羽織(そでなしばおり)」が、「武家の用いた陣羽織(陣中で鎧・具足の上に着た上着)に形が似ていたことから」という説のほうが強いとされる。
引用元:甚平 – Wikipedia

とのこと。

 

江戸末期ならば写真があるのではとGoogle先生に聞いたところ、イギリスの写真家「フェリーチェ・ベアト」なる方にいきつきました。
1863年から約21年の間、横浜を拠点として、江戸や長崎など各地で風景や人々の生活を撮影した写真家だそうです。
「フェリーチェ・ベアト」 Google Arts&Culture

 

残念ながら、武家の男性の陣羽織姿は見つけられたものの、庶民の袖無し羽織姿をはっきりと見つけることができませんでした。しかし、江戸末期から明治にかけての貴重な写真ばかりなので、当時どんな風に着物を着ていたのかなど、ただ見るだけでも面白い写真がいっぱいです(*’▽’)

 

甚平に話を戻すと、甚平は夏に着るため作務衣に比べると上着の袖が短く、下履きの丈もひざ下ぐらいまでと短くなっています。また、起源が袖無し羽織のためか、袖の脇の部分がタコ糸で編んであるものもあります。蒸し蒸しする日本の夏を快適に過ごすのに工夫された衣服でもあるんですね。

日常に取り入れやすい和装

作務衣と甚平の違いをまとめると、

作務衣 甚平
起源 僧侶の作業着 江戸庶民の羽織
上着 袖が長め 半袖
下履き 丈が長い ひざ下など丈が短め
季節 通年

作務衣と甚平、由来や形に違いはあっても、どちらも動きやすく日常着として取り入れやすい和装ですよね。完全に言い訳ですが、それもあってきっと一緒くたに捉えてしまっていたと思われます(;’∀’)

 

甚平は夏の装いですが、作務衣は通年で着ることができます。由来自体が僧侶の作業時の衣服ということもあり、陶芸、日本料理人、そば打ち職人、和菓子職人など、和事に関する職人さんにもよく着られているイメージがありませんか?
私は職人ではないですが、かっこ良く着こなせたらと憧れちゃいます(*^^*)

 

冒頭の書道の先生が着られている作務衣の詳細は、女将が動画で紹介しておりますので、是非、動画でもご覧になってみてください。

 

▼女将がきものにも洋服にもいける「着々(キキ)」を紹介しています

 

今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしております。

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