平成24年10月

きものよきもの

いよいよ着物シーズン到来です♪
今年の暑すぎる残暑が終わると同時に袷に突入っていう感じで、昨今の気候には振り回されますが…笑

こう涼しくなると着物を着てお出掛けしたくもなり、そうなれば当然、新しい着物を買いたくなるというものです。
無駄遣い、衝動買い大歓迎!大いに着物業界に貢献してください。爆笑

ところで、最近の着物を取り巻く事情で、私が一番心配していることをお話します。
新しく着物を誂えようという方にとって大切なお話ですのでよく考えながらお読みください。

それは寸法のことです。
お客様は専門のお店で誂えるのだから安心だと思ってお任せする方が多いような気がしますが、これは大変危険です。

結論から言えば、自分の寸法は自分で管理してください。

なぜかというと、採寸によって寸法は変わるということが一番大きな理由です。
誂えるお店ごとに寸法が変わると重ね合わせていく襦袢やコートが合わなくなってしまい、後で悲しい思いをします。
で、どうやって自分の寸法を割り出すかと言えば、
着ている着物の中で着やすい着物を探し出し、それの身丈、袖丈、裄、身巾と図ってみればいいのです。

自分で図ることに自信がなければ、お店に持って行って図ってもらえばいいでしょう。
せめてこの4通りの寸法は合わせたほうがいいと思います。

また、見た目重要なのが衿回りと衿下です。
まず衿回りですが、これは着姿を決める重要なポイントです。
よく肩のところがくちゃっとシワになっている方いますよね。
あれは衿ぐりとか繰り越しが体に合っていないのです。

また、衿下は紐の位置でずいぶん違いますので自分サイズを把握しなくてはいけません。
着物を着たとき衿先が見えたいか見えたくないか、これも検証です。

また、腰紐が衿にかからないくらいだとまるで合っていないと言えます、すぐに寸法を見直しましょう。
普通の呉服屋さんが書き入れる寸法は先のモノに加え、肩巾、袖巾、衽巾、袖付、袖口、衿下、抱き巾などけっこう細やかに書き込みます。
当店はそれに加え身体的な特徴も書き込みます。
胸が大きいとか肩が薄いとか…。どうにでもなる、誰でも融通がきいて着回せる印象の着物ですが、新たに作るときくらい、ジャストサイズを着てみていただきたいと思います。
何となくしゃきっと決まらないのは着付けのせいじゃない!ことも多いのです。

是非一度自分の寸法を疑ってみてください。
なぜこんなことを言うのかと言えば、せっかくの誂なのに体に合っていない方を多く見かけるからです。
おおかたは『大は小を兼ねる』で大きい場合が多いです。
大きいとスッキリした着こなしにはなりませんが、そこのところを気にしないお店が増えてもいるのです。
悲しい事実ですがあえて言います、そういう意味で本当に信用できるお店を是非見つけてください。
何かの時に相談できる店、人、そういう頼り所があれば、数段着物が楽しくなること請け合いです!
同じ着物屋として言いにくいことですが、着物屋としてのスキルの高いお店と低いお店がはっきりしてきています。
逸品ものもお得な品も上手に使って、心から着物ライフを楽しんでいただきたいと思います。