平成28年9月

朝の連ドラを楽しみに観ています。 午前7時半のBSか8時からの総合で観ることが多いですが、そこで見逃したときには夜11時からのBSで観ることも。 特に大好きな連ドラたちは時代背景的にも着物が多く登場するので、それも大きな楽しみでもあります。 最近のものと古いものを上手に取り合わせて時代感を出している衣装さんのご苦労は大変なものと推察しつつも、あれ、なんか変、とか、なんじゃこの着付けは!など、勝手なボヤキも含めて楽しんでいます。笑 今のとと姉ちゃんも本当に面白いです。 『あなたの暮らし』という驚異的な販売部数を誇る雑誌の編集長さんが今の主人公だということは多くの皆さんが知っていることですよね~、あとひと月となって寂しくもありますが。 最近の連ドラは、実在の人物を取り上げることが多くなっていることもあり本当にためになることが多く、とてもドラマティックで目が離せません。 えてして朝の連ドラは次が始まると、ストーリーも含めて忘れてしまうことが多いのですが、カーネーション、花子とアン、マッサン、あさが来たなどのそれらは珍しいことに記憶の中にとどめられているシーンがいくつもあります。 そのほとんどは、何かの分岐点やとんでもない窮地など大きな決断をしなくてはならない時のシーンなのですが、何かをなした方に共通の考え方や指針があるように思います。 それはどのようなものかと言えば『誰かのため』だということです。 これは必ず、です。 くっと見据えるまなざしで大きくうなずき、もしくはぐっと腹に落としたような息の時に心を震わせているのは自分の損得ではないのです。 働き一両…

平成28年8月

私は気仙沼で『気仙沼つばき会』という女将さんたちだけの、気仙沼をPRする会をやっています。 これは誰から頼まれたわけでもなく、お節介で勝手に始めた会なのですが、自由で面白いんですよ、これが。 ミニ大漁旗を作ったり漁師カレンダーを作ったり、気仙沼に人を呼び込むイベントを仕掛けたり様々な活動をしています。 なぜここでつばき会の話をしたかと言いますと、実はこのつばき会の作ったグッズがグッドデザイン賞協会の何かのイベント(全くいい加減でごめんなさい!)で展示していただくという名誉に出会ったおかげで、当社がグッドデザイン賞に応募してみることが出来た、というお話です。 回りくどくてすみません。 ということで、当社は今年のグッドデザイン賞に『Put…

平成28年7月

私にとってネットショップでのお買い物は、今や生活の一部になっています。 このかわら版を手にしている貴女様もきっとそうなのでしょう。 特に重いもの、お米やお水な…

平成28年6月

新商品が続々、発売されました。 と言っても当社としては、ということですが。 何といってもメインは満点スリップの改良バージョン、エクストラです。 これは何年も私の頭から離れなかった案件で、ようやく思い描いていた素材と、独自性を持ったパターンを作り出し形にしたというものです。 それと、チョー軽くてコンパクトになるはっ水性のあるモンペと、V字衿でえもんのところに紐がない形の割烹着もずっと思い描いていたのですが、なんとそれが一気に出来上がったのです! こんなことはそうそうあるものではありません。 ずっと新商品は出し続けてはいるものの、一度に思い描いていたものが仕上がるなんてことは『たかはしきもの工房』始まって以来の快挙なのです。 しかも、それがすべて人気雑誌の七緒に取り上げていただけたのですから、私は今、とっても幸せです。笑 それもこれも突破口はすべて『生地』との出会いでした。 思うような生地に出会える確率は本当に少なくて、これは足を棒にして探すわけですが、日常の仕事を抱えた中、それらの仕事は後回しになりがちで、結局そこそこで妥協したくなるものです。 ある程度会社が大きくなれば、新商品の企画立案はそういう担当者がいて、思っていることを言いさえすれば、その担当者が足を棒にし、のたうちまわり捻り出す、ということに専念できるのでしょうけど、うちはまだまだ弱小企業、全ての発露は私にかかっているのです、頑張らねばなりません! いつも思うのです。 これは誰のためのものなのか、誰がどう喜んでくれるのか、ちゃんと会社に貢献してくれるか… どうしても思い描いたものに少しくらいとどかずとも、「ま、これでいいか~」と思いたくなる気持ちをぐっと抑え、本当に求めているものに出会えるまで『何のために、誰のために…』を念仏のように唱えています。 また、既製品の壁というものがあって、どうしてもある程度のサイズに作り込まなくてはいけませんが、素材のことだけでなく、なるべく多くの方に「私の体にぴったり!」と思ってくださるように、というのも、念仏のように唱えていることの一つです。笑 それがすっと出会える時と何年もさまよう時があるのです。 今回はそれが一気に来たということなので神様に感謝です。   このエネルギーがきれぎれになったり弱くなったりしたら、その時が引退の時なのだろうな…、と時々思います。思い描いて叶うためには絶対に『想いの深さ』が肝心なのですから。 これは、ものづくりを通して私が学んだ、人生の極意かもしれません。 紹介した商品 満点スリップ…

平成28年5月

一時はもう無くなってしまうのかな~と思っていた羽織ですが、最近は普通に見かけるようになりました。 東京ではコートのほうが珍しいくらい誰もが羽織を着ているのが普…

平成28年4月

最近、小学校の卒業式を袴姿で迎えるというのが全国的に流行っています。 お下げやおだんごに大きいリボンの女の子、本当に可愛らしいですね。 幼さの残るあの学齢だからこその袴姿は、成人式の華やかさとはまるで違う意味での愛らしさが際立っていると思うのは私だけではないでしょう。 だからこそ、こんなにブームになっているのだと思います。 最近ではそれに加えて、ちょっと大きい紋付を照れ臭そうに着ている男の子も増えてきましたね。 これはバレンタインデーのように、業界が意識的に仕掛けた、というものとはまるで違うブームだと私は考えています。 だいたい今の呉服業界ならいざ知らず、十年前の呉服業界はまだまだ売り手市場で、お客様のニーズに応えようなんて殊勝なメーカーや問屋はほんの一握りでした。 ましてや業界が横並びで手を携えて、新たな市場ニーズを生み出そうなんて考えてるお偉いさんはまずいなかったと思います。 今の着物ブームはエンドユーザーから湧き上がったものだと言えます。 業界はただそれを慌てて追いかけて来ました。 その着物ブーム(本当はブームとは言いたくないですが)のお陰で死に絶えていたと思えたお召しや銘仙、木綿着物など、日常着物が少しずつ復活して来ましたね。 ではなぜ湧き上がったきたか…。 それはあまりに世の中から消えつつあった「着物姿」に対して、逆に「着物着たい!」「着物に触れたい!」欲求がムクムク芽生えたためと私は考えています。 なぜなら、着物が日本人の体に染み付いていたからに他ならないと思うからです。 着物姿のおばあちゃん、参観日のお母さんの着物の柄、晴れ姿のお姉ちゃんの着物の艶、色、ツノを隠した親戚の花嫁さん。 家に帰ってくると着物に着替えてくつろぐお父さん。 そして時折着せられる着物の感触、その時感じるなんとも言いがたい高揚感…。 当たり前にあったものが失われつつあったからこそ、内なる奥底から湧き上がってきて欲した事が、今の着物ブームなのだと私は感じています。 …