たかはしBLOG

意外と知らない「無双」って何?
普段、きものを着ている中で、耳にしていても、なんとなくわかっているようで、よくわかっていない言葉って、ありますか?
その言葉の意味をきちんと知ることで、きっともっときものが楽しくなるようなきものの基本の言葉。
今回は、襦袢の「無双(むそう)」という言葉の意味とその使い分け方をお伝えしていきたいと思います。
「無双」って、業界の専門用語では?
襦袢(袖)には、「無双」や「半無双」、「単衣」と種類がありますが、「無双って、何?」と思われたことがあるのではないでしょうか。
ちなみに、辞書で「無双」の意味を調べると、
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もうこわくない!?きものの着くずれの考え方
頑張って時間をかけて自分で着付けたのに、着くずれちゃった…(泣)
もう、着くずれしないように着られたら良いのに!と考えたことありませんか?
実は、たかはしにも着くずれに関するお問い合わせをよくいただきます。
たとえば、着くずれしないための紐や伊達締め、えもん抜きなど、選び方や使い方なども含めてよく聞かれます。
そこで今回は、きものの着くずれについてお伝えしていきます。
普段の着付けの時に意識することで、着くずれのストレスがかなり解消しますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
そもそも着くずれとはどんなもの?
まず、どういうものを着くずれと言うのか、整理してみます。
着くずれの種類は二通りあります。
ひとつは、着付けがよくなくて着くずれる場合です。
たとえば、特にたくさん動かなくても、呼吸したり歩いているだけで、帯が落ちてしまうとか、下が開いてきてしまうとか、衿がカパカパとゆるんでしまうとか。このような状態を着くずれと言っていると思います。
もうひとつは、日常的な動きで着くずれる場合です。
たとえば、腕を上に上げて胸元がたるんだり、風であおられたり、間違って裾を踏んでしまったり、立ち座りで帯が動いたりなど。動いたことによって生じるゆるみなども、着くずれといっていますよね。
では、どのようにすれば着くずれのストレスを減らすことができるのでしょうか。
着くずれしにくい布の力を活かした着付け
着付けがよくなくて着くずれてしまう一番の重要な原因は、きものをふわっと体に巻いて、紐でギュッと体にくっつけようとしているような着付けです。
なぜなら、紐が動くことで全部の布が動いていくため、着くずれに繋がってしまいます。
たとえば、着くずれで一番目立つのはえもんの崩れです。衿元が開き過ぎてしまうと、色っぽさを通り過ぎて、ちょっとだらしない印象になってしまいますよね。
きものをふわっと体に巻いて紐でキュッと締めた着付けでは、紐が動けば布全体が動くことになるので、えもんもゆるみ着くずれに繋がります。
着くずれしにくい着付けとは、布の縦糸と横糸の糸の力を信じて、糸の力を体に当てるイメージで着付けます。点で押さえるのではなく、布の面積を体にあてるイメージできものを体にまとわせるように着ることです。布の面積で摩擦力がはたらくので、体の動きに布の動きがマッチして着くずれを防ぐことができます。
体を筒に置き換えて考えるとわかりやすいと思います。
筒に布をふわっと巻いてキュッと紐で縛った場合、紐が動くと布全体が動きます。しかし、布を筒にピタッと沿うように巻くと、摩擦力で布が動きにくくなります。
動きでの着くずれは直せれば問題なし
布の力だけで体にまとうように意識して着付けをしても、動けば布にゆるみが生じることもあります。
たとえゆるんだとしても、布を引くことで直すことができれば、着くずれにはならないですよね。布を引くのも、点で引くのではなく、面で引くことによって、布全体の力で体を支えているイメージになります。
たとえば、衿元の布がゆるんできても、えもんがきっちりとめてあれば、布を引けばゆるみは帯の中に入っていきます。
着くずれた時に、どこの布を引けばどこが直るのかを、きちんと頭で理解できていれば、すぐに直すことができます。逆に、どこを引けばどこが直るのかがわからないと、あっちこっち触ることになります。
きものの布は全部繋がっているので、自分で着付ける時に、どこにどう力をかけて着るのか、布を面積で動かすとどこにどう影響するのかがわかってくると、着くずれてもすぐに直すことができるようになります。
気持ちよく着て、着くずれにくいきもの生活を楽しめると良いですよね。
女将による着くずれの考え方についての動画はこちらをご覧ください。
【きものの着崩れを考える!皆さんが思う「着崩れ」とは?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
また、具体的な方法は、これまでの女将の次の動画を参考にしてみてください。
【超マニアック! 「えもん」と「くり越し」は関係ない!】
【うそつき衿を、自分サイズにカスタマイズ!】
【ちょっとマニアック!日常きものに便利なおはしょり術】
更新情報はInstagramで発信していく予定です。
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なぜかきものの背中心が左にズレる原因
きものの着付けのとき、どのようにして背中心(上半身)を合わせていますか?
着付けを習った先生や、着付けを参考にした動画によってもその方法は様々かと思いますが、ズレると目立つのが背中心。
たかはしでは、以前の動画で背中心のズレを解消する方法をお伝えしました。
▼詳しい方法はこちらの動画をご覧ください。
【ちょっとマニアック!背中心のズレを解決!】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
背中心がズレるとき、ほとんどの人が左肩側にズレるので、最初から右肩側に少しずらしておけば、最終的には真ん中になるという方法が、かなり有効ではないかと考えています。
そもそも、背中心がズレるとき、なぜ左側にズレるのでしょうか。その原因を根拠はないけど自信たっぷりな女将の推理とともに、お伝えしていきます。
原因その1:コーリンベルトのゴムの強さ
原因のひとつとして、コーリンベルトのゴムの強さが左右で非対称になってしまう場合が考えられます。
たとえば、両側を一緒に留めた後、ベルトを後ろで交差させて前で留めるタイプのコーリン「和装じめ」の場合、左右均等に力がかかるのでズレの原因にはなりにくいでしょう。
しかし、片側ずつ留めるタイプのコーリンベルトは、均等にならない場合が考えられます。
下前(左手側)を留めてからベルトを引っ張って後ろを通して上前(右手側)を留めると、先に留めた下前が引っ張られそうなのですが、なぜか左肩側にずれてしまいます。
そのため、ゴムの強さが上前(右手側)に影響するならば、ゴムで徐々に引っ張られる可能性も考えられます。それを防ぐために、コーリンベルトを留めた後、コーリンベルトのゴムと背中の間に指を入れて、左右に2、3回滑らせることで均一に当たるようになるかもしれません。
ただ、ゴムの強さが左右非対称といっても、その違いは微々たるものだと思うので、大きな原因ではないように思えます。
原因その2:きっとコレ!体の左右の違い
ご自身の体の厚みを左右で比べたことはありますでしょうか。比べてみると、人の体の厚みは全然違うということを確認できると思います。
女将の推理によると、きっとコレが背中心ズレる問題に関係があるに違いないと。
女将自身、気をつけていないと背中心が左肩側にズレるそうですが、女将の体は右側が厚くて、左側が薄いとのこと。
※女将を左右から撮影した画像を重ねたもの
このような体の左右での違いは誰にでもあるもので、たとえば、骨盤の高さが左右で違ったり、肩の高さも左右で違っていたりしますし、片方の肩が前に入ってきたりします。
アスリートのように体のことをしっかり意識して考えている方以外は、普段の生活の中での動きの癖や習慣、仕事で片側だけよく使う場合など、体の厚みにも左右で違いが生じます。
ぜひ鏡などを使って、自分の体の左側から見た厚みと、右側から見た厚みをチェックしてみてください。おそらく左右で体の厚みが違うのではないでしょうか。
体の左右で違いが生じるのは、
体の内臓が左右非対称に配置している(ひとつだけの臓器もあるし、左右にある臓器も左右対称ではない)
利き手、利き足側の骨や筋肉がやや発達する
脂肪の付き方は体や骨盤のゆがみによって左右非対称になる
など、そもそも人の体は左右で差があることがわかります。
女将の利き手は右手のため、体の右側が左側に比べて厚みがあるのかもしれません。
背中心のズレは体の細い方へ生地が滑った結果
体の右側が左側に比べて厚みがある体を輪切りにして考えると、右側が厚くて左側が薄い形になります。
女将はこれまでも「体はすべて滑り台」とよく話しますが、生地は体の細いほうに滑っていきます。
この考え方に基づけば、体の左側が細いので、生地が左側に滑った結果、背中心が左肩側にズレたのではないかと推理できるというわけです。
また、体の厚みが薄いと相対的に使われる生地は少なくなるので、生地を引き込んだときの力が余計に働きやすくなるとも考えられます。
ただし、体の左右の厚さの違いを実際に測ったわけではありませんし、左右で使われる生地の違いがどのぐらいの摩擦力の違いを生んでいるのか測ったわけではないので、実際にどのぐらいの違いがあるのかはわかりません。
そのため、明確な数値を根拠とした答えではありませんが、左右対称に作られているきものを、左右非対称の体に巻いていくわけですから、背中心のズレが生じる一つの原因だと思えてきませんか。
背中心を体の真ん中(上半身)に調整したい場合、左側にズレやすいのなら、かけ衿を合わせるときに、上前を少し長く引いて着ると最終的に着上がったときに背中心が合うと思います。
ご自身の体の左右の違いも意識してみると、より心地よく体にそった着付けになっていくのではないでしょうか。
名探偵かずえによる根拠のない自信に満ちた推理はこちらの動画をご覧ください。
【科学的根拠はないが、きっとコレ! 女将探偵の推理 背中心がズレる原因】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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きものや帯などの柄、一年中桜柄でも良いの?
きものや帯の柄で季節を楽しむとか、季節に合わない柄は着ちゃいけないとか、いつ誰が決めたのかわからない決まりごとを耳にしたことがあると思います。
そのため、きものや帯などを選ぶ時、「この柄って、今の季節に選んで大丈夫なの?」と思ったことがあるのではないでしょうか。
たとえば、直接注意されることがなかったとしても、誰かにそんなのダメでしょって思われるんじゃないかという不安もあると思います。
作家・きものデザイナーの宇野千代さんは「桜が好きだから」と、一年中桜柄のきものやバッグ、小物類を愛用されていたそうです。
堂々と私はこの柄が好きだから一年中着ると言えるのもとても素敵です。柄の好みはその人の自由ですので、何でもありでしょう。
しかし、そこまで貫いて楽しむことができる人はほとんどいらっしゃらないと思います。
宇野千代さんの考え方を基本にしながらも、女将が40年以上のきものを着てきた中で、柄選びで気をつけていることをお伝えしていきます。
季節の柄選びの決まりに囚われるのではなく、楽しみ方のひとつとして選んで、もっときものが楽しくなるための参考になれば幸いです。
織りで柄を作っている生地はどうする?
まずは、生地の柄から。
白生地には、地模様(織で柄を作っているもの)があります。地模様があるものとないものいろいろですが、紋意匠(縮緬の種類のひとつで、地紋を織り出したもの)というタイプのものだといろんな柄があります。
たとえば、茶道をされる方だとよく色無地のきものを作られると思うのですが、その生地を選ぶ時、色目としてピンクやえんじなどの華やかな暖色系の色で染める時には、地紋の柄を
気にすることは無いと思います。
普段着るきものとしてちょっと地味な寒色系の色を選ぶ時や、今後、法事でも使うようなきものを選ぶ時には、地模様に吉祥文様(おめでたい、縁起の良い柄)を選ばないということがあります。
たとえば、宝づくしは吉祥文様のひとつですが、どんな地味な色目でも法事の時に着ることはしません。
仏事にも使える生地かどうかの判断ポイントとして、
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一枚の半衿を倍長く使える付け方の工夫
「この半衿、もう使えないな」と思う時って、どんな時でしょうか。
色・柄の好みの変化、生地の状態など、状況によって様々かと思います。
その中で、「一部黄ばみがあるだけで、他はきれいなのに使えないのはもったいない…」と思ったことはありませんか?
半衿の一番汚れやすい箇所は、首に直接触れる部分です。
ファンデーションなどの化粧汚れや、皮脂汚れが原因で、洗っても黄ばみが落ちず、黒ずんだような感じになると、もう使い続けるのは嫌になりますよね。同時に、部分的な黄ばみだけで捨ててしまうのは、ちょっと残念なのではないでしょうか。
今回は、一枚の半衿を倍長く使うことができる半衿の付け方の工夫について、広幅(約20cm)の半衿と一般的な幅(約16.5~17cm)の半衿を使ってお伝えしていきます。
幅が広いのは半衿を倍長く楽しむため
たかはしオリジナルの「小千谷縮半衿」は、きものの生地を半分に切って半衿にしています。そのため、一般的な半衿より広い、幅約20cmです。
幅を広くとっている理由は、半衿を長く使うための工夫がしやすいようにと考えたためです。
首が直接触れる内側は汚れが付きやすいので、半衿を洗って付け直す際に黄ばみが気になる部分を内側にずらして縫い付けて使えば、同じ半衿を長く使えるわけです。
では、半衿の付け方の工夫をご紹介します(襦袢も、うそつき衿も縫い付け方は同じです)。
たかはしのうそつき衿は、たかはしきもの工房のブランドネームがある方が外側で、ブランドネームがない方が内側になります。
※襦袢の場合、外側:きものに接する側、内側:体に接する側
この後の説明で出てくる外側と内側は上記を基準にしているので、内側と外側を混乱しないように注意しながら読み進めてください。
黄ばみが取れなくても諦めない半衿の付け方の工夫
半衿の付け方の工夫について、広幅(約20cm)の半衿と一般的な幅(約16.5~17cm)の半衿を使ってお伝えしていきます。
(1)広幅(約20cm)の半衿の場合
《使いはじめのとき》
まず衿の内側から半衿を縫い付けていきます。
たかはしオリジナルの「小地谷縮半衿」の場合ですが、衿幅があり両端がロックミシンで始末しているため、約1cm中に折り返して縫い付けます。
縫い付けた後、衿の外側が上に来るように返します。
半衿を衿幅と同じ幅に折ります。折って衿幅からはみ出た分を中に入れ込み、外側を縫い付けます。
《黄ばみが気になってきたら》
生地幅がたっぷりあるので、内側に約1cm折り込んでいた生地をさらに1㎝折り込むようにして縫い付けていくと、衿汚れが付きやすい部分が内側に入ってくるので、外からは見えなくなります。
この方法で半衿を縫い付けるようにして使っていくと、多分5回分ぐらい折り込んで使うことができます。
最初に半衿を縫い付ける時のポイントは、衿の外側の折り込みを増やし、内側の折り込みを少なめにして縫い付けるようにすること。
半衿を外して洗い、付け直す度に少しずつ内側にずらして折り込んでいけば、衿の外側はきれいな状態で外側には見えません。できるだけ生地を無駄にせず、有効に使える方法だと思います。
※上記のように半衿の内側にずれ込んでいくので外からは見えなくなります
広幅の半衿の方がやりやすい工夫ですが、一般的な幅の半衿でも同様の工夫をすることができます。
(2)一般的な幅(約16.5~17cm)の半衿の場合
《使いはじめのとき》
衿の内側に半衿を縫い付けていきます。
一般的には、半衿を折り込んで縫ってくださいと聞いたことがあると思いますが、極論で言えば、折り込まずにそのまま縫っても構いません。
半衿の耳の部分の状態にもよりますが、折り込まずに縫い付けると、見た目が格好悪いと感じるかもしれません。
実際は、半衿の耳の部分が見えた状態と折り込まれた状態で縫い付けるのは、きものを着た状態ではそれほど違いはわからないものです。
内側を縫い付けた後、衿の外側が上に来るように返し、半衿を衿幅と同じ幅に折ります。
折って衿幅からはみ出た分を中に入れ込み、外側を縫い付けます。
《黄ばみが気になってきたら》
半衿を洗濯をしながら使い続けて、首に直接触れる部分の黄ばみが気になってきたら、広幅の半衿と同じく内側にずらして付け直しましょう。
内側の折り込みを約1~1.5cm増やし、汚れた部分が内側に入り込むように縫い付けます。同様に外側を縫い付けていきます。
このような方法で3回は付け直して使えると思います。
《透け感のある薄手の半衿の場合》
薄手の半衿で、折り返した部分が透けて見えるような場合には、外側の折り込みを調整して、生地の端が半衿の折った部分にまでいくようにすると見えません。
黄ばみが気になってきて、折り込みをずらす場合、内側の折り返しを生地の端が半衿の折った部分にまでいくように折り込み、縫い付けます。そして、外側の折り込みを約1~2cmにして縫い付けます。
透ける半衿でも2回は付け直して使えると思います。
半衿の付け方を工夫することで、一枚の半衿を倍長く使うことができます。
たとえば、1000円の半衿を3枚買うのであれば、3000円の半衿を3回折り込みをずらして使った方が、不要になって廃棄するものも減らすことができますし、長く使えて良いと思いませんか。
まずは、ぜひご自身で試してみてください。半衿を使っている中で、黄ばみ以外でも、生地がよれてきたり、色褪せた時なども折り込みをずらして付け替えてみると、長く使うことができます。
さらに、このようにして使いきった半衿は、クッションや枕の詰め物に使うなど、まだ利用できるので、きもの生活を楽しみましょう。
女将による一枚の半衿で倍使える半衿の付け方はこちらの動画をごらんください。
使いきった半衿の使い方はこちらをご覧ください。
▼女将流・捨てられない絹の使い方
https://k-takahasi.com/blog/2021/09/7812/
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帯揚げ・帯締め、簡単&キレイな結び方
日常できものを楽しむなら、着付けをいかに「早く・楽に・キレイに!」するのかは、重要なポイント。
中でも、帯揚げや帯締めは、きもの全体に対して占める面積は小さいですが、キレイにできているのかどうかで印象が違ってくる部分でもあります。
帯揚げと帯締めの結び方について、動画や本など世の中にたくさん紹介されていますので、ご自分に合った方法を選んでください。
ほぼ毎日きものを着る女将だからこそ、いかに早く・楽に・キレイに!を目指した、便利で簡単な結び方をお伝えしていきます。
意外と目につく部分はすっきり結びたい帯揚げ
帯揚げで女将が意識している点は、生地の厚みも含めて良いものを選ぶことです。帯揚げが見える面積は小さいですが、ペラペラの生地では格好がつきませんし、結び目もふんわりしません。
結び目をふんわりする片輪結び(ちょうちょ結びの羽が片方だけの状態)の結び方からお伝えしていきます。
1)スタンダード編
帯揚げを帯枕にかける時、帯揚げの五分の二から三分の一ぐらいに折って、かけています。
帯揚げの上の部分は帯枕にかけているので、折られている状態になります。
帯揚げの体の脇の部分が人の目に付くので、キレイに整えるように気をつけましょう。
帯枕に帯揚げをしっかりとかけるために、帯揚げを前に引きながら下の部分を引くと、帯枕に帯揚げの下の部分が入っていきます。
帯揚げの結び目を片輪結びにする時は、帯揚げの長さを調節して、左側を短めに持ちます。
帯揚げを前に持っている状態で、帯揚げを平らに整えます。
帯揚げはきつく締める必要はなく、飾りとして締めるものですが、帯揚げの生地がブカブカしていると、体の脇の部分に生地がたまることになるので、キュッと前に引いてキレイにすっきり入るようにします。
最初に三分の一に折っていた分を平らに持ち、帯揚げの下側の三分の一を折って平らにします。
三分の一に折ったものを、山になるように半分に折り、山に沿って指をスーッと後ろに持っていきながら、帯揚げを整えます。
反対側も同じように、最初の三分の一を折って整えていきますが、左側を持っているのが大変だと感じる場合には、帯揚げを帯に一旦、挟んでおきます。
帯揚げを前に引き、山が上の状態できものと同じように左側の帯揚げが上になるように重ね、体の中央でひと結びします。帯揚げはきつく結ばず、体にあたる程度で構いません。
さらに、下にある左側の帯揚げだけを下にグッと引き下げると、結び目の上方が平らに整います。
上にきている帯揚げの下に右手を真横に入れ、輪を作ります。
輪の中に左手の指一本を入れながら、右手の指先で垂れている帯揚げを輪の中にゆっくり引き込みます。
結び目はギュッと結ばずに、ふんわりとしたままでOKです。
真ん中を持ち上げて、帯揚げをまっすぐ下に帯の中に入れ込みます。
仕上げに帯をしごいて帯揚げをキレイに整えたら完成です。
この結び方よりもさらに簡単な方法があります。
2)よりズボラ編
左右の帯揚げをキレイに整えるところまではスタンダード編と同じです。
左右を同じ長さで持ち、輪を上にして左の帯揚げを上にかぶせて、ひと結びします。
垂れている帯揚げを内側に丸めたら、帯の中に入れ込むだけです。
帯の中に携帯などを出し入れしない場合には、早く締められて、とても簡単です。
また、他の結び方でよく聞くのは次のようなやり方です。
3)その他①編
帯揚げをひと結びした後、下側の帯揚げを結び目のところでねじって、帯の中に入れ込みます。
上側の帯揚げを結び目にクリッとひと巻きしてから、帯の中に入れ込みます。
さらに、帯揚げをひと結びせず、ただ挟む方法もあります。
4)その他②編
左右の帯揚げをキレイに整えるところまではスタンダード編と同じで、左右を同じ長さで持つように調節します。
右側の帯揚げを前に持っていき、体の中央よりちょっと長いくらいで帯揚げを折ります。
帯揚げが長く、折りたたんだ部分が体の脇まで来るような場合には、さらに折って胸下あたりに厚みを持たせるように調節します。
半分に山にして折り、帯を引きながら帯揚げにそって、手をすべらせて帯の中に入れ込みます。
反対側も同じようにして整えて、最初に入れた帯揚げの上にかぶせるように入れたら、帯揚げを引いたまま帯をしごいて整えます。
この結び方で締めると、はんなりした色っぽい感じになります。重なり部分が少し見えても素敵ですし、山がふたつあるのも素敵ですね。
結び目をどんな風に結ぶのかについては、自分がどう見せたいかを考えて帯揚げを締めていくと良いと思います。
帯揚げの結び方のポイントは、
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半幅帯でお尻も隠せてスッキリ粋な後見結び風
映画やドラマの中で見た素敵な帯結び、自分でも試してみたいと思ったことはないでしょうか?
1953年の映画「祇園囃子(ぎおんばやし)」の中で、踊りのお姉さんがよく結んでいるような帯結びで、「後見結び」という結び方があります。映画の中では六寸帯のような帯で結んでいるようでしたが、半幅帯で結んでいるシーンもありました。
帯結びでお尻が隠れてスッキリ見えるし、細かく長さを気にしなくても、すごく簡単に楽に結べる方法なので、ぜひ、試してみてください。
今回は、長尺の半幅帯を使ってお伝えしていきます。
※説明の中で、女将が使っている帯は、博多織の小袋帯で長さが4m30cmぐらいあります。
初心者でもテキト―でも簡単に結べる半幅結び
1)帯を腰にあて、手先を膝につくぐらいの長さで取ります。
2)帯を内側に斜めに折りあげて体の真ん中あたりでさらに外に折ります。こうすると、自然に帯の輪が下になります。
3)折り上げた部分をクリップで帯板に留めます。後で帯板を挟みこむ場合は、折り上げた手先をクリップで衿に留めます。
4)帯を体にひと巻きしたら、タレ側を持ち、体の脇でクッと締めます。
締めすぎると苦しくなるので、その日の体の調子などによって、締める具合を調節しましょう。たとえば、外を歩く時間が多いのであれば、キュッと締まってると気持ちが良かったり、長く座る時間が多いのであれば、少し緩くしておいた方が楽だったりします。ただ、その体感は人によって違うので、ご自分で試してみると良いと思います。
5)帯を締めたら、手先を下に落とします。その上にタレ側を持ってきて、手先側とタレ側を体から離すように引いて持ち、タレ側を手先側の下から上に通します。
6)タレ先を上に引いたら抜ききらずに、お好みの長さを残したまま、手先側とタレ先側をそれぞれ持って、キュッと締めます。
7)手先側とタレ先側が重なっている山をクリップで留めます。
博多織の帯など滑りやすい帯の場合、クリップで留めておくと緩みません。帯結びで見えなくなるので、留めたままでも大丈夫です。
8)タレ先側を下に落とし、重なっているタレ先側の帯をズラして形を整えます。
重なっている帯をズラして幅を出すことで、帯にボリューム感が出るので、身長の高い方や、お尻や腰幅が気になる方には、お尻が小さく見える効果が期待できます。
9)タレ先側を上にあげて肩にかけ、手先側を上に折り上げたらクリップで留めて広げます。
10)タレ側の帯を下におろしたら斜め内側に折り上げます。タレ先が長い場合は、折りたたんで長さを調節しましょう。
11)手先を返してタレの中に通します。
12)手の上を通るように帯締めを締めます。帯締めが結びにくい場合には、先に仮ひもで帯を押さえてから帯締めを通すとやりやすくなります。帯締めは、しっかりめに締めましょう。
13)全体のバランスを見ながら、形を整えていきます。
たとえば、タレ側の先が出ている方向を変えたり、タレから出ている手先の長さを調節したり、お好みのバランスになるように形を整えます。
14)帯結びを背中に回して完成です。
たとえば、手先を長めにとったり、タレ側で折り返した部分の大きさを小さくするなど、大きさや形が変わるだけで、全然違う表情になって印象も違ってきます。結びが平らなので、背中を押し付けるような車や電車の移動でも潰れることはありません。
きもの初心者でもテキトーでも簡単に結べて、お尻がスッキリ見える効果も期待できる「後見結び」風アレンジです。身長の高さや腰幅に合わせて、手先やタレを調節してみてください。
女将が出会った昔の映画の話から帯結びの説明に繋がっていく女将の動画はこちらをご覧ください。
【テキトーなのにお尻も隠せてスッキリ粋に!半幅結びで後見結び風アレンジ】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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きものの裾にたるみ(裾袋)ができる原因とは?
袷のきものをきもの用ハンガーなどにつるしたときや、着付けで腰ひもを結んだときに、きものの表地の裾にたるみができた経験ありませんか?
このたるみを「動画では表袋(おもてぶくろ)以下同」と言いますが、特にやわらかもののきもので目立つと思います。
実は、この「表袋」は仕立てる時点でかなり回避できるにもかかわらず、その対策がされていない場合が多いようです。そのため、きものに袋が入ってしまうのは仕方がないことと思っている方も少なくないかもしれません。
今回は、「表袋」ができてしまう原因と「表袋」ができたきものの直し方の工夫をお届けしていきます。
もしかすると、きものを平らな場所に置いてピターっと表も裏も平らな状態で、きものをつるしてもピターッと「ゆるみ」がない状態がきれいな仕立てと思われていませんか?
一見、表も裏もピタピタッと合っているのがきれいな仕立てと思われがちですが、実は、着にくいんです。では、その理由をご紹介します。
裏地の「ゆるみ」には理由があった
まず、女将の訪問着を例に見ていきましょう。
表地は刺繍がされている生地なので、刺繍部分が裏地に響いてでこぼこしていますが、裏地を見ると全体に「ゆるみ」が入っています。
約10年前に仕立てたきもののため、経年による多少の縮みがあると思いますが、仕立ててすぐの頃はもっと「ゆるみ」がある状態だったと思います。
たかはしでは、裏に「ゆるみ」を入れる仕立てをします。裏に「ゆるみ」がなくピタピタの状態だと、表に袋ができてしまい着にくくなってしまうためです。
たとえば、やわらかものの縮緬の場合、表地の方が裏地よりも生地がずっと重いため、「ゆるみ」を入れずに仕立ててしまうと、着たときに裏地は体に沿うように付きますが、表地はすべって落ちるため「表袋」ができます。
和裁師さんは、その落ちる度合いや、経年による収縮や湿気による収縮を計算に入れて、裏地に「ゆるみ」を入れます。
そのため、仕立ててすぐの状態できものをつりさげると裏に「ゆるみ」がありますが、それが着やすいきものなのです。
逆に、着にくいきもの、必ず「表袋」になるというきものをお見せします。
実は「ゆるみ」がないきものは着にくい
この画像にあるようなきものを着ると「表袋」になります。
裏地に「ゆるみ」が全くありません。ピターッとしていて、むしろ表地に膨らんでいるぐらいになっています。
もし仕立て上がりがこのような状態だった場合には、仕立て直しを依頼しても良いと思います。
ただし、紬系のきものは生地が軽いので、やわらかものに比べると「表袋」になりにくいです。たとえば、大島紬の場合、表地は収縮しにくいのですが、それに比べると裏地が経年で収縮するため、それを計算して余計に「ゆるみ」を入れて仕立てたりします。
生地には経年収縮があるので、仕立てを工夫しても表袋になってしまうことはありますが、きものの着やすさを考えると、仕立てるときから「ゆとり」がなくピタピタに縫ってもらうのはできるだけ避けた方がよいと思います。
ぜひ、今後きものを仕立てるときに、お願いするお店の方に、裏地に「ゆるみ」を入れてくださいと伝えると、そのように仕立ててくれると思います。
一時期、きものを着ない時期に「ゆるみ」は要らない、ピターッと紙を畳んだように縫うことが良しとされたときがあって、「ゆるみ」を邪魔なものと考えていたのかもしれません。ただ、実際にきものを着だしたら、とても着にくいことがわかってきてたのではないでしょうか。
裏地に「ゆるみ」を入れて仕立てるというのは、きものを日常的に着ていた先人たちの大事な知恵ですね。
きものの裾の「たるみ」を解消する方法
すでに「表袋」になっているきものを着付けるには、腰ひもを締めてとめた後に整えることで、袋になった部分を解消することができます。
※腰ひもを締めて腰ひもに嚙んでいる生地をすべて引っぱり出した後に行います。
1)腰ひもの上の生地を触って、表地と裏地の二枚があることを確認します。
2)表地一枚だけをつまんで裾と一緒に持ち上げて引っぱります。
3)袋になっている部分の「たるみ」がなくなるまで、少しずつ引っぱりながら整えます。
※白枠内が袋を調整する前の状態です
このように着付けのときに調整すればよいとはいえ、着るたびに調整するのは大変です。
この裏地の「ゆるみ」に対しての知識が一般的になっていくと、きちんと着やすいきものを縫ってくれる和裁師さんが増えていくと思いませんか。
きものを仕立てるとき、裏の「ゆるみ」がある意味についても意識してみてください。
さまざまなご意見あることを承知の上で配信をきめた男気あふれる女将による動画はこちらをご覧ください。
【実は…あなたのきものにもあるかも!?きものの「裾袋」って何?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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きもの業界三大女将!?座談会・季節の移り変わりはどうすればいい?
きものを楽しむ中で、季節によって着分けるとき、たとえば、ネットの動画で見聞きした情報とお店で聞いた情報と、身近な人から聞いた内容とが、すべて微妙に違っていて、どれが正しいの?どうすればいいんだろう?と迷子になった経験はありませんか?
誰もが一度は経験されたことがあるのではないかという、季節の移り変わりでのきものの装いについて、きもの業界三大女将が本音で語っていただきました!
豪華ゲストお二方が気仙沼に
きもの英…

ここちよい着付けのために、補整する?しない?
きものを着付ける時に、補整をするのか、しないのか、ちょっとネット上を検索しただけでも、「補整は絶対した方がいい」とか「昔は補整してないのだから補整しなくて良い」とか、さまざまな意見が見られます。
たとえば、補整をせずに着る方たちの意見の中に、補整なしで着ると体型に沿って自然で良いという意見もあります。
一方で、そういった意見を聞いた方が、「私、補整してて、すみません」のような肩身の狭い思いをしている方がいるかもしれません。
着付けをするのに補整をするしないは、個人の自由なのですが、ここちよい着付けをするために、補整をしている方でも意外と知らない、たかはし流補整のイロハをお届けしていきます。
これから着付けを習う方や、習いたてというきもの初心者さんにも、ぜひ知ってほしい内容です。
「すっきり見える」だけじゃない補整をする理由
たかはしでは、「補」い「整」えるという字を使って「補整」をお伝えしています。
補整をする・しないは、どちらが上等かということではありません。
たとえば、自分にとって理想の着姿にするためや、自分にとって着ごこちのいい着付けに近づけるため、着付けの手間を減らしたいためなど、自分の好みに応じて、補整をする・しないを選ぶのが良いでしょう。
ちなみに、女将自身が「補整する・しない?」を聞かれたら、補整をする派です。
まず、補整をする目的として、全体的なバランスで考えた時、着姿がすっきり見えることです。きものを着るみなさんも望んでいることでしょうし、実は、すっきり見えるイコール着くずれしにくいんです。
たとえば、上半身が細くて、下半身にふわっと膨らみが出る体型をされている方。中年以降になると、特に腰まわりに浮き輪のようにお肉が付いてきやすいです。それ以外でも、上半身やウェストはすごく細くてお尻に向かって張ってきて、下半身にボリュームが出やすい骨格診断でウェーブ体型と言われる方がいらっしゃいます。
ウェーブ体型の方が、ウェストに合わせた上半身の着付けをすると、下半身のボリュームが強調される形になり、パーンとお尻が張って見えてしまいます。
この場合、ウエスト補整を入れることでお尻が小さく見える効果が得られます。
きものの生地は、タテ糸とヨコ糸が真横×垂直に重なって織られています。この生地目を意識して体に沿わせるようにすると、シワがよりにくくなります。
たとえば、裾を下すぼまりにしたい時、ウエストが細くてお尻が張っていると、お尻の部分で生地が引っ張られて歪みができます。そのため、最初は下すぼまりになっていても、歩くことで生地に力がかかっていくと、裾が開いてきてしまいます。
このように、お尻や太ももに張りがある体型の場合、裾が広がりやすいのです。生地の力にあらがって着付けているので、当然着くずれやすいです。
ウエストをお尻や太ももの張りに合わせて補整を入れ、できるかぎり真っ直ぐ寸胴にすると、生地がピタッと体に沿うようになります。
そのため、下すぼまりになった裾に対して、そのまま生地が上に上がるので歪みができにくいです。すると、生地の落ち着きが良くなり、着くずれしにくくなります。
さらに、一番気になるお腹の肉や腰肉は、帯を締めた後にぽっこり下腹として出てきてしまいがちです。たとえおはしょりを1枚にしてきれいにしても、立ち座りで腰に帯がぶつかって動くことで、上半身がブカブカと緩むことでも、着くずれに繋がります。
また、長い帯板を使うとどすこい体型に見え、帯板が腰にぶつかって着くずれてしまう場合があります。帯は細い部分に滑って移動していくので、帯と一緒に生地も動き、上半身の生地が緩みブカブカになって着くずれてしまいます。
お腹まわりのお肉が浮き輪のようにつき始めると、お肉を押さえこみたい気持ちになりますよね。
ただ、腰まわりのお肉を押さえ込んだとしても、ウエストが細いままだと腰まわりが張った状態になってしまいます。だから、ウエストに補整を入れていくと良いのですが、補整を入れれば入れるほど、太って見えることを心配されると思います。
そこで、補整の詰め物を多用せず、自分のお肉を持ち上げて、お肉を動かす、という新発想の補整を実現してくれるのが、「満点腰すっきりパッドスキニー」です。補整のための詰め物が少なくても補整が簡単にできるし、一発で補整が決まるという点も大きなメリットです。
パッドスキニーを、一番くびれているウエストだけ付けるのではなく、かならず骨盤にもかかる形でお肉をキューッと締めるように付けることで、お肉が動いていきます。(スポーツをされてきた方で筋肉質な方の場合、筋肉は動きにくいのでその上に補整を足すこともあります。)
自分のお肉がウエストの補整として入っていくため、パッドスキニーを使うとサイズダウンすることもあります。
仮に、補整は一切、付けなくて裾が広がってしまっても全然良いですという場合、それはその人の個性だと思いますし、ひとつの着方でもあると思います。
たとえば、補整を何もしなくても寸胴な体型ですという方もいますし、腰の曲線がなく真っ直ぐな方もいますので、補整が必要なのかどうかは、その人の体型にもよります。
下半身の補整を例に、お伝えしてきましたが、胸元を寄せて上げることも上半身の補整のひとつです。
胸のお肉が横に広がるような感じがする、下に落ちてしまうという場合、補整でお肉を上げることができたらすっきりと見えます。もし、胸のお肉をつぶして補整した方が良いと感じているのであれば、それが良いと思います。
かならず、こうしなければならない、ということはないのです。
大切なきものにも補整が効く理由
着姿や着ごこちに加えて、補整をすることは、きものを守ることにも繋がります。
タオルや補整アイテムを使用すると、その分、吸水性が上がるので、汗がきものに移ることを軽減することができます。
もちろん、補整をしたことで暑くて汗の量が増えるという側面もあります。
以上のことから、補整をする意味は大きくふたつです。
ひとつは、生地をすっきり体にまとわせることで着くずれを防ぐこと。もうひとつは、きものを守ることです。
着付けをするのに何を選び取るかは人それぞれです。これらふたつを考え合わせて、たとえば、補整を入れる量を季節によって調整するなど、考えると良いでしょう。
補整をする・しないは、上も下もなくフラットに考えて、自分の体に聞いて、選んでいくと良いと思います。
すべては自分の感覚と自分で選び取ったものを信じて、その上でここちよい着付けをされることで、もっときものを楽しめるようになると良いですよね。
ここちよい着付けをするために、女将の愛と理論と情熱がつまった動画はこちらをご覧ください。
【きもの初心者さんにも知ってほしい!ここちいい着付けの為に!補整ってしないとダメ?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
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