きもの初心者からフネさんへの道(その1:最悪な出会い編)

フネさんへの道

こんにちは。
たかはし新人・着物初心者の佐藤めぐみです。

「日本に生まれたんだし、いつかサザエさんのフネさんみたく日常を着物で過ごせる大人でありたい。」

と思ってから、あっという間の10年。

今は着物について興味津々で、ウキウキしながら着物の着付けを学んだり、少しずつでも着物に触れ合う機会を楽しんでいますが、私にとっての着物との出会いは最悪な状態でした。

そんな状態から上がったり下ったり、着物のことは記憶の奥底に終い過ごしたりしながら今に至るわけですが、まずは着物との最初の出会いをお届けしていきます。

意図せず築き上げちゃった「きもの」へのハードル

着物が身近にない人の場合、

「最後に着物を着たのはいつですか?」

と聞かれたら、

「成人式の時」もしくは「友人や親戚の結婚披露宴」などになるのではないかと思います。

着物初心者である佐藤自身も女将と出会う前は、最後に着物を着たのは成人式でした。

気仙沼では、成人式は卒業した中学校ごとに開催され、終了後に同窓会が開催されます。
当時の私は自分のことが大っ嫌いだったので(今は大好きなのでご安心ください)、中学時代は暗黒時代!仲の良い友達以外は会いたくない!と思っていました。

根底にその思いがあったがために、
(出たくはない成人式に)わざわざ高い振袖を用意しなくても良いのでは」
と思っていたのです。

しかし、母からは、
「せっかくなんだから、振袖を着てよ。お母さん、見てみたいもの。」
と言ってくれたので、振袖を選ぶことになりました。

せっかくの振袖選びにもかかわらず、自分に対しての自己肯定感の低さから消去法で選んじゃいました。
なぜなら、着物について何もわからない私にとって基準となるものは価格。

それ以外にあった基準と言えば、

  • できるかぎり目立たないようにしたい
  • 総柄の華やかなものなんて絶対自分には似合わない
  • 自分にとって成人式イメージの赤とかピンクは自分のキャラじゃない

人生初の高価な着物のお買い物をするというのに、なんたるマイナスイメージ(笑)

結果、母からは「かなり地味じゃない?」と言われた、渋めのからし色の振袖を選んだのでありました。

さて、成人式当日。
朝早くに予約した美容室で着付けをしてもらい、成人式に出席し親戚回りをしたのですが、とにかく苦しい一日でした。

さらにその日は朝から雪が積もっていて、その中を着物が雪で汚れないように、滑りやすい草履で転ばないように、着崩れないようにと、それまでに経験したことが無いくらい着ているものに注意を払った記憶ばかり。

ただでさえ嫌だった成人式に加えて、この初めての振袖体験。
肩は凝るわ、苦しいわで散々でした。

振袖を誂えてもらって、本来であれば喜ばしい祝いのはずの成人式。
次の私の写真でまるわかりかもしれませんが、当日の私は不機嫌そのものでした。
まぁ、当然ですよね、嫌々ながら成人式の日を迎えていたのですから。

成人式の写真

昔あった呉服店さんにて撮影。すごく機嫌悪そうですよね(笑)

その時の着物への印象を書き出してみますと、

  • 着物を着るには特別な機会がないと着られない(成人式や結婚式などお祝いの席)、いや、出来れば、それ以外は遠慮したい。
  • 着物は着ると苦しいけど、それを我慢しても着崩れてしまう
  • 着物は高価で洗えないから汚しちゃいけない。(だから、ご飯食べられない、トイレにも行きたくない)
  • 汚さないため、着崩れないために動きに制限が入り、ロボットみたいだ。
  • 自分に似合う着物ってよくわからない上に、自分では着られないのだから明らかに遠い存在だ。

などなど

ただでさえ着物に馴染みがないのに加え、自分自身が原因で成人式に良いイメージを持っていなかったことがマイナスのシナジー(相乗効果)を生み出していたんですね。

こうして、佐藤の着物へのハードルはめちゃくちゃどどーんと高くなってしまったのでありました。
もう着物そのものというより着物が関連するイベントでのイメージが強くて、着物への印象が生まれております。
しかもそのほとんど原因を自分で生み出しちゃっています。

この状態が20歳の時の佐藤なんですが、今の私から見ると・・・
「自分で勝手に思い込んだ思い込みで振り回されているって、なんて愛らしいんだろう。」
って思えるのは私だけかもしれませんが(笑)

最悪の出会いとなった状態から、どうやって着物に触れ合うことを再び選んだのか。

次回の佐藤の記事でお伝えしていきたいと思いますので、またお付き合いいただけると嬉しいです。