夏きものに必須!「暑い!」と感じにくい生地
昔に比べると、夏の気温がどんどん高くなっている感覚があります。そんな中でも、きものを楽しみたいという方にとって、どうすれば少しでも涼しく着られるでしょうか。
「涼しい肌着って、ありませんか?」こういったご質問をいただくことも、しばしばです。
そのため、たかはしでは、どうすれば少しでも不快感が軽減できたり、汗をたくさんかいてもお手入れが楽に済むか、暑く感じにくくなるのか、試行錯誤の中から生み出してきた商品がいろいろあります。
その中でも、今回は、夏に暑いと感じにくい生地について、ご紹介します。
一番の不快感、肌への張り付きを解消したい
きものを着ていて汗をかいた時、生地が汗でペタッと肌に張り付いて、その不快感と同時に、なおさら暑く感じるという経験をされたこと、ありませんか?
生地に凹凸が少なく、滑らかな素材だと、体に張り付きやすいです。
また、生地が体に張り付くことで、生地が肌と空気を遮断し、より暑く感じてしまいます。
この不快感を解消するために、体に生地が張り付かず、体と生地の間に空気を含ませるようにすることが必要だと考え、「絹麻町55番地」という襦袢地が生まれました。
絹と麻の美味しいとこどりの着心地の良さ
「絹麻町55番地」は、タテ糸に絹100%、ヨコ糸に麻100%の交織の襦袢地です。
※交織とは、違う素材の糸を用いて、織り交ぜている生地をいいます。
素材に絹と麻を選んだのは、絹の落ち感・ツヤ感・ゴージャス感という質感や着心地の良さを保ちつつ、麻の涼しさ・肌への張り付きにくさ・ざっくり感を程よく併せ持って、美味しいとこ取りができるのでは、と考えたからです。
その特長は次の通りです。
体に張り付かず涼しく、着心地良い
タテ糸に絹100%、ヨコ糸に麻100%にしたことで、絹の程よい落ち感のある着心地と、麻の張り付きの無さで涼しさを実現しています。
洗濯機で洗えて、アイロン要らず
ご自宅の洗濯機で洗うことができます。脱水も短い時間で良く、生地が濡れているうちに手で叩いてシワを伸ばして乾かすと、アイロン無しでもほぼキレイになります。
もちろん、アイロンをかけた方がキレイな仕上がりになりますが、かならずアイロンがけが必要というわけではありませんので、扱いやすいです。
柔らかものにも硬いものにも単衣にも使える
汗で体に張り付かないハリ感がありますが、程よい落ち感もあるので、柔らかものにも硬い紗のようなきものにも、単衣にも合わせることができます。
このような特長がある「絹麻町55番地」の絽の襦袢地を、ぜひ夏の襦袢としてその着心地を体感いただきたいです。
また、襦袢地としてだけではなく、生地の扱いやすさと体感の涼しさとを兼ね備えたオールマイティーな生地として使えるため、まずは「うそつき袖」からお試しいただければ、その着心地の良さを味わっていただけると思います。
プラスで涼しくするための居敷当て
「絹麻町55番地」の絽の襦袢は、透け感に問題が無ければ、居敷当ては不要です。
透け対策として居敷当てを付ける場合に、ダイレクトワッフル生地をおすすめします。
生地に凹凸があるので、きものを着る時に少し生地が引っかかる感じがあり、着はじめの頃は滑りが悪く感じることもありますが、涼しさは体感していただけると思います。
また、綿100%の生地で収縮率がほぼありませんし、使っているうちに生地の凹凸が無くなり、程よく滑らかになっていきます。生地の凹凸があるため、少しの膨らみがありますが、気にならなければ浴衣や襦袢などの居敷当てとして、涼しくお使いいただけます。
居敷当てを付けるかどうかのひとつの判断基準としてですが、きものにいつも居敷当てを付けている場合には、襦袢に居敷当ては不要です。きものか襦袢に居敷当てが付いていれば、ステテコだけでも透けることはありません。
光を下から当てて透けないかどうかの実験はこちらの動画をご覧ください。
【夏きもの”透ける”を検証!《最新版》】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
※たかはしでは、居敷当てはあくまでも透けの防止対策であり、生地の強度を増すためのものではないと考えています。
もし、これから夏のきものに挑戦する場合には、高温多湿な日本の夏は変えられないので、夏はきものを着ないこともひとつの選択です。少しでも暑さを感じにくく、涼しく楽しむには、何を一番の軸にして考えるのか、身につけるものを足し引きして試されるのが良いでしょう。
その中のひとつの選択肢として、「絹麻町55番地」の着心地とお手入れのしやすさを、ぜひお試しください。
「絹麻町55番地」の開発秘話もある女将による夏に暑さを感じにくい生地についての動画はこちらをご覧ください。
【夏きものに必須!「暑い!」と感じにくい生地】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
紹介した商品
洗える襦袢地 絹麻町55番地…
涼しさとキレイを叶える、ウエスト補整の決定版!
ウエスト補整にはどっちを使ったらいいの?
「ウエストの補整には、満点腰すっきりパッドスキニーと満点ガードル裾よけと、どっちを使ったらいいんですか?」と聞かれます。
※以下、スキニー(満点腰すっきりパッドスキニー)とガードル裾よけ(満点ガードル裾よけ)と表記
ウエスト補整で大切に考えていることは、骨盤を立てることです。
この「骨盤を立てる」というキーワードを中心に、スキニーとガードル裾よけについて、お伝えしていきます。
満点腰すっきりパッドスキニーの特長とは?
スキニーは、骨盤全体ではなく、骨盤の半分とウエストのくびれている部分を覆うように作っています。
スキニーを体にキュッと締めながら着けていくことで、腰肉とお腹のちょっとポヨポヨしたお肉を上に持ち上げるように締めることで、腰まわりのお肉を上げます。
そのように着けることで、骨盤が立ち、骨盤が立つと自然と体の前が開くような効果が確かにあります。
「満点腰すっきりパッドスキニー」の絶対的な特長は、
お腹のお肉を持ち上げる
腰のお肉を持ち上げる
ウエストと骨盤の高さを揃える
ハリを持たせる
紐が食い込まない
汗をとめる
というような効果が期待できます。
暑さ対策のため、極力生地が厚くならず、汗をきものや帯にうつさないように改良を重ねてきていますが、スキニーを着けると暑いと感じる場合には、避けた方が良いと思います。
では、このスキニーを着けたら、ガードル裾よけは要らないのかというと、そうではありません。
ウエスト補整に満点ガードル裾よけは不要?
ガードル裾よけは、お尻までキュッと引き締めてくれます。
腰まわりのお肉が締められてポタポタした感じがなくなると、お尻が引き締まって見え、より骨盤が立ちます。
ガードル裾よけは、骨盤を布の面で締めてあげることで、体がかなり楽になる、と感じていただけると思います。
ただ、感じ方は人それぞれ。「私はどうだろう?」と、ご自身の体感を大切にしてください。
ガードル裾よけの力布は放物線状になっているため、体に沿うように締められるようになっており、つるんと滑らない形になっています。
体が曲線ではなく直線になっているところの方が布地の止まりが良いです。生地目がピッタリと真っ直ぐな部分に当たっていくためです。
スキニーで補整をした上に、ガードル裾よけを着けることで、骨盤を気持ちよく立てることができます。
ガードル裾よけで使用している素材は植物系再生繊維・キュプラの薄手の夏織で、自信を持っておすすめできる涼しくて爽やかな着け心地です。
ただ、滑りの良い糸を使い、織りも平らのため、汗をかくと体に張り付きやすく、それが蒸れや暑さにつながりやすくなる、という一面もあります。
季節や気分で試すことがきものの楽しみの幅に
最初の質問の「満点腰すっきりパッドスキニーと満点ガードル裾よけと、どっちを使ったらいいんですか?」に戻りますと、これについてはどっちも良いのです。
スキニーで補整をした上でガードル裾よけを着けることにより、さらにキューッと骨盤が締まり、お尻までパンッと張った形になります。
スキニーを着けないで、ガードル裾よけだけ着けるということも、もちろんアリです。
季節によって暑さに耐えられないという場合には、スキニーもガードル裾よけも着けずに、ステテコだけ履くのが一番涼しいと思います。
かならず全部を身に着ける必要はありません。
季節によって、どこを一番のポイントにして選び取るのかは変わると思いますし、その日の気分でも変わると思います。
無条件にいつも同じものを選ぶというのではなく、季節やその日の気分などを考え合わせて、いろいろ試していくことで、それが自分にとってのきものの楽しみの幅になると思います。
「満点腰すっきりパッドスキニー」と「満点ガードル裾よけ」の使い心地では、骨盤を立てる点では一緒ですが、その効果・効用は違いますので、それぞれ選んでお使いください。
女将の満点腰すっきりパッドスキニーと満点ガードル裾よけの違いの説明動画はこちらです。
【ウエスト補整の決定版!満点腰すっきりパッドスキニーと満点ガードル裾よけの違い】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
更新情報はInstagramで発信していく予定です。
Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
よく見えるところにシワがつかない袋帯の畳み方【前編】
お太鼓とお腹にシワを作らない!
皆様は、袋帯の畳み方どうされているでしょうか。なんとなく、とか買ったときの折れ線のまま、という方が大多数かと思います。
袋帯の畳み方で大切なのは2つ。
1)見やすいこと
2)お太鼓やお腹に折れ線が出ないこと
袋帯は、だいたい6等分に畳まれていることが多いのですが、着る人の体型はいろいろ。胴回りのサイズだけでなく、帯を閉める時のクセも違います。
久しぶりに出してみて結んでみたら、お太鼓の真ん中に畳ジワがカッキーン!と出てしまったり、前帯の部分に頑固な縦の折れ線があったり、なんて経験はありませんか。毎回アイロンをかけるのも面倒ですし、だいたいアイロンをかける時間もないときもあります。
自分がお太鼓にどこの部分を出したいか、また出せるか。自分のベストな位置の数字をまず知る必要があります。
だいたい数字で割り出せないの?と言われるかもしれませんが、人の体は十人十色。また出したい部分の好みも微妙に違っています。最初に1回測ってしまえば、次からはそれと同じにすればいいので、一度自分のお太鼓と前帯のベストな場所を確認しましょう!
まずは自分のベストお太鼓位置を知る
用意するのはクリップ4つ!
クリップで、前帯のお腹にくる部分とお太鼓にくる部分に印をつけます。
そして、帯を解いてたたみ直すのです。
まずは、前のお腹部分を起点に帯を半分に折り、端は長さが違えば片方をたたんで揃えます。
そのあと、三つ折りもしくは四つ折りにしたときに、お太鼓部分が折れないように調整すればOKです。
お太鼓のところが折れそうであれば、ずらして畳むとよいでしょう。
もしその時点で、折れ線が入っているようだったら、アイロンで伸ばしておきます。
また、帯の長さと自分のベスト位置を測って数字にしておけばリカバリーもききますし、他の帯にも応用ができます。
ピンチを挟んだ状態のときに、他の帯をそれに揃えて畳むのもいいですね!
平らに畳んで、畳紙に仕舞うときは、この畳み方でOK!
次回後編は、ズボラ女将がすぐ閉められてシワにならず、本棚みたいに立ててしまえてすぐ選べる!!
という禁断の(?)袋帯の畳み方をご紹介いたします!!
お楽しみに!
女将のわかりやすい袋帯の畳み方の説明動画はこちらです!
【袋帯を、美しく締めるために!よく見えるところにシワがつかない袋帯の畳み方】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!
更新情報はInstagramで発信していく予定です。
Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…
令和5年2月
あっという間の二月、新年が明けたばかりなのに…、と、いつも言ってる気がします。
歳を取ると、月日が経つのが早いと言いますが本当にそうですね。笑
さて、私がライフ…
和装ブラ選びのためのバストサイズの測り方
自分のバストサイズ、きちんと把握していますか?
きものの着姿の美しさは、下着で決まるといっても過言ではありません。きちんとボディメイクすることで、きものを着心地よく美しく、着崩れずに楽しむことができます。
下着選びに重要なのは自分のバストサイズをきちんと把握することからです。洋服だってブラをするけれど、意外と自分のバストサイズをすぐに答えられえる方は少ないのです。いつ測ったか忘れてしまった‥‥といわれることもしょっちゅうです。
また、実際測ってみようとしても、どこをどう測ればいいの? という疑問もあります。
今回は、和装ブラ選びに役立てていただきたい『バストサイズの測り方』をご紹介します。
ブラを選ぶときに自分のトップバストとアンダーバストをきちんと把握している人は少なくて「だいたいこれくらいかな〜」という感覚で選んでいませんか?
実際に接客させていただく時にブラジャーのサイズ、アンダーバストとトップバストは何センチですかと伺った時に、すらっと答えられる方は十人に一人いらっしゃるかな? という感じです。
和装ブラのサイズも、SML表示なのでだいたいでいいやと思いがちなんですけれど、最適な肌着を選ぶにはやはり、自分サイズをしっかり測っておいたほうがいいです。
特に大切なのはアンダーバスト
和装ブラ選びで重要なのはアンダーバストのサイズです。
アンダーバストの締め付けが強いと、苦しいものです。せっかくきものを着ていても、辛くて台無しになってしまいますから、自分のサイズをしっかり把握しておきましょう。
測り方は、バストの下の付け根の部分。これは、もし胸が下がっていたら持ち上げて、付け根の位置で必ず水平に測ってください。
斜めになると、その分数字が増えてしまいます。
そうして測ったアンダーバストを、サイズ表のどのサイズにあてはまるか探してみましょう。こちらがたかはしきもの工房のPut…
枕ひもで苦しくならない! コツのコツ
枕ひもを強く結ばなくても、お太鼓が落ちない方法
お太鼓結びをするときに欠かせない「帯枕」。
枕ひもを結んで止めるのですが、いつの間にか帯の中から上にあがってきて帯揚げを押し上げたり、締めすぎて苦しくなってしまったり、逆にゆるくて帯が下がってきてしまったり‥‥。
なかなか程よい枕ひもの結び方ができていない、ということはありませんか?
特に初心者の方に多いのですが、ぎゅうぎゅうに強く結んでいる場合。
帯が落ちてきてしまったら嫌だから、しっかり止めたいから‥‥。気持ちはわかりますが、枕ひもを強く結びすぎると、気持ち悪くなったり、肋骨が痛くなったり、グラマーさんだと胸が目立ってしまったりして、あまりいいことはないのです。
女将自身も、鳩尾あたりを締め付けることが嫌で、なんとか楽にならないものかと工夫を重ねて、伸びる枕ひもの「メッシュの帯枕 空芯才」シリーズや枕ひも、また「結ばないけど枕ひも」などを開発してきました。
それでも、枕ひもや胸ひもをきつく結ぶ人は多く、それが原因で「着物は痛い、苦しい」ということにもつながっているのではないでしょうか。人に着付けをしてもらったときも、着物が苦しい原因はこの胸元のひも類であることが多いです。
例えば、当社の商品で「三賢伊達締め」というものがありますが、これが生地が切れたということで返品を承ったことが何度かあります。最初は縫製不良かと思っていたのですが、返品していただいた商品を見たら、相当強い力で引っ張った形跡が見られました。
「三賢伊達締め」は引き締めるというより、適切にあてて摩擦で止めるものなので、ぎゅうぎゅうに締める必要はありません。
枕ひもも同じように、適切にあてていけば苦しくはなりません。
今回はその枕ひもの当て方をしっかり解説していきます!
枕ひもを3つのステップでしっかり帯の中に入れ込む
帯枕は、枕ひもを強く結ばないと落ちる、と思っている方が多いかもしれませんが、帯のテとタレが交差しているところに帯枕をきちんとのせれば、枕ひもをきつく結ぶ必要はありません。
ひもを結んだら、帯の中に深く沈めると、鳩尾にひもも食い込まないし、帯枕も背中にぴたっとつきます。
ただ、結び目を帯の中に押し込んだだけではすぐに上がってきてしまうので、以下の3つの手順でしっかりとひもを帯の中に入れ込む方法を試してください。
1)真ん中を、しっかりと帯の中に沈める
2)両脇も、しっかりと帯の中に沈める
3)最後にもう一度、さらに真ん中を帯の中に入れ込む
いかがでしょうか。これをすると枕ひもが上にあがってくることもありませんし、鳩尾も苦しくなりません。
<おまけ>
帯揚げをあらかじめ帯枕にかけておくやり方をなさる場合は、帯揚げで帯枕をくるんでしまってからひもを結ぶと、脇の部分の帯揚げがぐしゃぐしゃになってしまいます。
完全に包まないで、帯揚げの上2/5から1/3を折り畳んで帯枕にかけて、帯揚げが帯枕を1周するかしないかくらいにしておくと、脇がぐしゃっとならずに綺麗に仕上がります。
一度お試しください。
きものを楽に美しく着たいから‥‥「苦しい」と思う原因があったら、減らしてみませんか?
女将のわかりやすい説明動画はこちらです!
【きものの痛い!苦しい!を解決!枕ひも、キツすぎない?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
更新情報はInstagramで発信していく予定です。
Instagramを登録されている方は、是非「たかはしきもの工房…