マイサイズは自分で研究して自分で決める!
マイサイズのきもののメリット
きものも「マイサイズ」がよいですよ、とよく言われますけれど、きものは多少のサイズの差はなんとか着られてしまうもの。マイサイズにすると何がいいのでしょうか。
1)着やすい自分にあったサイズであれば、着付けも楽ですし、きれいに着られて着崩れもしにくいです。
仕立てるときにも迷いがなくなります。おはしょりの長さを調整しなくていいような寸法というのも一つの目安です。
2)コートや羽織、襦袢がきものに合わない、ということがない
マイサイズはこれです、という寸法がわかっていれば、コートや羽織、襦袢などを仕立てる時もそれに合わせて作れば、寸法がちぐはぐで着たらあわない、ということもなくなります。
毎回サイズを測って作るというのも、その時のコンディションやお店によって差が出てしまったりもするので要注意です。
一箇所におまかせという手もありますが、それよりも、自分の納得できるサイズを知っておいたほうがよいです。
マイサイズってどうやったらわかるの?
呉服屋さんでサイズを測ってもらったらそれがマイサイズ、ということでも実はないのです。呉服屋さん、仕立て屋さんによって測り方も違いますし、それが自分の着心地の好みにあっているかどうかというのは、着てみないとわかりません。
だいたいお誂えをするのにサイズを測ってもらったりすると、初心者だと短かったり足りなかったりしたら嫌だな、という気持ちが自分にも仕立てる側にもあって、少し大きくなりがちです。大は小を兼ねるとは言いますが、やはりちょっとオーバーサイズは着にくかったりするもの。
礼装などはそのまま受け継いだり、ずっと着るものだから少しくらい太っても大丈夫なように大きめに作られたりしているというようなことはあります。でも、実際に着て動くと、自分にピッタリサイズの着物は綺麗に着られるし着崩れないし、なにより楽です。
どうやったらマイサイズがわかるかというと、やはり実際着てみて確かめるのが一番。この着物、着やすいなという1枚があったら、それに合わせて作るのが確実です。
例えば最初から誂えるのはちょっとと思えば、リサイクルで買った着物でもいいですし何枚か着てみて自分の感覚を確かめていくとよいでしょう。プロや詳しい人に聞くのもよいのですが、その方のアドバイスが自分にとっての正解かどうかというのはわかりません。やはり自分で実際に着て、答えを探していくのがよいかと思います。
また、誰かと共有で着たいとか、自分の事情もあるでしょうから、そういうことも含めて「人任せではなく自分で研究してみて、自分で着てみて、自分で決める」のがマイサイズなのです。
押さえておきたいサイズ 「身丈・袖丈・裄」
家にある着物を測ってみましょう
着やすい着物や、ちょっとここが長いとか短いとかわかっている着物のサイズを測ってマイサイズを追求してみましょう。
着物のサイズを測るには、和裁でよく使う竹尺がよいのですが、今はお持ちでない方のほうが多いと思います。できれば巻き取り式などのやわらかいメジャーで測ってください。よくある金属製の硬くて湾曲した「コンベックススルール」を使うと、誤差が出てしまうことが多いので避けたほうがよいです。
着物を平らに置いて、ほどよく押さえて空気を抜いて、正しい寸法が測れるようにします。
最低限知っておきたいのは「身丈・袖丈・裄」です。実際に測るポイントをお伝えします。
身丈
まず、身丈には「肩身丈」と「背身丈」があります。肩身丈は肩から裾までまっすぐ測った寸法、背身丈は背縫いの長さなので衿の分、肩身丈より短くなります。
身丈といったとき、どちらのことか確認されるとよいでしょう。たかはしきもの工房では、肩身丈のことを「身丈」と言っています。
裄
裄は、背中心から、袖の先までの長さです。これも測り方はいろんなやり方がありますが、たかはしでは上の折り目の部分で測ります。そうすると背中心の縫い目より上の部分を測ることになりますが、背中心がのびてきていると思われる部分で測ります。
袖幅と肩幅は、裄の半分が目安ですが、今は腕が長い方も増えていますし、あまり肩幅を大きくとると胸のあたりがぶかぶかしてしまうので、袖幅を気持ち長めにとったほうがすっきりした仕立てになります。このあたりも、ご自分のよい寸法を探してくださいね。
袖丈
袖丈は、腕の付け根の縫い目のとことで測ります。この寸法は、中に合わせる襦袢や、羽織、コートとの兼ね合いになる大切な寸法なので、把握しておいてください。特にリサイクルや譲られたきものなどでは、まちまちになってしまいな寸法ですのでご注意ください。
動画でも、マイサイズや測り方について女将がご紹介していますので、よろしければご覧くださいませ。
【きものの寸法、なんでマイサイズだといいの?】たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
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