自然の恵みに感謝しましょう【5分間スピーチ】
5分間スピーチとは?
スピーチ者
佐藤(愛)
気仙沼の基幹産業の一つは水産業ですが、それはあまり自分には関係がないことだなと思っていますか?
震災前までは、私にとって地元は年取ってから住むぐらいでいいやと思っていたので、街の水産業には関係がないと思っていたし、興味もありませんでした。
しかし、今日のテーマにある「自然」の捉え方が変わったことでも、その認識が大きく変わりました。
今日の内容での「自然」というのは、自然と共存するという考えをという記載があったので、人間と自然とを対置して、自然の中には人間が含まれない前提の元に、書かれた文章なのかなと推察されます。
ここでの自然は人手が加わらないものや、山や海、川、草木や雨や風など、人間を取り巻く外的な環境のことを指していると思います。この意味は、西洋から入ってきた考えでの自然で、人間が制御すべきもの、改造できるものとして自然が位置づけられています。
一方で、日本には元々、「自然(じねん)」という「あるがままの状態」を意味する考え方がありました。人間と自然を分けて見るのではなく、ただあるものがあるようにしてあるだけ。人間も自然の一部として森羅万象、天地万物すべてを自然として含んでいます。
どちらが正しいではなく、どう捉えて生活していくのが自分にとって、他の人にとって、地域や社会、地球にとってより良いのかなと考えたら、最近は後者の方が良いなと実感しています。
というのも、そのおかげで自分にとって気仙沼のことや水産業のことが、自分に関わりのある大切なことの一つであると思えるようになり、感謝の気持ちがわくようになったからです。
私にとっては、気仙沼のことに関わっていくというのは、震災後からの念願でした。気仙沼に帰ってきた時、この街があって本当に良かったという思いと、その街を形成するすべてに感謝できたんです。
例えば、今の時期はカツオが旬ですが、これは漁師さんだけが居れば良いわけではなく、沢山の人によって支えられています。
漁船を持っている船主さん。船主さんは、漁船に乗ってくれる船長、漁労長、機関長、ほか船員を探して漁船に乗ってもらわないといけません。
漁船を出航させるにも、船をメンテナンスする造船屋さん、網や釣針など扱う漁具屋さん、漁船の燃料を扱う燃料屋さん、魚の餌を扱うエサ屋さん、船員さんたちの日常生活に必要な物品を仕込む仕込屋さん、捕った魚を冷やすための氷を扱う氷屋さんなど。
気仙沼港に入港し水揚げするにも、魚市場、魚を買付する仲買さん、魚を運ぶための箱を扱う箱屋さん、お金のやり取りなどにも関わる漁協さん、魚を加工して販売する水産加工屋さん、陸にあがった船員さんをもてなす飲食店さんなどなど。
本当に多くの方々が水産業に関わっていることで、海の恵みである魚が食卓に並ぶことができるわけです。
そして、この多くの人たちの日常の生活を支えている、沢山の人達がいることで気仙沼の街が成り立っているわけです。街に住んで消費活動をしているだけで、誰かの収入の支えになっているわけですから、全部繋がっているわけです。
街はお家と同じで、人が住まなくなった地域はあっという間に荒れていきます。そこにただ人の営みが存在するということ自体が街を存続させていることなんだなと思っています。
海や山、川などからの恵みを受け取るにもそれを届けてくれるすべての人たちとそれを支える人たちのおかげで今があるということ。
直接的に何かをされていなくとも、自分が今ココにあるということだけで感謝でいっぱいになります。
ヨガを楽しんだり瞑想を通じて、自分が自然と一体であることを体感していくと、ありとあらゆる存在するものすべてを感謝で受け取るということが前よりもできるようになってきているなと感じています。今後も引き続き、意識していきたいと思います。
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