短い袋帯を、切らない縫わない「半つくり帯」で簡単に結ぶ方法
クリップとふっくんを使ってお太鼓をつくる
二重太鼓にしたいけど、ちょっと短いなという帯をお持ちではありませんか?
新しいものは長尺のものが多い袋帯ですが、古いものや譲られたものなどはちょっと短いなという場合もあります。
そんなときは作り帯にしてしまうという解決方法もありますが、帯を切りたくないな、とか、切らなくても作り帯の形にしてしまうことで収納が場所をとるな、とか思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回は、女将とっておきの技、短い帯でもちゃんと結べるクリップで毎回形を作って使う、切らない縫わない「半つくり帯」のご紹介です。
用意するものは袋帯、帯枕、帯揚げ、帯締め、クリップなど通常帯結びに使うものの他に
以上です。
これで、あらかじめお太鼓部分を作ってしまおうというものです。
では早速やってみましょう!
1)お太鼓の大きさを決めて帯枕を置く
手のほうは胴にまく部分まであらかじめ二つ折りにしておきます。たれ先から、たれの分(8センチくらい)とお太鼓の大きさ(だいたい30センチ)を測り、たれ先から約38センチのところに帯枕を置きます。
2)折り返して、二重太鼓の部分を作る
帯枕の上に、たれ先くらいまで帯を折り返して二重太鼓の部分を作る。このとき、短い帯の場合は、お太鼓の大きさ+3センチくらいで折り返す。
3)帯枕の下をクリップで止める
帯枕の下の部分を、折り返した帯が4枚重なるように揃えて2カ所クリップで止める。歪まないよう布目を整えるのがポイント。
4)お太鼓部分にふっくんを通して折り返してクリップでとめる
お太鼓を作った二重部分の下の輪にふっくんを通し、お太鼓の大きさに折り返す。余裕があれば手先で抑えられるが、折り返しが短いと手先でとまらないので、折り返し部分を左右2カ所クリップで止めてしまう。
5)帯を結び、お太鼓を背負う
通常通りに帯を胴に巻いていき(自分のやり方でOK)、最後に形作ってあるお太鼓を背負う。
6)帯枕の紐を結び、上のクリップをとる
帯枕の紐を結び、上のクリップをとる。帯揚げはあらかじめ帯枕にかけておいてもいいし、ここで通してもOK。帯揚げを結ぶ(仮結びにしてあとでキレイに仕上げてもOK)。
7)ふっくんを前にまわして止めて、帯の中に隠す
お太鼓の下に通したふっくん(仮紐)を前に回して止めて、帯の中に押し込んで隠してしまう。ふっくんが止まっていることで、お太鼓の形がキープできる。
8)手先をお太鼓の中に通し、帯締めを結んで仕上げる。
手先をお太鼓の中に通して、帯締めをその上に通して結ぶ。下の小さいクリップをとって、完成です!!
普通に結んだのと仕上がりは変わりませんし、脱いだら元通りになりますので収納も従来通りにできます。
毎回クリップで止めるのがちょっと手間かもしれませんが、慣れると早いものです。
柄出しもラクラク。二重太鼓が苦手な場合も使える技です
今回は短い帯が結べるということでご紹介しましたが、例えば柄出しをこだわってしたい、などのときにも使える技ですのでぜひご活用ください。その場合帯の長さが十分にあり、お太鼓の折り返し部分が十分な長さがあれば、ふっくんを使わなくてもよいので、臨機応変にどうぞ。
二重太鼓がずれちゃってうまくいかない、なんて方も最初にお太鼓を作ってしまって背負うだけなので、試してみるとキレイに結べちゃいますよ!
写真と説明だけではいまいちわからないかも‥‥というあなたはぜひ、女将の実演動画をご覧ください。高速帯結びも見られます。
【帯が短い方必見!】二重太鼓を半つくり帯で簡単に結ぶ!たかはしきもの工房「ズボラ女将の和装の常識を斬る!」
いかがでしたでしょうか?
ふっくんがない、という方は短くて細い仮紐でも代用できますが、ふっくんのよいところはゴムでできているというところ。キレイに帯の中に隠れてくれるんですよ。通常は前結び用帯板「とるる」とセットで使う仮紐なんですが、こんな使い方もできるのです。アイデア次第でいろいろ使える縁の下の力持ちです。
日常着物をもっと楽に、たのしく、かんたんに。ズボラ女将の日常着物術、これからもお楽しみに!
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